みなさん、こんにちは。
いよいよ2月6日から企画展「骨ばっかり!!」が始まりました。
このブログでも、展示だけでは伝えきれない部分をお伝えできればと思います。
また、期間中、新たに展示する予定の標本もありますので、そちらも随時ご紹介していく予定です。
さしあたって、今回ご紹介するのは「透明骨格標本」の展示です。
こちらは企画展示室の一角に展示してます。
写真にすると、どうも寂しく見えてしまいますが、実物を見ると「めっちゃキレイ!」と言ってくださる方が多いので、ぜひ見にいらしてくださいね。
そして、この標本、実は全て当館の職員の手作りです。
そのほとんどは、1年近く前から業務の合間をみて製作しました。
↑の写真は、実際の製作に使用した容器たちです。
透明骨格標本の作製は、大まかに(1)試料の固定→(2)脱水→(3)染色→(4)筋肉等の透明化→(5)グリセリン置換の順に行いますが、その各工程で数時間から数日間、各溶液に漬けて反応を待つ必要があります。
なので、作業としては試料を次の液に移していくだけでとても簡単なのですが、やっかいなのは、魚の種類によってその反応にかかる時間や適当な液の濃度が異なることです。例えば、(4)筋肉等の透明化の工程では水酸化カリウムを用いましたが、この工程では特に注意が必要で、失敗すると体がバラバラになってしまったり、身が爆発してしまったりしまいます。
ちなみに身が爆発するとこんな風になります↓
お腹の方の身が割れてしまっています。こうなると標本としての美しさが損なわれてしまうので、残念ながら失敗です。
今回展示しているのは、こんな風に失敗を幾度となく繰り返し、その中で生き残った選りすぐりのメンバーということになります。
長々と苦労話を書いてしまいましたが、兎にも角にも皆さんには透明骨格標本を見て、骨格が持つ美しさを感じていただければ幸いです。
〔スギハラ〕