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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第77話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第77話~新年あけましておめでとうの巻~

新年あけましておめでとうの巻

バッタ博士のミニ知識【2015年に期待される科学技術、バッタ博士一番のおすすめ】

 科学技術の進歩は日進月歩ですね。今年、2015年には太陽系探査で大いに期待されていることがあります。2006年にNASAが打ち上げた探査機ニュー・ホライズンズが、遂に冥王星に到達するのです。7月14日に13,695kmまで接近し、様々なデータを地球に送信してくる予定です。冥王星は約60億kmの彼方、地球に電波が届くのにも5時間ほどを要します。また、膨大な量の観測データの送信が完了するのは、来年2016年4月の後半になると見込まれています。
 今では惑星の名前を覚えるために「水金地火木土天海」と唱えますが、2006年以前は「水金地火木土天海冥」でした。冥王星はもちろん今でも248年程かけて太陽の周りを回っていますが、観測技術が進んだ最近では冥王星軌道の周辺から外側にかけて、次々と小さな惑星が発見されているのです。冥王星の直径は2,390kmとかなり小ぶりなので、冥王星に匹敵するサイズの惑星が発見され始めた結果、2006年にチェコのプラハで開催された国際天文学連合総会で、冥王星は惑星から外され準惑星という別のグループに置き換えられました。太陽系外縁部に存在する準惑星は冥王星型天体と呼ばれていますが、現在の冥王星型天体は冥王星の他、エリス、マケマケ、ハウメアの4つです。
 そんな太陽系の彼方の冥王星に、9年もの歳月をかけて遂に探査機が到着するのです。冥王星がどのような素顔を見せてくれるのか、今から本当に楽しみですね。