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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第76話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第76話~すい星に生物は?の巻~

すい星に生物は?の巻

バッタ博士のミニ知識【ロゼッタの彗星探査】

 皆さんはロゼッタと聞くと何を思い浮かべるでしょうか? 有名な「ロゼッタ・ストーン」はナポレオンのエジプト遠征で発見された石碑で、そこに刻まれていたヒエログリフ(古代エジプト神聖文字)は19世紀始めにフランスのシャンポリオン(1790-1832年)によって解読されました。
 欧州宇宙機関(ESA)が2004年3月に打ち上げた彗星探査機「ロゼッタ」は、この故事に倣い、太陽系の歴史を解読することを目指して名付けられました。2014年8月6日、10年以上の歳月を経て目的地のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着し、2014年11月12日には着陸機「フィラエ」を彗星表面へ向けて降下させました。
 長径でも4km程しかない凍った泥団子の様なチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、重力が地球の10万分の1程度しかない微小重力環境で、「フィラエ」は銛を打ち込んで着陸する計画でした。
 しかし、その銛が上手く働かずにバウンドして当初予定地点アギルキアから1km程はずれた崖の下に着陸したとみられます。そのため「フィラエ」は太陽電池パネルへの日照が十分ではなく、降下前に充電した電力で計画された初期探査を実施した後は、各装置の電源を遮断した休眠モードで再充電中です(2014年11月26日現在)。「フィラエ」の再充電が完了し、更なる探査が進むことに期待しましょう。