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姫路市立白鷺小中学校

HAKURO ELEMENTARY AND JUNIOR HIGH SCHOOL

〒670-0012 姫路市本町68番地52 地図

電話番号:079-222-5588

中曲輪バタフライガーデン

  • 公開日:2020年4月24日
  • 更新日:2023年3月7日
  • ID:2971

中曲輪バタフライガーデン

 

世界文化遺産 国宝 姫路城中曲輪バタフライガーデン

 

(1)中曲輪バタフライガーデンって?

 姫路城中曲輪バタフライガーデンとは、姫路城の眼下にある姫路市立白鷺小中学校を起点にした姫路城の中曲輪(内堀と中堀の間)を中心としたエリアです。姫路市の市蝶ジャコウアゲハを中心とした蝶の飛び交う空間の総称です。

(1)学校だからできること ~SDGs 持続可能な環境保全環境教育)で地域活性化~

 学校の周辺は国の特別史跡となっており、さまざまな制限がありビオトープが整備できませんでした。

 そこで学校の敷地を活用し、市蝶でもある希少なジャコウアゲハを中心とした蝶園を創造(地元の多様な生物が生存しやすい環境を保全)することで、子どもたちへの『SDGs持続可能な環境保全の環境教育』と、400年前の蝶が飛び交っていた『姫路城中曲輪の原風景の再現』を、同時に行えるのではないかと考えました。 

 

(2)コミュニティ・スクールとして地域と協働

 姫路城には年間150万人以上の観光客が国内外から訪れます。

しかしながら大都市に近く交通の便が良いため、姫路城だけを訪れて帰られる方が多く、姫路の魅力のほんの一部しか楽しんでもらえていませんでした。

姫路城を背に飛び交う黒地に赤斑のジャコウアゲハ。その優雅に舞う姿で、姫路城の中曲輪を散策する人の心が癒される空間を、学校と地域・PTAが協働して創造いたします。

 

(3)学校間の校種を超えて各種教育機関・企業とも協働

姫路市立白鷺小中学校と兵庫県立姫路聴覚特別支援学校。校種を超えて、子どもたちも地域の活性化のために協働いたします。 

 

(4)生物多様性について学習 ~持ち込まない。持ち出ださない。~

 姫路城中曲輪バタフライガーデンでは、『生物多様性ひめじ戦略』を元に専門家の指導を受けて活動しております。また日本鱗翅学会『保全のための放蝶に関するガイドライン』をまもり、放蝶行為は行っていません。

校内への地元の食草や蜜源植物の植栽を通じて、もともと地元にいる生物の生存環境の保全を行っています。

地元の遺伝子を守るために、地元以外の生物のタマゴや幼虫、ウマノノスズクサの苗は持ち込んだり、持ち出したりはしないように注意しましょう。

 

(2) 活動実績

活動記録

活動の歴史

~2018年

地域のジャコウアゲハ愛好家によるウマノスズクサの植栽活動

姫路城下町街づくり協議会による活動など

 

2015年

7月 旧白鷺小学校にて、ウマノスズクサをプランター等で育成

 

2018年

義務教育学校 白鷺小中学校の新設。

コミュニティースクールになる。

4月 学校と地域とPTAとの組織「白鷺学校運営協議会」設置

   白鷺学校運営協議会 環境部会の活動開始

 

 

国際花と緑の博覧会記念協会『生態園をつくろう』・三菱UFJ環境財団『ビオトープづくり支援』より活動助成金

12月 ウマノスズクサ植栽及び蜜源植物の植栽活動実施

2019年

3月 ジャコウアゲハサミットで『中曲輪バタフライガーデン創造プロジェクト』発表

 

 

コメリ緑育成財団、高原環境財団、ひょうご環境創造協会、

中播磨地域づくり活動応援事業、ちゅうでん教育振興助成より活動助成金

4月 毎日新聞社『生態園をつくろう』掲載開始別ウィンドウで開く

5月 日比野克彦氏の主宰『明後日アサガオ』プロジュエクト実施

7月 ジャコウアゲハ応援隊による植栽活動

 

10月 (公財)都市緑化機構・第一生命財団

    『第30回 緑の環境プラン大賞 コミュニティ大賞』 受賞(ポケットガーデン部門)

 

           住友化学園芸 花育キャラバン事業実施

     小学部の保健室前にある既設の花壇を再整備し、花文字とミニバタフライガーデン作成

11月 クラウドファンディングの実施

 

 12月 姫路駅の観光案内所に8年生の作成した英語版パンフレット設置

     小学部中庭に大型プランターによる蜜源植物の植栽

 2020年

4月 中谷医工計測技術振興財団プログラム女性(1年目)

6月 兵庫県『ひょうごの生物多様性保全プロジェクト』選定

8月 姫路市提案型協働事業採択、中播磨地域づくり活動応援事業助成

9月 中曲輪(姫路市本町)にある諸団体・企業と協働し、約20か所に食草スポットを設置

10月 (公財)博報堂教育財団 『第51回 博報賞』受賞

11月 兵庫県『グリーンスクール表彰』

12月 (公財)安藤スポーツ・食文化振興財団『トム・ソーヤースクール企業コンテスト 努力賞』受賞

2021年

4月 中谷医工計測技術振興財団プログラム助成(2年目)

10月 あすの兵庫を創る生活運動協議会 令和3年度『あしたのまち・くらしづくり活動賞 優秀賞』受賞

11月 中曲輪及び外曲輪にある諸団体・企業 約10か所に食草スポット設置

 11月 国土交通省 『第36回 手づくり郷土賞』受賞

12月 環境省 グッドライフアワード 『環境地域ブランディング賞』受賞

2022年

1月 日本生態系協会 全国学校園庭ビオトープコンクール2021 『国土交通大臣賞』受賞

5月 国道交通省・「都市景観の日」実行員会 『都市景観大賞 特別賞』

10月 大阪万博 EXPO2025 共創チャレンジに『姫路城中曲輪バタフライガーデンプロジェクト』を登録

2023年

1月 兵庫県教育委員会 第1回『ひょうごSDGsスクールアワード 最優秀賞』 受賞

2月 姫路市 『ひめじ創生SDGsアワード 特別賞』受賞

3月 第8回 ジャコウアゲハサミットで5年間の活動の取組みについて発表

team expo
team expo2

(3)市蝶ジャコウアゲハ(お菊虫)について

(1)姫路城の瓦

国宝姫路城には、築城主池田輝政の家紋「揚羽蝶」の瓦紋が随所に使用されています。つまり姫路城の空には何千匹もの蝶が現在も舞っているとも言えます。

(2)お菊伝説について

 有名な浄瑠璃の作品であり、怪談の皿屋敷伝説『播州皿屋敷』のお菊が、井戸に投げ込まれたのち、井戸の周りに、後ろ手に縛られ、口紅のような赤斑点もある、お菊の姿を彷彿させるような蛹(さなぎ)が見つかりました。(今も姫路城の本丸の上の山里と呼ばれる広場に『お菊井戸』とよばれる井戸があります。)そのことから、ジャコウアゲハの蛹はお菊の化身とされ『お菊虫』と呼ばれるようになりました。

 このお菊さんの墓は現在は姫路城内から、少し離れた十二所神社に建てられた神殿に移され『お菊神社』と呼ばれています。そこではお菊虫を三方(宝)に乗せ保存していたといいます。

戦前には『お菊虫』は、お菊神社や姫路城天守閣の最上層などで「お守り」として15銭で売られていたようです。

(3)姫路市の市蝶制定について

 ジャコウアゲハの幼虫は他のアゲハチョウとは異なり、食草のウマノスズクサしか食べないという特徴があるため、農作物の食害を引き起こさないという特徴もあります。 

これらのことから姫路市に最もふさわしく、平成元年4月1日に「市蝶・ジャコウアゲハ」に制定されました。 

(4)ジャコウアゲハの生態について

(1)ジャコウアゲハの特徴 その1

ジャコウアゲハ属はインドから中国、日本さらにフィリピンなどの熱帯・亜熱帯を中心に広く生息しており、その種類は28種類にも及びます。活動期は4月~10月頃まで活動し、その間に約3回羽化します。主な食草はウマノスズクサ科で、幼虫時代にその成分(アリストキア酸)を体内に取り込んだ「毒蝶」でもあります。

(2)ジャコウアゲハの特徴 その2

 ジャコウアゲハは赤オレンジの目立つ色を持っていますが、蝶の天敵である鳥が食べると「まずさ」ゆえに吐き出すそうです。そのため他の蝶の擬態のモデルになっているといわれています。吸蜜は早朝や日没後のたそがれ時に行われることが多く、食草のウマノスズクサさえあれば比較的容易に出会えることができます。

(3)ジャコウアゲハの生育過程

 産卵場所及び幼虫時の食草としてウマノスズクサを利用します。

卵は2ミリメートル程度で、孵化した幼虫はまず自分の入っていた殻をたべます。幼虫は柔らかい葉を食べますが、孵化後17日目の5齢虫になると茎など食べることが多くなります。幼虫は食欲旺盛なため、すぐにウマノスズクサを食べ尽くしてしまいます。

孵化後26日目程度で40ミリくらいの大きさの終齢幼虫に育ちます。約2時間かけて口から糸を出しサナギ(お菊虫)になります。サナギ期は11~15日で、冬季は7~9ヶ月も休眠する場合もあります。 

黄色だったサナギがだんだんと黒くなってきたら、成虫への脱皮のサインです。皮が割れ30分程度で羽化します。その後30分程度経つと大空に飛び立っていきます。

(4)ジャコウアゲハは恋の蝶?

ジャコウアゲハの雄は、名前の由来となっている麝香(ムスク)の芳香をお腹から放つことでも知られています。

古来よりムスクは恋の香りと言われていました。

しかしながら、ジャコウアゲハのジャコウの香りは、本来のムスクとは科学的な成分は異なり、「フェニルアセトアルデヒド」と呼ばれる物質がもとになっているそうです。

フェニルアセトアルデヒドはハチミツやチョコレートに例えられる甘い香りを発する物質で、食品や煙草の香料として利用されているそうです。

ジャコウアゲハはこの香りでメスとコミュニケーションを取っていると言われています(やっぱり恋の香り?)。

みなさんも一度ジャコウアゲハの匂いをかいで、実際に確認されてはいかがでしょうか? 

(5)食草ウマノスズクサについて

 兵庫県では、主につる性の多年草であるウマノスズクサとつる性の木本であるオオバウマノスズクサが主に存在しています。※持ち込まない。持ち出さない。を参照

(1)ウマノスズクサの生育

 ジャコウアゲハの飼育には、食害にあっても何度も葉を出芽するウマノスズクサが適しています。ウマノスズクサは夏緑性で、茎は数mに伸び、よく分岐し、6月~8月頃にラッパ状の花をつけますが、果実ができにくく、種子の採取が難しいようです。

(2)ウマノスズクサの株分け

ウマノスズクサは根茎の生育が旺盛で、赤玉土を混ぜた『根茎の根伏せ』の方法(長さ30mm以上、太さ3mm以上)を用いた栄養繁殖法が効果的のようです。

中曲輪バタフライガーデンでは、花の土と赤玉土(小粒)を1:1に混ぜた土を使用して、根伏せを行ってウマノスズクサの株を増やしています。


 ※写真は姫路ジャコウアゲハ倶楽部提供

 ※参考資料紹介

      姫路市 環境局環境政策室 生物多様性ひめじ戦略

  兵庫県立大学 平成31年3月刊行 「ジャコウアゲハから学ぶ生物多様性」別ウィンドウで開く

  日本鱗翅学会 「保全のための放蝶に関するガイドライン」別ウィンドウで開く

  環境省 「生物多様性国家戦略」別ウィンドウで開く

お問い合わせ

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