姫路市立琴丘高等学校
KOTOGAOKA HIGH SCHOOL
〒670-0052 姫路市今宿668番地 地図
電話番号:079-292-4925
姫路市立琴丘高等学校
KOTOGAOKA HIGH SCHOOL
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はじめに 本校図書館伝統文化活動の紹介
本校図書館の蔵書には、683冊もの江戸から明治時代の和本が含まれています。令和元年度、和本の1件3冊が姫路市指定重要有形文化財となったことから、本校生徒の希望者を対象に、琴丘高校の特色づくりの一環として和本・和紙を軸とする図書館の伝統文化活動が本格的にスタートしました。「紙」にかかわる多様な学びによって、生徒の主体性とふるさと姫路を大切に思う心を育むことを目的としています。
今回は「第3回 琴丘高生が取り組む 世界遺産姫路城の障子紙を漉いて張る」のご報告です。
昨年度より、新型コロナウイルス対策で「3密」を避けるため、また、部活動との両立のため、作業内容と場所によって5つの班を設けています。班の掛け持ち可として参加者を募ったところ、今年度は58名の生徒が集まりました。
生徒17名が、校内の楮を採取。この楮は、令和元年度、姫路藩御用紙漉所跡付近(姫路市香寺町須加院)より移植されたものです。今年度は、皮剥き、水洗い、天日干しまで行いました。
また、全体挨拶や作業の説明を代表生徒が行い、記録係をコンピュータ部が担当しました。
生徒8名が、須加院自治会の方々とともに姫路藩御用紙漉所跡付近の楮を採取しました。生徒保護者と旧職員も参加。学校の楮を採取したメンバーは、「本家」の楮の大きさに驚きの声を上げ、慣れた手つきで作業を進めました。2年生が1年生の指導をしています。
生徒9名が、名塩紙技術保存会の八木米太朗氏、書写山圓教寺鬼追い会式保存会の梅津輝旭氏とともに、書写山の雁皮を採取しました。まずは雁皮を見分けるところからスタートです。「低木で葉は2列互生、葉の両面に絹毛があり柔らかい……」Googleclassroomでの予習の効果は如何に?
生徒20名が、姫路城「との一門」の障子紙となる紙漉きに取り組みました。裏方支援の陸上部生徒6名も駆けつけ、総勢26名の参加です。
まずは漉き舟に水を入れる作業からスタートです。「バケツリレー」は生まれて初めてという生徒がほとんど。そのあと、漉き舟に生徒が採取した楮(こうぞ)と雁皮(がんぴ)、さらに姫路城の襖の中張りの繊維を水に溶かしたもの、粘剤のネリを加え、攪拌します。
準備が整ったところで、代表生徒(図書部部長)が号令をかけ、講師紹介。
名塩紙技術保存会八木米太朗先生が紙漉きの実演をしながら説明をしてくださいました。
金網を張った簀桁(すげた)に紙料をすくい上げて紙を漉いていきます。このような漉き方を「溜め漉き(ためすき)」と言います。江戸時代、姫路藩家老河合寸翁が現在の姫路市香寺町須加院に姫路藩御用紙漉所を設置し、名塩から紙漉師を招き、藩札などをつくらせました。そのような歴史を踏まえて、姫路藩御用紙漉所跡の楮を用い、名塩紙の八木先生をお招きしています。
紙漉き参加生徒20名を2つの班に分けました。前半に紙漉き、後半に講義受講のA班とその逆パターンのB班です。
先に記念ハガキで練習。そのあと、姫路城の障子紙となる美濃判の和紙を漉きます。記念ハガキには自分の名前を記した紙片を漉き込みます。
生徒が着用しているフェイスシールドは卒業生(製作当時3年生)による手作りで、文具の下敷きとサンバイザーを組み合わせた、心のこもった逸品です。
こちらは講義コーナー。姫路市文化財課 宇那木隆司氏が和紙や藩札などの歴史についてお話してくださいました。博物館であればガラスケースに入っていそうな展示品も触れてOKなのです。
姫路市長 清元秀泰氏はじめ、市の関係者の方々が紙漉きの様子を視察されました。市長様、教育長様、本校PTA会長様が、生徒の熱い視線を受けながら紙漉きに挑戦!
代表生徒がお礼の言葉を述べました。
次回は8月26日(木曜日)。いよいよ障子張りです。
コンピュータ部生徒撮影の画像は後日アップする予定です。
お待たせいたしました。
コンピュータ部撮影の画像をアップします。
生徒24名が本校しらさぎ会館において姫路城「との一門」の障子張りに取り組みました。
本日の障子張り講師は現代の名工(表具師)梅岡一晴氏です。8月5日の紙漉き講師・名塩紙技術保存会八木米太朗氏が名塩で和紙の最終仕上げをして持ってきてくださり、作業の様子を見守られました。
今は少なくなりましたが、一般家庭で障子張りをする際は、ロール状の大きな障子紙を障子枠にのせて張ります。しかし、手漉きの和紙は小さいので、画像のように少しずつ張っていきます。格式あるお茶室なら、今でもこのような張り方だそうです。
今回も全体挨拶を代表生徒が行い、記録係をコンピュータ部が担当しました。
障子張りも前半と後半に分けて実施。待ち時間の生徒はワークシートに取り組んでいます。お題は「高校生が『世界遺産姫路城の障子紙を漉いて張る』のような活動に参加する意義とは?日本や地域の現状を踏まえて考えてみよう」。
「これからの姫路を支えていく、つくっていくのは私たちの世代だ。私たちがこのような体験をすることで、姫路に関心を持ち、姫路をより良くしていこうと思えたり、行動にうつしていけるようになったりすると思う。そうなれば姫路を訪れる人、姫路に住む人の考えや行動の変化につながり、さらに訪れたい、住みたい街に成長できるのではないかと思う。」と2年生。本校図書館発行の『読書三餘』でも紹介予定です。
ご協力いただいた皆さまに心よりお礼申し上げます。
姫路市立琴丘高等学校
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