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天体写真と観測報告「木星食(2001年8月16日)」

2001年8月16日の未明に、月が木星をかくす「木星食」という珍しい現象が見られました。
 月は地球の周りをおよそ1ヶ月かけて1周しています。そのため、月の動く道筋(白道)の近くにある星を隠す「星食(せいしょく)」という現象が起こります。星食自体は毎日起きていて、火星や木星などの惑星が月に隠される「惑星食」も時々起こるので、世界全体でみれば、そんなに珍しい現象ではありません。
 しかし、「国内」で「夜間」に見られるという条件をつけると、惑星食はかなり数が少なくなります。今年、惑星食は世界中で18回ありますが、国内で見られるのは4回しかありません。その4回のうち、全国で条件のよい夜間に見られるのは今回の木星食しかありません。
 さらに、姫路で夜間に木星食が見られるのは、過去だと1944年以来57年ぶり、未来では2034年まで30年以上無いため、今回の木星食は大変珍しいものになりました。
 姫路科学館ではお天気にも恵まれて、木星が月に隠されるところ、月から出てくるところの両方を見ることができました。

木星食連続写真画面左上から右下に時間が進んでいます

2001年8月16日 3時
90cm望遠鏡カセグレン直焦点(F16)+Fuji S1Pro(ISO1600相当・1/10秒露出)
Photoshopで画像処理

木星食拡大2001年8月16日 3時
90cm望遠鏡ニュートン直焦点(F5)+Fuji S1Pro(ISO1600相当・1/10秒露出)
Photoshopで画像処理