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開館30周年記念・春季特別展「開館30年のあゆみ−館蔵名品展」


当館は、自然豊かな書寫山麓に宮脇檀設計の建物で平成6年(1994年)7月1日に開館し、今年で30年を迎えます。本展では、これまでに収集した、姫路市生まれの奈良東大寺の僧侶・清水公照の関連作品、工芸(陶芸、染織、漆芸、金工、木工、皮革、ガラスなど)作品、全国の郷土玩具をあわせた14,952件23,090点の館蔵品の中から厳選した代表作約100点で、作品に込められた雄弁な想いを紹介するとともに、歴代展覧会ポスターなどで30年の歴史をたどり、未来への展望を考える機会とします。
なお、7月1日(月)は開館30年記念日にともない、特別開館します。

会期/令和6年(2024年)4月13日(土)〜7月1日(月)
会場/展示室B、展示室C、企画展示室、一般展示室
主催/姫路市書写の里・美術工芸館
企画/公益財団法人姫路市文化国際交流財団

展覧会チラシ A4表裏(PDF形式 3,054KB)

主な出品作品

(1)姫路市書写の里・美術工芸館の入口

書写の里・美術工芸館の入口_画像
来館時、最初に目に飛び込んでくる作品は、竹林の中の石碑「五風十雨」です。これは、元になる書を当館初代名誉会長の清水公照が揮毫したものです。明治44年、現在の姫路市六角に生まれ、東大寺最高位の別当をつとめ、平成11年5月に88歳で遷化しました。
一周忌を前にした平成12年に「清水公照師の遺徳を偲ぶ会」の皆様より御影石製のこの石碑が寄贈されました。「五日目に一度風が吹き、十日目に一度雨がふる。そんな天候がずっとつづいてくれるならば、実り多い農作物が採れるという豊饒祈願の句である。」という意味の語句は、健やかな暮らしと末永い文化の息吹を願う公照らしい言葉です。

(2)宮脇檀による設計デザイン(複写)

宮脇檀による設計デザイン_画像
宮脇檀(まゆみ)は、昭和11年に生まれ、平成10年に没した建築家です。兵庫県下では、たつの市御津町室津、丹波篠山市河原町、佐用郡佐用町平福などの地で、デザインサーベイといわれる建築設計に際した周辺地域の街並み等の調査を行い、豊岡市にある旧出石町立伊藤美術館などを設計しました。
当館の設計には、6つのキーワードが重要視されました。山の稜線に連なる曲線を意識した瓦屋根の「書写山写」、竹林が醸し出す「竹林賢人」の静寂、山裾の斜面を利用した「聖蹟階段」、清水公照の住まいであった東大寺の塔頭宝厳院の周辺を模した「二月堂坂」、多数の泥仏(どろぼとけ)を「五百羅漢」のように配置し、朱柱に支えられた広い軒下が連想させる「仏寺柱廊」というテーマが込められているのです。

(3)「かち染袱紗」絹製 江戸時代 260×267mm

かち染袱紗_画像
この袱紗は包み紙をともなっており、「播磨名物」の印と「かち染」の文字、藤原俊成の和歌「たのまずは飾磨のかちの色をみよ あいそめてこそ深くなりぬれ」の版摺り文字、「播磨國姫路相生屋勘右衛門」の印が押されています。平安時代には全国的に知られた姫路の藍染「かち(ん)染」は江戸時代に廃れ、血染め伝説と、姫路藩家老の河合寸翁が相生屋に復元させたという記録だけしかなく、現物は皆無でした。しかし平成9年に発見されたこの袱紗が、まさしくその裏付けとなり現存唯一ともいえる確かな資料です。
なお藍染は、紫外線による劣化が著しいので、当館ではトップクラスの資料価値を持つ収蔵品ながら、公開することはほとんどありません。この貴重な機会にぜひご覧ください。

(4)「姫路革秋草文手許箪笥」 江戸時代末から明治時代初期頃 板屋製 275×395×215mm

姫路革秋草文手許箪笥_画像
全面に装飾された革を貼りつけて仕上げた、豪華な木製の小箪笥です。白くなめされた牛革に漆を塗って、全体が金色に輝くかのような地色に仕上げ、さらに秋草の図柄をあらわして彩色を施した風雅な作品です。この作品は姫路の革細工店「板屋」製であることが、閂の金具側面に「イ」のマークが刻まれていることでわかります。明治になると浦上姓を名乗り、浦上卯七郎の代には万国博覧会に出品するほどの優れた作品を手掛けました。板屋をはじめとする姫路の革細工は、江戸時代に全国各地の大名や大寺院などで用いられ、姫路の最も代表的な名産品として知られるようになりました。

会期中の関連イベント

(1)特別写真展示コーナー「書写山で見られる野鳥」

内容 自然豊かな書写山で見られる代表的な野鳥20種を写真で紹介。
会期 令和6年(2024年)4月13日(土)から7月1日(月)まで
会場 展示室内の展示室A上
撮影 森田俊司さん(西播愛鳥会・日本野鳥の会会員)
キビタキ_画像
「キビタキ」森田俊司氏撮影

(2)記念講演会「作品でたどる工芸館の歩み―東山焼、かち染、姫路革etc.」

内容 学芸員として作品を収集、調査・研究する中で明らかとなってきた新事実を、当時のエピソードを交えて披露いただきます。
日時 令和6年(2024年)4月21日()午後2時00分から午後3時30分まで
講師 山本和人さん(元当館学芸員・工芸史研究家)
会場 展示室内の2階ラウンジ
定員 当日先着50人(午後1時00分から整理券配布)
備考 参加は無料ですが入館料が必要です。

(3)昼食座談会「点心について」

内容 書寫山圓教寺壽量院の本膳精進料理人による茶懐石の弁当(点心)をいただきながら、精進料理の歴史と作法をうかがいます。
日時 令和6年(2024年)5月19日() 午前11時30分から午後1時30分まで
料理・講師 佐藤光明さん(料理研究家/青山の辺竹林亭主)
参加費 5,000円
会場 庭の茶室「交流庵」
定員 15人
5月7日(火)までに往復はがきか応募専用サイトで申し込み、応募多数の時は抽選。

(4)スライドショー「未来に残したい播磨の美術工芸」

内容 当館が調査収集する作品の醍醐味を、写真で味わいます。
日時 令和6年(2024年)6月1日(土) 午後2時00分から午後3時30分まで
講師 岡崎美穂(担当学芸員)
会場 会議室
定員 当日先着30人(午後1時00分から整理券配布)
備考 参加は無料ですが展示観覧には入館料が必要です。

(5)展示解説会

内容 建築外観と展示室内作品について、担当学芸員と巡ります。
日時 令和6年(2024年)4月14日()、27日(土)、5月12日()、25日(土)、6月9日()、22日(土)、7月1日(月) いずれも午後2時00分から午後2時30分まで
講師 担当学芸員
定員 20人(午後1時00分から整理券配布)
備考 参加は無料ですが入館料が必要です。

姫路市書写の里・美術工芸館
〒671-2201 姫路市書写1223番地  [ 地図 ]
電話 079-267-0301 ファックス 079-267-0304

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