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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第70話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第70話~ハイサイ!琉球の生きものたちの巻~

ハイサイ!琉球の生きものたちの巻

バッタ博士のミニ知識【マングースとハブとアマミノクロウサギ】

 明治43年(1910年)に沖縄に持ち込まれたマングースは、インド原産の哺乳綱ネコ目(食肉目)に属する雑食獣です。インドでは毒蛇コブラの天敵として知られており、日本でも沖縄の毒蛇ハブの駆除を目的として21匹が持ち込まれたのが始まりとされています。ところが野に放たれたマングースは、ハブよりも美味しい獲物を見つけてしまいました。アマミノクロウサギが絶滅寸前に追い込まれたのは、主にマングースの仕業だとされています。
 このように本来は生息していなかった生物を人間の都合で移転させると、生態系が擾乱されて予期せぬ自然破壊が発生することがあります。人類の文明活動による移動速度や運搬規模は自然の緩やかな変化を超えており、生物多様性を今後も維持していくためには、文明活動と共存させていくための工夫が必要なのです。
 特別展「ハイサイ!琉球の生きものたち」(2014年5月19日まで)の会場には、マングース、ハブ、アマミノクロウサギの標本(剥製)が全て展示されていますので、この機会にぜひ、その姿をじっくりと観察してください。そして、そのような生きものたちが今後も生存していくためには何が必要なのかを考えるきっかけにしていただけたらと思います。