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天体写真と観測報告・特別版「天体望遠鏡の鏡掃除」

 姫路科学館の90cm反射望遠鏡は設置したらそのまま、ではなく、車の定期点検のように、メンテナンスが必要です。その中で一番の大仕事が、「主鏡の掃除」です。
 望遠鏡は窓の開いた半分屋外で使うので、心臓部の鏡にはだんだんほこりが積もって、見え具合が悪くなってきます。そこで、年に2回鏡のほこりを洗う作業をします。
 でも、鏡は世界に1枚しかない大切な鏡なので、望遠鏡のプロが傷をつけないようにそっと洗います。
(2013年9月に写真を新しいものに入替えました)

鏡の表面をチェック 鏡を洗うときは、望遠鏡を横倒しにして、横のふたをとって中に入ります。鏡は直径90cmあるので、写真の写っている人の上半身と同じくらいの大きさがあります。

まずは、表面の様子を観察して、傷やめっきの痛んだ部分がないかチェックします。
そして、ほこりを風で飛ばします。砂などがついていると、擦ったときに傷になるので慎重です。

洗剤を塗っていますさらに水でゴミを洗った後、鏡に霧吹きで秘伝の専用洗剤をつけます。
技師の方にはずいぶん長くお世話になっていますが、未だに成分は教えてもらえていません。

これぞプロの技!ガーゼで擦って汚れを取ります新品のガーゼでそっと拭いていきます。強いと傷がつくし、弱いと汚れが落ちないので、この力加減がプロの技です。
ガーゼは何回も新品に換えて、ゴミで鏡が傷つくのを防ぎます。

鏡洗い4洗剤をきれいな水で流して、水滴が残らないように、特殊なタオルで水分を取り除いていきます。
これも擦ると傷になるので、上からタオルを軽く押し付けるようにして、少しずつ作業をしていきます。

できあがり!鏡があるのかないのかわからないくらい、すっかりきれいになりました!
これでまた、みなさんにきれいな星を見ていただくことができます

作業前と後の比較来館者が多く稼働時間の長い夏休みは、湿度も高いのでほこりが鏡の表面にくっついて、なかなか取れません。
今回の掃除だと、作業前(左)と作業後(右)でこんなに違います。