近年、長時間労働や仕事上の過度なストレス等によるこころの病気の問題は深刻化しており、労働者のメンタルヘルス対策が重要視されています。
こころの健康を守るためには、軽い不調の段階で気付き、自分で対処したり、仕事仲間が一緒に改善に取り組んだりする「職場のメンタルヘルス対策」が重要だと考えられています。
メンタルヘルス対策の取り組みに関する調査結果について
働く人のメンタルヘルス対策として、姫路市保健所では企業の実態を把握するために平成29年度と令和5年度にアンケート調査を実施しました。この結果を踏まえ、保健所ではメンタルヘルス情報の提供やメンタルヘルス研修会や相談等を行ない、働く人のメンタルヘルス対策への支援を行っていきます。
調査方法
調査対象
調査方法
メールまたはファクスまたは電子申請システムによるアンケート調査
調査期間
回答数
概要
メンタルヘルス不調者の傾向について
- 平成29年度と令和5年度ともに、4割以上の不調者がおり、メンタルヘルス不調者は増加傾向です。
- 企業規模が大きくなるほどメンタルヘルス不調者のいる割合が高いです。
- メンタルヘルス不調者が現れる原因は、「職場の人間関係の不適応」が最も多いです。
メンタルヘルス対策の取り組みについて
- 平成29年度の71.6%から、令和5年度は78.0%に増加しています。
- 取り組み内容は「従業員の相談窓口の設置」が最も多く、次いで「ストレスチェック等の心の健康診断」が多いです。
- 取り組んでいない理由は「取り組み方がわからない」が7割です。
- メンタルヘルス不調者の有無にかかわらず、メンタルヘルス対策に取り組む事業所は増えています。
調査結果
メンタルヘルス不調者がいる事業所は、47.7%です。
メンタルヘルス不調者の有無については、「不調者がいる」が47.7%、「不調者がいない」が38.5%、「わからない」が13.8%で、メンタルヘルス不調者のいる事業所は増加しています。また、企業規模が大きくなるほど「不調者がいる」割合が高い傾向にあります。メンタルヘルス不調者の実態は、平成29年度は「欠勤継続中」が一番多いのに対し、令和5年度は「通院しながら勤務中」が一番多いです。
メンタルヘルスの不調の原因は、平成29年度、令和5年度ともに「職場の人間関係への不適応」が一番多いです。次いで「本人のストレス耐性の弱さ」「仕事量の増加・長時間労働」が、不調の要因になっています。
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は、78.0%です。
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は、平成29年度の71.6%から令和5年度は78.0%へ増加しています。
メンタルヘルス専門スタッフ配置は、平成29年度と令和5年度ともに6割が配置しています。産業保健スタッフの内訳は、9割が非常勤の産業医です。
(2)メンタルヘルス不調者の有無とメンタルヘルス対策の取り組み
メンタルヘルス不調者がいない事業所でメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は、平成29年の64.6%から令和5年度は76.2%へ増加しています。
不調者の有無にかかわらず、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は増加しています。
(3)メンタルヘルス対策に取り組んでいない理由(複数回答)
メンタルヘルス対策に取り組んでいない理由は、全体で「取り組み方がわからない」69.2%、「必要性を感じない」23.0%、「経費がかかる」11.5%です。
「必要性を感じない」の割合が、平成29年度の5割から令和5年度は2割へ減少しています。
(4)メンタルヘルス対策の具体的な取り組み内容(複数回答、延数)
メンタルヘルス対策の具体的な取り組み内容は、平成29年度は「ストレスチェック等心の健康診断」が一番多い回答でしたが、令和5年度は「従業員の相談窓口の設置」が一番多く、次いで「ストレスチェック等心の健康診断」となっています。
相談機関
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)
はりまいのちの電話
詳しくははりまいのちの電話のページ別ウィンドウで開くをご覧ください。
こころの痛み、苦しみを話せる電話です。
電話番号:079-222-4343(毎日午前10時00分から翌日午前1時00分まで)
姫路市保健所健康課 精神保健担当
市民のこころの健康に関する相談、市政出前講座(メンタルヘルス研修等)を行っています。
電話番号:079-289-1645(平日午前8時35分から午後5時20分まで)