姫路科学館>科学の話題>昆虫マンガ「カブちゃん」>第99話

姫路科学館・昆虫マンガ「カブちゃん」第99話

カブちゃんは、「姫路科学館だより」に掲載されている4コマ漫画です。

第99話~激突!ロボット対決 の巻~

ロボット対決! の巻

バッタ博士のミニ知識【ロボットの素材】

 ロボットに限ったことではありませんが、何かを作るとき素材の選択は極めて重要です。その構造を支えるのに十分な強度と、その構造が機械として動作するための重量のバランスを考えて、素材が決定されます。

 十分な強度を持つ金属としては軽くて、しかも加工しやすいという点で、ホビーロボットの分野では、アルミニウム合金が多用されています。アルミニウム合金の一種、ジュラルミンは航空機の素材としても有名ですね。

 アルミニウムの工業生産は、1886年、アメリカのホール(C.M.Hall)とフランスのエルー(P.L.Heroult)による電解精錬法の独立した発明とともに始まりました。1903年頃からドイツのウィルム(A.Wilm)は、適当な元素を添加して焼入れを行えば鋼のように硬いアルミニウムができるのではないかと考えて実験を繰り返し、1906年、銅を4%、マグネシウムを0.5%含むアルミニウム合金に焼入れをしたところ、数日後に硬度が非常に上がっていることに気付きました。

時効硬化と呼ばれるこの現象の発見によって、更に改良が施されジュラルミンの生産がスタートしました。新素材の発明が新しい構造の発展を促がし、より便利な機械を産み出してきました。未来の機械はどんな新素材によって構造が形作られるのでしょうか。