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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第96話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第96話~カブちゃん、来年の自由研究は の巻~

かぶちゃん 来年の自由研究は の巻

バッタ博士のミニ知識【自由研究の歴史】

 姫路科学館で行われる「児童生徒科学作品展」は、今年で第53回になります。半世紀以上、続いているのですね。これは開館24年目の現在の姫路科学館よりも前から続いている伝統の作品展ということです。ところで、今では当たり前の「夏休みの自由研究」ですが、いったいどのようにして、いつ頃から始まったのでしょうか?

 自由研究という考え方が生まれたのは、古くは大正時代の1920年~1930年代まで遡ると言われています。19世紀末から20世紀初期にかけて欧米で展開されていた新教育運動の考え方が輸入され、大正デモクラシーという当時の社会風潮と結びついて、大正自由教育運動と呼ばれる動きを引き起こしました。それまでの教師中心の注入教育に対して、教わる子どもの興味関心や感動を重んじようという運動でした。

 現在の自由研究が定着したのは、1947年(昭和22年)に文部省(現在の文部科学省)が現在に続く『学習指導要領』の中に「児童の活動をのばし、学習を深く進める」目的で自由研究という教科を定めて以降です。ちなみに当時の小学校の教科は、国語、算数、社会、理科、音楽、図画工作、家庭、体育、自由研究の9教科でした。しかし、1951年(昭和26年)の『学習指導要領』では自由研究が廃止されて8教科となり、教科以外の活動と位置づけられるようになりました。この頃から自由研究は夏休みの課題として徐々に定着したようです。

 姫路市で各小中学校から作品が出品されるような「第1回児童生徒科学作品展」が開催されたのは逆算すると1964年(昭和39年)のことですから、「夏休みの自由研究」が行われるようになって10年少し後には、今のようなスタイルで始まっていたことになりますね。伝統の「児童生徒科学作品展」、毎年力作が出品されますので、今年もぜひ姫路科学館にご覧になりにお出かけください。