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あしあと

 

    企画展「生誕120年記念 俳人永田耕衣展」を開催します。

    • 公開日:2019年12月20日
    • 更新日:2019年12月22日
    • ID:10407

    資料提供日

    令和元年12月20日(金曜日)

    問い合わせ先

    担当課 姫路文学館 学芸課
    担当者 竹廣
    電話番号 079-293-8228

    加古川出身の俳人永田耕衣(1900-1997)の生誕120年を記念して展覧会を開催します。

    開催趣旨

    枯草の大孤独居士ここに居る

    この辞世の句を残して97歳の大往生を遂げた俳人永田耕衣は、現代俳句において、あらゆる意味で先駆者であったとされ、没後20年以上を経て、ますますその存在感を強くしています。

    禅に影響を受けた強い宗教性、難解さゆえに俳壇では時に批判の対象となるなか、耕衣の魅力を真に発見し、「俳句を俳句の外に連れ出した」と評して絶賛したのは、違うジャンルの芸術家たち、特に詩人たちであったといわれています。またその類いまれな書も、書家たちを瞠目させました。

    55歳の定年後に本格的な活躍をみせ、自らの老いを句作のエネルギーにかえ、90代に入っても果敢に俳句世界を切り拓きつづけた耕衣。彼をモデルに小説『部長の大晩年』を書いた作家城山三郎は、その生き方を「満開人生」と称えました。

    当館では、平成7年の阪神淡路大震災で全壊した神戸市須磨区の耕衣居から救出された5千点をこえる資料を保存しています。昭和初期から最晩年の句帳、幅広い交友関係や独自の鑑識眼で集められた品々、そして書画作品。すべてがまさに奇跡的に残された品々なのです。そのなかから選りすぐりの逸品に加え、新たにご遺族や関係者所蔵の資料、さらに新発見の資料も一堂に公開します。

    少年や六十年後の春の如し

    耕衣誕生から百二十年後の春。あらためて、孤高の〈俳哲〉との〈出会いの絶景〉を創出できればと考えています。ご期待ください。

    永田耕衣

    95歳の耕衣。大阪「寝屋川苑」にて

    展覧会概要

    会期

    令和2年(2020年)1月11日(土曜日)から4月5日(日曜日)まで

    午前10時00分から午後5時00分まで(入館は4時30分まで)

    休館日:毎週月曜日(ただし令和2年(2020年)1月13日、2月24日は開館)、1月14日(火曜日)、2月12日(水曜日)、2月25日(火曜日)

    会場

    姫路文学館 北館

    観覧料

    一般310円、大学・高校生210円、中学・小学生100円(常設展料金)※20名以上の団体は2割引

    主催

    姫路文学館

    展示構成

    出品点数 約200点

    序章 原風景 耕衣のいた場所

    耕衣が97年の生涯で最も長く暮らした加古川、高砂のゆかりの地を紹介。

    1 芸術と生活のはざまで-青年永田軍二

    サラリーマン生活という現実と、芸術に生きたいという理想のはざまで悩み苦しんだ青年期の耕衣を紹介。また、19歳での負傷により、右手の自由を奪われた苦悩を作品でたどる。

    ≪白泥会―志功との出会い≫

    2 俳誌遍歴-《俳壇の渡りもの》

    自身の不断の成長をのぞみ、俳句界の常識を意に介さなかった耕衣の俳誌遍歴を紹介。

    ≪句作中断―時代の暗い影≫

    ≪天狼参加―獅子吼の時代≫

    3 それぞれのエポック

    約80年に及ぶ俳句の道を句集ごとのエポックにわけて紹介。

    ≪加古・傲霜の時代―初期作品の輝き≫

    ≪與奪鈔・驢鳴集・吹毛集の時代―最初の頂きへ≫

    ≪闌位以降・〈出会いの絶景〉と〈衰退のエネルギー〉

    4 耕衣の愛したものたち

    独自の審美眼で集められた骨董や古美術品などを紹介。

    5 書画―天下の悪筆

    多くの人を魅了した独自の書画を紹介

    終章 大孤独居士ここに居る

    阪神淡路大震災で自宅が全壊。そして訪れた孤独さえも句作のエネルギーに変えようとした最晩年の日々を紹介。

    展示の見どころ

    • 展示資料のほとんどが、阪神淡路大震災で倒壊した須磨の耕衣居(通称・田荷軒)から門弟たちの手によって救出されたものである点。特に、親交のあった棟方志功から贈られた肉筆画「灼明大聖御不動」(通称・赤不動)は、その発掘作業の最後に奇跡的に見つかった逸品。
    • 棟方志功と耕衣の合作の句集「猫の足」(昭和23年)/当時5冊ほどしか刷られなかったという幻の一冊。
    • 昭和初期から最晩年に至る句帳 震災後に詠んだ〈白梅や天没地没虚空没〉〈枯草や住居無くんば命熱し〉が書き込まれた句帳も新たに発見された。
    • 多くのファンを持つ書画作品(最初期の作品「金剛」)/ 耕衣は19歳で右手を負傷して以降、左手で字を書くようになった。若い頃はその悪筆をコンプレックスに感じていたが、60歳を過ぎてからその独自の書が、書家たちを驚かせ、各地で書画作品展を開催。
    • 昭和28年10月1日付 山口誓子宛ての永田耕衣書簡(神戸大学 山口誓子記念館蔵)/戦後、耕衣は山口誓子主宰「天狼」において、一躍その名を知られ、「天狼」の代表的作家となったが、昭和28年、「ある明確な理由」で突然同人を脱退した。今回発見し、初公開する書簡は、その具体的な理由を明かし、誓子に脱退を詫びる内容。


    記念イベント

    記念講演会

    耕衣と深い親交のあった詩人高橋睦郎氏による講演会

    講師

    高橋睦郎(詩人)

    演題

    「出会いの絶景」

    日時

    令和2年(2020年)2月22日(土曜日)午後1時30分から3時00分まで(開場1時00分から)

    会場

    姫路文学館講堂(北館3階)

    定員

    150人(当日先着順・無料)

    展示解説会

    担当学芸員による展示解説

    日時

    令和2年(2020年)3月14日(土曜日)午後1時30分から3時00分まで(開場1時00分から)

    会場

    姫路文学館講堂(北館3階)

    定員

    150人(当日先着順・無料)

    展覧会図録

    A4判 40ページ 令和2年1月11日刊行

    販売価格  700円

    寄稿 小林恭二氏(作家)、時里二郎氏(詩人)

    永田耕衣略歴

    明治33年(1900年)から平成9年(1997年)

    加古川市尾上町生まれる。本名・永田軍二。尾上尋常高等小学校を経て、兵庫県立工業学校機械科に入学。在学中に文学に親しむ。同校卒業後、三菱製紙株式会社高砂工場に入社。工場勤めの一方で、古美術や民芸、禅や哲学などを独学し、自らの俳句の道をきわめていく。「鹿火屋」「鶏頭陣」「鶴」「天狼」などの俳誌を遍歴し、昭和24年「琴座」を創刊。55歳の定年退職後に須磨に居を移し、さらなる旺盛な句作活動を展開。須磨の住居(通称「田荷軒」)には、耕衣を慕って多くの芸術家が訪れた。平成7年の阪神淡路大震災でその自宅が全壊。95歳の被災者として詠んだ<枯れ草や住居無くんば命熱し>という一句が衝撃を与えた。平成9年8月25日、97歳で逝去。その人生的、哲学的な俳句理念から〈俳哲〉と呼ばれた。

    添付資料