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《 姫路発 》お城からの手紙

2021 spring vol.83

なつかし古民家と小さなパワースポット。かつて『播磨国風土記』には「林田」や「伊勢野」という地名で記された林田エリア。早くから開けたため、古い神社や古墳が残り、林田藩の陣屋町の風情も感じることができます。

古民家で歴史を感じて

step1 林田大庄屋旧三木家住宅

江戸時代の暮らしを垣間見る大庄屋の家

江戸時代における大庄屋とは、年貢を取りまとめたり、戸籍を扱ったり、住民間の争いごとを解決するなど、藩に代わって数カ村の行政の一部を務めた家のこと。1万石の林田藩に大庄屋が3軒もあったといわれ、その一つである三木家の住宅が今も残っています。かやぶきの主屋や長屋門、土蔵などの六つの建物が県の重要有形文化財に指定されています。

長屋門をくぐると正面に主屋があり、高い天井に広い土間、台所、井戸などが見られます。奥に進むと藩主を迎えるための部屋が用意されていて、式台付き畳敷きの玄関、広々とした日本庭園を見渡せる表座敷などが。蒸し風呂は、民家では全国で2軒しか残っていないといわれ、熱した銅板に水を掛け、蒸気を発し、心身を清めたとされるサウナも見どころです。その他にも百姓一揆が起こった際の刀傷、藩主が有事の際に身を潜めるための床下のスペースなども。さらりと見てしまわないように、見学にはぜひ無料のガイドを申し込むのがお薦め。地元中学生による歴史ボランティアガイドジュニアの育成も盛んです。気軽にお問い合わせを。

spot2 米ギャラリー大手前

心にも体にも優しいほっとする場所

近年、古民家を活用した店が人気ですが、米ギャラリー大手前は、今から約15年前にオープンした古民家ブームの先駆けともいえるお店。子どもを自然豊かな場所で育てたいと、ご夫婦で2年かけてリフォームし、お昼だけの営業というスタイルで。広々とした店内は、夏は通り抜ける風が、冬は暖炉のぬくもりが心地よい場所です。

もともと家業が米穀店だったことから、おいしいご飯が基本。そして、2日に1度は契約した農家を回り、畑を見ながら食材をセレクト。お重に入ったおかずは、野菜を中心にした10品程度で、甘い、辛い、酸っぱいのバランスに、ちょっとスパイスを利かせたものや揚げ物でわくわく感をプラス。お肉を一切使わないのに、心も体も大満足のランチは1,500円です。山野草の小さな鉢植え、かわいい雑貨や衣類、骨董(こっとう)のお皿や椀(わん)などを買い求めることができるのも楽しみの一つです。ドライブがてら出掛けるのにぴったりの場所です。

❖ 米ギャラリー大手前

住所
姫路市林田町上伊勢338
電話
079-261-4612
定休日
日曜・祝日
営業時間
10時〜16時

歴史を訪ねて歩く。

幕府とつながりの深い
建部家林田藩

林田藩は元和3(1617)年に本多忠政(ほんだただまさ)が姫路藩主として入部したときに、摂津国から転封されて生まれた藩です。初代藩主の建部政長(たけべまさなが)は、池田輝政の養女を母に持ち、池田家ひいては徳川幕府と強い結び付きがあったといわれています。家督相続も順調に行われたため、建部家は以後明治維新を迎えるまで250年10代にわたり林田を治めました。

藩主は館を聖岡(通称御殿山)に構え、南側に陣屋を造りました。現在は石垣や堀の一部が見られるだけで、その正確な姿は分かっていません。付近には建部政長を祭る建部神社が残っています。

藩主館跡の近くには、兵庫県内に唯一残る藩校「敬業館講堂」があります。寛政6(1794)年に、学問好きで知られた7代藩主政賢(まさかた)が建てたもので、全国的にも珍しい士庶共学の学校でした。寛政の改革で有名な松平定信(まつだいらさだのぶ)に依頼して書いてもらったという直筆の「敬業館」という扁額(へんがく)も見どころです。

9代藩主政和(まさより)が教授として招いたのが、網干出身の河野鉄兜(こうのてっとう)(1825-1867)です。儒学はもちろん国学、雅楽、薬草学にまで精通した博識者で、学者や勤皇家とも交流が深く、全国各地から文人墨客の来訪が絶えなかったといいます。漢詩人としても知られ、敬業館のふすまには直筆で書かれた漢詩が残っています。

spot3 敬業館講堂
住所
姫路市林田町林田13
電話
079-261-2338
(旧三木家住宅公開日のみ)
公開日
日曜・祝日
(12月28日〜1月4日は休館)
公開時間
10時〜16時

中国宋代の朱熹が再興した「白鹿洞書院」に習い、校訓にあたる「示」の扁額が掲げられています。河野鉄兜の漢詩も。

まず訪れたのはこちら! 敬業館講堂 外観・内観
spot4 祝田神社
住所
姫路市林田町上構199
絵馬堂やヤマトタケルノミコトの銅像も。! 祝田神社 入り口とお参り風景
spot5 八幡神社
住所
姫路市林田町八幡749
身も心も癒やされる〜♪ 敬業館講堂 外観・内観
spot6 梛神社
住所
姫路市林田町下伊勢492-1
こま犬、かわいいっ
梛神社 こま犬
spot7 建部神社
住所
姫路市林田町林田24
どんなお屋敷だったのかな? 建部神社 外観
spot8 須濱神社
住所
姫路市林田町中構344
最後は須濱神社へ!
須濱神社 石鳥居
地域で守られてきた
神社を訪ねて

赤い鳥居が印象的な祝田神社は、延長5(927)年完成の『延喜式(えんぎしき)』にその名が見える、古い歴史のある神社です。林田藩主は代々厚く崇敬し、境内には3代藩主政宇(まさのき)、7代藩主政賢、8代藩主政醇(まさあつ)が寄進した石灯篭が残っています。「林田」という地名はこの神社の「祝田(はふりた)」が転訛(か)したものだという説も。

中世の山城があったという佐見山の西麓にある八幡神社は、広々とした境内や参道のモミジが美しい神社。その由緒は社記によると、寛平5(893)年に山城国石清水八幡神社の分霊を勧請(かんじょう)したもの。古くは源義経、頼朝、新田義貞、豊臣秀吉、池田輝政などが崇敬したといわれます。祝田神社同様、建部家の信仰が厚く、藩主寄進の石灯篭などが残っています。

梛神社は下伊勢の氏官、梛の大木を切り天照大神を祭ったいわれからの名称です。特徴は明治時代の伊部焼(いんべやき)(備前焼)のこま犬。岡山県には多いようですが、兵庫県では珍しいものです。

初代藩主政長が水利に苦しむ領民のために、水路とともに築いた西池は、林田八景の一つに数えられる場所。3代藩主政宇は池を眺める別荘として西御殿(発興亭)を作らせたといわれています。南側には池の築造の由来などを記した「西池の碑」が残されています。また、築造の際、池の中に小島を築き、市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)を祭ったといわれるのが須濱神社。水の上にぽっかり浮かび、季節や時間帯によって不思議な景色になることから、写真映えすると近頃ひそかに人気を集めています。

この他にもこの地の名工烏長兵衛(からすちょうべえ)の子が天明元(1781)年に建立した山門や6代藩主長教(ながのり)の供養塔がある済水寺、芭蕉の句碑がある薬師寺など陣屋跡を中心に寺社も点在。歴史や自然を感じながら歩く楽しさに満ちています。

歴史を感じる林田エリアをお散歩
広報推進員写真

広報推進員 一井 ゆか

歴史ある林田大庄屋旧三木家住宅や敬業館講堂について、ガイドの方に教えていただきながらいろんな場所を巡る1日。今回足を運んだ場所の中で印象的だったのは、池に浮かぶ神秘的な須濱神社。他にも魅力的なスポットが満載な林田町で休日を過ごしてみるのもオススメです♪