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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第58話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第58話~カブちゃん鬼になる の巻~

カブちゃん鬼になる の巻

バッタ博士のミニ知識【節分とカレンダー】

 節分は暦の上で季節の移り変わりを知るために設けられた「雑節」の一つです。雑節には他に、彼岸、社日(しゃにち)、八十八夜、入梅、半夏生(はんげしょう)、土用、二百十日、二百二十日などがありますが、いずれも農耕に重要な季節の変化を、生活の中に取り入れるための知恵だったのでしょう。
 同様に「五節句」や「二十四節気」という節目もあります。五節句は奇数の月日が重なる日で、中国の唐の暦にその由来があり、奇数(陽)が合わさると偶数(陰)になる(奇数+奇数=偶数)ことから、その邪を避けるための行事が行われていたことが起源で、現在、私達が用いているカレンダーの「国民の祝日」にも、1月1日の「元日」や5月5日の「子どもの日」にその名残りを見ることができます。そういえば、3月3日は「雛祭り」で7月7日も「七夕祭り」ですね。
 また二十四節気は、中国の戦国時代の暦が起源で、月の満ち欠けを基準にした当時の「太陰暦」が、地球が太陽の周りを回る公転運動による季節の変化とずれてしまうことから、それを補正するために工夫されたものです。こちらも農耕に重要な季節の変化を、暦の上に反映させるための知恵でした。
 現在、私達が用いているカレンダーは「太陽暦」、しかも閏年などで精密に補正を加えた暦ですから、月日と季節がずれてしまう心配はないですが、月の満ち欠けが天然のカレンダーだった時代には、月の満ち欠けと季節の変化という2つの異なる自然のサイクルを暦に反映し、それを生活の中に定着させるために様々な工夫が行われていたわけです。
 節分の日には、こうした先人達の知恵に思いを馳せながら、恵方巻をいただきたいものですね。