城ツウ

お城のビューポイントは歩いて探すべし!

広大な敷地の中に、国宝8棟、重要文化財74棟を有する姫路城。櫓(やぐら)や門、石垣など見どころはたくさんありますが、多くの人がしみじみと「美しい」と感じるのは、やはり真っ白に輝く天守群ではないでしょうか。入母屋破風(いりもやはふ)、千鳥(ちどり)破風、軒唐(のきから)破風と、さまざまな破風がバランスよく配置された大天守は、東・西・乾(いぬい)の小天守と渡櫓(わたりやぐら)で連結され、城郭史上の頂点に立つ美 しさを誇ります。この連立式天守を東西南北歩きながら眺めてみましょう。

南側から見える見慣れた姫路城は、大天守が正面にすっとそびえ立ち、西の小天守が寄り添うように立つ優美な姿。大手門から入って一通り姫路城を見学したら、今度は姫路城の東側にある喜斎門(きさいもん)から外へ。ここから見る天守群は東の小天守が後ろを守るような姿になります。すぐ右手には姫路市立美術館。せっかくなので、寄り道しましょう。

姫路市立美術館は、旧陸軍が倉庫として建てたレンガ造りの建物で、姫路市庁舎として使用された後、1983年に美術館として開館しました。芝生を敷き詰めた広い庭園には、本郷新の「花束」をはじめ13点の彫刻が点在し、無料で鑑賞することができます。企画展が開催中なら、忘れずチェック。

7月からは日本・ベルギー友好150周年を記念して、19 ~ 20世紀のベルギー美術を紹介する「ベルギー近代美術の精華展」が開催されます。姫路市立美術館が誇るベルギーの美術コレクションを堪能できそうです。

美術館を楽しんだ後は、喜斎門へ戻り、姫路城の北側に整備された姫山公園へ。天守群の北東部から西の丸の南端までうっそうと植物が茂る樹林帯「姫山原生林」が広がり、付近は大手門のにぎわいと打って変わった静けさ。姫山公園の北側にあるのがシロトピア記念公園で、建築家・故黒川紀章(くろかわきしょう)氏が設計した「扇観亭(せんかんてい)」と名付けられた休憩所もあります。ここから天守群を眺めれば、東の小天守と乾の小天守をつなぐ「ロ」の渡櫓の直線が印象的な姿に。

途中、姫路神社に立ち寄ると、境内社に江戸時代後期の姫路藩家老・河合寸翁(かわいすんのう)の胸像がありました。姫路藩の借金73万両を木綿の専売制や和菓子作りの奨励などで返済し、経済を立て直した名家老が祭られています。

姫路城の北西にある清水橋までやって来ると、大天守と三つの小天守がすべて見えます。大天守を守るように配置された小天守が、連立式天守の美しさを十分に感じさせてくれます。西側からの姫路城の姿は、男山200段の階段を登って見るのもお薦めです。

お城のビューポイントは歩いて探すべし!

姫路市立美術館

  • 時間/10:00~17:00
  • 観覧料(常設展)/一般200円、高校~大学生150円、小学~中学生100円(企画展は別途 料金)
  • 休館日/月曜日(祝休日を除く)、祝休日の翌日、年末 年始
  • アクセス/JR姫路駅から徒歩約20分
  • 問い合わせ/姫路市立美術館TEL.079-222-2288

企画展 日本・ベルギー友好150周年
ベルギー近代美術の精華展

  • 期間/7月2日(土)~8月25日(木)
  • 観覧料/一般800円、高校~大学生500円、小学~中学生200円

「ヨーロッパの十字路」と呼ばれ、独創的な作家を数多く生み出したベルギー。クノップフやアンソールからデルヴォー、マグリットのシュールレアリスムまで、ベルギー近代美術の流れに迫ります。

石畳の道をのんびりお散歩

和菓子や豆腐を手作りするお店がありました

和菓子や豆腐を手作りするお店がありました

清水橋からはさらに西へ向かって石畳の通りへ。すぐ右手には昭和39年創業の和菓子屋「村井製菓」があります。菓子博で名誉金賞を受賞したという、毎日手作業で焼き上げる「お菊みかさ(どら焼き)」、ユニークな表情がかわいい「顔付だんご」、「たわらもなか」など目移りするラインアップ。夏はここでしか食べられない「俵最中アイス」も登場するのでお見逃しなく。

また、戦前からこの地で営業し、地元の人に愛され続けるのが「藤本豆腐店」です。

やわらかく甘みのある「豆腐」のほか、「あつあげ」や「ひろず」などが購買意欲をそそります。

しばらく行くと男山。千姫天満宮は、男山の中腹にある小さなお社で、本多忠刻と再婚した千姫が本多家の繁栄を願って建立し、西の丸長局の廊下から朝夕遥拝(ようはい)したと伝えられています。麓にある水尾神社の社務所で羽子板の形をした絵馬を買って、願い事を書いて奉納を。千姫が描かれた絵馬は、学業成就や恋愛成就の御利益があるといわれています。

姫路文学館が間もなくリニューアルオープン!

姫路文学館が間もなくリニューアルオープン!

7月30日のリニューアルオープンに向け、工事が進むのは姫路文学館です。有料ゾーンの北館の展示物はすべて一新。エントランス部分は「姫路城歴史ものがたり回廊」となり、姫路城にまつわる物語や歴史の一場面をドラマ仕立てで紹介していきます。姫路城を見た後、文学館に立ち寄ることで、楽しみながら理解を深めることができそうです。

「ことばの森で私を探す」というコンセプトで、約40人の文人の言葉と出会える「ことばの森展示室」は、心に残る言葉から作家への興味につなげるアプローチ。実物資料は随時展示替えなどを予定しています。

また、繰り返し足を運んでもらうための工夫も重ねました。南館は無料ゾーンとなり、小学校低学年までの幼児・児童が絵本を読んだり読み聞かせをしたりできる「よいこのへや」や図書室を整備。

人気の司馬遼太郎記念室も地域に密着した展示に切り替わります。

移り変わる姫路城の姿を眺めながら、360度のまち歩き。カメラ片手にのんびり歩いてみてはいかがですか。

もし、歩き疲れたら、姫路駅前から美術館前、博物館前、清水橋(文学館前)、好古園前を周遊する姫路城ループバスもご利用ください。

姫路城ループバス

姫路城ループバス

大人100円 小人50円
※3月~11月の毎日と12月~
2月の土曜・日曜・祝日運行
姫路文学館

姫路文学館

  • 時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 入館料(常設展)/一般300円、高校~大学生200円、小学~中学生100円(特別展は別途料金)
  • 休館日/月曜日(祝休日を除く)、祝休日の翌日(土曜・日曜日を除く)、年末年始
  • アクセス/JR姫路駅からバスで約7分
  • 問い合わせ/姫路文学館TEL.079-293-8228

※7月29日までリニューアル工事のため休館

特別展「上橋菜穂子と<精霊の守り人>展」

  • 期間/7月30日(土)~9月19日(祝)
  • 児童文学の枠を超えて、世界中で親しまれている『精霊の守り人』シリーズの作品世界を体感型映像コーナー等で紹介。上橋菜穂子の愛読書やフィールドワーク資料など、創造の源泉に迫る貴重な展示を行います。

長野佐知子

推進員のコメント

姫路城はいつ、どの角度から見ても私たちを惹(ひ)きつけてやみません。千姫天満宮や7月にリニューアルオープンする姫路文学館からは、いつもとは違う表情が見られます。お堀の水の音に涼しさを感じ、お団子に舌鼓を打ちながら、文学館まで続く石畳を歩いてみませんか。

広報推進員長野 佐知子