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姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第93話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。
今回は、元素の世界を覗きに行きます。

第93話~かぶちゃん 元素の世界をさぐる~

かぶちゃん 元素の世界をさぐる

バッタ博士のミニ知識【元素と原子】

 しばしば混同されている「元素」と「原子」。いったい何が違うのでしょうか?

 一言で言うと、物質の根源を示す概念が元素で、その元素の実体として存在する構造が原子です。

 古代から、様々な物質が、元となるより単純な物質の組合せで出来ているという考え方があり、有名なものでは陰陽五行説があります。これは、太陽と月の他、火、水、木、金、土で万物が出来上がっているとする古代中国の自然観です。曜日や惑星の名前でもお馴染みですね。この様な概念が元素という考え方の源になっています。

 19世紀になると、イギリスのジョン・ドルトンが、物質の根源が原子という粒子でできているという原子説を唱えます。その後、様々な実験が積み重ねられて、原子の構造が明らかになってきました。原子は、原子核というプラスの電荷を帯びた中心核の周りに、マイナスの電荷を帯びた電子が存在しています。原子核は陽子と中性子から成り、陽子1つの原子核の周りに電子1つの原子が水素、陽子2つと中性子2つの原子核の周りに電子2つの原子がヘリウムといった具合です。

 この様に、原子の性質は陽子の数によって変わります。中性子の数が違えば違う原子となりますが、陽子の数が同じなら同じ元素に分類されます。つまり、原子は個々を表す言葉ですが、元素は同じ数の陽子を持つ原子のグループを表す言葉ということにもなります。