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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第89話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。
今回は、気球に乗ります。

第89話~温められた空気は上昇する! の巻~

温められた空気は上昇する! カブミちゃんのマネはしないでね!

バッタ博士のミニ知識【熱気球とシャルルの法則】

 熱気球が空に浮かぶのは、気球の中の空気を熱することによって、空気の分子の運動が激しくなって体積が膨張し外へと飛び出した結果、気球の中の空気の質量が外よりも軽くなるからです。

 空気など気体の体積は、圧力と質量が一定のとき、温度に比例するという性質があります。1787年に発見したフランスのジャック・シャルル(Jacques Alexandre Cesar Charles、1746 - 1823)の名前をとって「シャルルの法則」といいます。これを式にすると、Vを体積、Tを温度として、V/T=k(定数)と表したり、V1/T1=V2/T2と表したりします。この式はつまり温度が上がれば比例して体積が増えるということを表しています。

 熱気球は、この法則に従って空気が膨張して空に浮かぶという訳ですが、実は人が乗った熱気球の初飛行は1783年、同じフランスのモンゴルフィエ兄弟(兄ジョゼフ=ミシェル・モンゴルフィエ:Joseph-Michel Montgolfier、1740 - 1810、弟ジャック=エティエンヌ・モンゴルフィエ:Jacques-Etienne Montgolfier、1745 - 1799)によるもので、それは「シャルルの法則」の発見より4年前のことでした。

 飛行機の時もそうでしたが、その原理や理論が発見構築をされる以前に空を飛んでしまうなんて、空へ憧れた人間の冒険心は本当にすごいですね。