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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第75話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第75話~ジャンプチャンピオンはだれ?の巻~

ジャンプチャンピオンはだれ?の巻

バッタ博士のミニ知識【ノミのジャンプ力】

 昆虫のジャンプ力を、一跳びの距離で比較すると、トノサマバッタは約75cm、コオロギは約60cm、ノミは約30cmです。トノサマバッタの体長が65mm程度、コオロギが40mm程度、ノミが数mm程度であることを考えると、トノサマバッタは身長の12倍程度、コオロギは8倍程度、ノミが200倍程度ですから、ノミの能力がずば抜けていることが解ります。
 これを人間の身長に置き換えて考えると、ノミの一跳びは何と、人間であれば約300mということになります。
 ノミの翅は退化していますが、その分、跳ぶための筋肉は背中から胸の側面に移り、ジャンプに最適化されています。翅が退化しているために、空気抵抗が少なくて、より大きなジャンプができるのですから、翅が退化したのではなく、ジャンプの邪魔にならないように進化したと言うべきなのかもしれません。
 このような素晴らしい大ジャンプを見せるノミも、着地の方はからきし駄目で、着地するというよりは地面に落下すると言ったほうが、その状態を言い得ているかもしれません。落ちた後はその勢いで転がっています。人間だったら即死してしまうような勢いですが、幸いノミの小さな身体の体重に対しては、体表が十分に堅固なので、怪我をすることもありません。