10月のある日の出来事でした。
当館のビオトープに、1匹のカマキリがいるのを見つけました。
「こんな時期に季節はずれのカマキリだなあ」と思っていたら、何と、水際まで近づくと、水の中に入り泳ぎ始めたではありませんか!
その光景にびっくりしたのですが、実は、過去に何回かそんな光景を見たことがありました。
どうして、陸にすむカマキリが、水の中に入ってしまうのでしょう。
その答えは、「ハリガネムシ」という生きものがお腹の中に寄生しているためです。
そして、不思議なことに、カマキリの意志とは関係なしに、カマキリを水辺へと誘導するのです。
さて、水の中に入ったかカマキリは、その後どうなるのかというと、ほとんど泳げないので、溺れてしまうことになります。カマキリにとってはかわいそうですが、ハリガネムシにとっては水辺に運んでくれる宿主でもあります。
このような、生きものたちの「持ちつ持たれつ」の関係は、皆さんの身近な場所でも起こっているかも知れませんね。