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あしあと

 

    薬物の乱用防止について

    • 公開日:2019年6月21日
    • 更新日:2019年10月7日
    • ID:7982

    薬物の乱用は地域社会に大きな損失を招くこととなります。一回でも「ダメ。ゼッタイ。」という意識ともって、決して薬物には手を出さない、薬物乱用を許さない社会環境をつくることが重要です。

    薬物乱用とは?

    薬物乱用とは、社会のルールから外れた方法や目的で、薬物を使用することです。また、医薬品についても、病気や傷の治療といった本来の目的以外に使用することは乱用になります。
    違法薬物は、一回だけの使用でも乱用です。

    なぜ、薬物乱用が「ダメ」なのか

    薬物を乱用すると、人間が生活していくうえで最も大切な脳にダメージを与えてしまいます。さらに、精神障害を発症し依存症を引き起こす原因となります。
    一度ダメージを受けた脳は、決して元の状態には戻りません。その障害は一生ついて回ることとなります。また、薬物乱用の悪影響は脳以外の臓器にも広く現れます。
    そして、薬物を手に入れる目的や薬物による影響から窃盗、強盗、傷害などの犯罪を誘発し、家庭の崩壊、社会秩序の破壊などの要因にもなります。

    乱用される薬物について

    薬物にはさまざまな種類があります。
    乱用される薬物によって作用は異なりますが、脳(中枢神経)に悪い影響を与えます。
    また、乱用を続けることにより、心と体の健全な発達が妨げられます。

    覚醒剤

    覚醒剤は日本で最も多く乱用されている違法薬物であり、検挙者の割合は薬物事犯全体の76%以上を占めています。

    形状

    主に白色やクリーム色の粉末、無色透明の結晶

    作用

    神経を興奮させ、眠気や疲労感がなくなり、頭がさえたような感じになります。
    しかし、効果が切れると、激しい脱力感、疲労感、倦怠感に襲われます。
    覚醒剤は、特に依存性が強く、使用を続けると「壁のシミが人の顔に見える」、「他人の話が自分の悪口に聞こえる」、「他人に狙われる」、「殺される」などと言った幻覚や妄想が現れるほか、時には錯乱状態になって、発作的に他人に暴行を加えたり、殺害したりするなどの凶悪粗暴な行動をとることもあります。
    また、一度に大量の覚醒剤を摂取すると、急性中毒により死に至る場合があります。

    大麻

    大麻に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)が脳神経のネットワークを切断し、やる気の低下、幻覚作用、記憶への影響などを引き起こします。
    近年では、「たばこより安全」などという大麻に対する誤った情報により若者の乱用、逮捕が増えています。
    詳しくは、「今、大麻が危ない!」とご覧ください。

    形状

    • 乾燥大麻(茶色または草色)
    • 大麻樹脂(暗緑色の棒状または板状)
    • 液体大麻(暗緑色または黒色の油状)

    作用

    酒に酔った感覚や手足に麻痺が現れるとともに、視覚、聴覚、味覚、触覚の感覚が鋭敏になります。
    また、思考が分裂して、現在、過去、未来の観念が混乱して、感情が不安定になったりします。このため、興奮状態に陥って、暴力的や挑発的な行為を行うなど、無責任な衝動的行為を行うようになります。

    危険ドラッグ

    覚醒剤や大麻などに化学構造を似せて合成された物質などが添加された違法薬物です。添加されている物質は、身体にどのような影響があるか分からない物質であることがほとんどであり、乱用した者が死亡する、重大な事故・事件を起こした例もあります。

    形状

    「ハーブ」「バスソルト」「お香」「アロマオイル」「アロマリキッド」など、危険な薬物ではないように偽装して販売されている。

    作用

    『身体にどのような影響があるか分からない物質』であることが多く、使用する物質により作用は異なります。
    乱用した者が死亡するなどの健康被害を起こすだけではなく、傷害事件や交通事故により他人を巻き込む事件などが報告されています。

    その他の薬物

    • 麻薬
    • 向精神薬
    • あへん
    • 有機溶剤

    危険ドラッグの一例

    無害なものとして販売されている危険ドラッグの写真(左からハーブ、アロマオイル、バスソルト)

    薬物乱用による影響

    薬物を乱用は脳に悪影響を与えます。
    脳は、感情や身体のコントロール、また心臓などの臓器を動かしています。薬物が脳に入り込むことによって、神経回路が破壊されてしまい、次のような影響があります。

    • 幻覚
      過去に見た嫌な虫の記憶と現在見えている物を脳が区別することができず、幻覚を見る。
    • 身体のコントロールが効かない
      車の運転中に、思ったように身体を動かせず、ハンドルを切ることができずに電柱などにぶつかるなどの事故を起こす。
      通行中の人の列に突っ込み、けがを負わせる。死亡事故に至る場合もある。
    • 死に至る
      脳から内臓器官に指令を出す回路が破壊されてしまうことによって、心臓や呼吸器が機能せず、急性中毒死などの死に至る場合もある。
    • 感情のコントロールができない
      脳の神経回路が破壊されることによって、感情のコントロールが阻害される。
      感情をうまくコントロールできないため、まわりの人たちと人間関係をうまく築くことができなくなる。

    耐性と依存

    薬物を乱用すると、薬物に対して「耐性」がつくとともに、「依存」状態になります。

    耐性
    薬物を乱用し続けるうちに、「耐性」がつき、同じ量では効かなくなり、無意識のうちに摂取量が増えてしまいます。
    耐性とは、薬物を繰り返し使用することによって、最初は効果があった薬物が、同じ効果を得るために使用量を増加しなくてはならなくなる現象です。
    乱用を続けると、次第に薬物の効果が薄れてきてしまい、同じ量では効かなくなり、摂取量や回数がどんどん増えていくという悪循環に陥ってしまいます。そうなるとさらに依存は深まり、脳や身体へのダメージもより深刻になっていきます。

    依存
    薬物を乱用すると、やめたくてもやめられない依存状態に陥ります。
    乱用される薬物は全て脳に影響を与えます。脳では神経伝達物質である「ドーパミン」を分泌する機能があります。ドーパミンは「よろこび」や「快感」、「運動機能」などに関係しています。乱用される薬物は神経を刺激し、ドーパミンを分泌させます。繰り返し刺激されることによって、脳内の神経は元に戻せない変化が生じ、薬物の使用をコントロールする力が失われていきます。
    さらには、効果が切れることによって起こるひどい不快感や苦痛から逃れるために乱用を繰り返し、やめようと思ってもやめられない「依存」状態に陥ってしまいます。

    薬物を乱用し、その効果が切れると渇望が湧いて薬物探索行動に走り、さらに乱用することで依存状態が悪化。「耐性」が形成され、使用量や回数が増えていく悪循環(依存症サイクル)に陥ります。
    薬物乱用の怖さはこのような依存形成にあり、依存からの回復は生涯の課題となります。

    フラッシュバックとは?

    薬物乱用によって破壊された脳の回路は元には戻りません。
    薬物の乱用によって生じた害が一生涯続きます。
    薬物の乱用でひとたび幻覚、妄想などの症状が生じると、治療によって表面上は回復しているかに見えても、これらの症状が再び起こりやすい状態となってしまします。
    乱用をやめ、普通の生活に戻っても、些細なストレスなどにより突然、幻覚や妄想などが再燃することがあります。
    これを「フラッシュバック(再燃)現象」と言います。

    フラッシュバックの事例

    覚醒剤をやめてから約10年近くたった29歳頃です。
    仕事が忙しくて睡眠不足が続いたある日、突然心臓の鼓動が早くなって、全身の毛が逆立つような感覚とともに心がザワザワしてきました。
    「フラッシュバックが起きた!」と思いました。まるで覚醒剤をやっていた頃の感覚がよみがえってしまった感覚です。
    それをきっかけにストレスや疲れを感じた時に、注射器を取り出して打っているという気になって、ハッとすることもありました。いつまたあの感覚に襲われるのかと思うと、とても恐ろしいです。

    薬物乱用が引き起こす事件

    薬物乱用は社会に大きな影響をもたらします。

    薬物を乱用したことによって引き起こされる事件

    薬物乱用は脳の機能や構造を変えてしまうため、正常な判断ができなくなる、運動機能がおかしくなる、幻覚・妄想に襲われるなどの障害が起き、数多くの事件が引き起こされています。

    • 薬物を使用して車を運転し、誰かに追われている妄想に取りつかれ、歩行者をはねた。
    • 危険ドラッグを吸って乗用車を運転し、駅近くで7人を次々にはね、1人を死亡させた。
    • 危険ドラッグを使用し、隣人の女性宅に侵入し、顔や両腕などを切りつけて怪我を負わせた。
    • 覚醒剤を乱用していた人が、素行を咎める両親と口論になり、自宅を全焼させた。

    薬物乱用を続けるために引き起こす事件

    薬物を使い続けるためには当然お金が必要です。薬物にはまってしまうと、生活の中の優先順位が変わってしまい、どうすれば乱用を続けられるかが第一の関心ごととなってしまいます。
    薬物を乱用するためには手段を選ばなくなり、最初は家族間や友人間でのちょっとした金銭のごまかしから、次第にエスカレートしていき、さまざまな犯罪を誘発します。

    • 高級酒を万引きし、転売することによって、薬物の購入資金を作っていた。
    • 知り合いから覚醒剤を購入し、友人らに密売し、自らも乱用していた。
    • 覚醒剤を購入するために連続してひったくりを行っていた。
    • 薬物の密売をめぐるトラブルにより、男性を殺害し、遺棄した。

    薬物から自分を守るポイント

    薬物は一部の悪い人達がやっているもの、自分には関係ないと思っていませんか。
    しかし、インターネットの調査では20代の約5人に1人、10代の約7人に1人は身近に薬物を使用している可能性がある人を知っているとアンケートに答えています。
    また最近では、「薬物は手軽に使用できる」や「大麻は安全だ」などといった誤った情報が流されています。
    このように薬物乱用への甘い誘いを受けやすい状況が生まれています。

    薬物乱用への甘い誘い

    • 一回だけなら平気だ
    • 身体に害はないよ
    • 眠気がとれて、勉強ができるよ
    • 痩せられるよ
    • みんなやってる。やってないのはきみだけだよ
    • イライラがとれて、すっきりするヤツだよ
    • とりあえず、やってみなよ。お金は次でいいから

    誘いを断るコツ

    薬物乱用の誘いを受けたら、ハッキリ、キッパリと断って、すぐにその場から離れるようにしましょう。
    また、薬物関連の問題をひとりで解決することは非常に難しいことでもあります。周囲の信頼できる人や薬物に関する相談窓口に、早めに相談してください。

    誘われた時、少しでも迷っている様子を見せてしまうと、また誘われてしまいます。誘われた時は、キッパリ断ろう!誘われてしまっている状態から抜け出すため、早くその場から立ち去ろう。自分を大切にする気持ちを大事にしよう!

    関連情報

    下記のホームページでも薬物乱用防止について掲載されています。

    (イラスト、写真 厚生労働省提供資料)