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    令和3年2月18日臨時市長記者会見

    • 公開日:2021年2月12日
    • 更新日:2021年3月8日
    • ID:15848

    会見事項

    1. 新型コロナウイルス感染症患者の重症化予測に関する臨床研究への協力について

    市長会見内容

    新型コロナウイルス感染症患者の重症化予測に関する臨床研究への協力について

    報道各社の皆さまにはお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。
    本日、姫路市は新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを層別化する国家プロジェクトに、実証フィールドを提供する形で協力参加することを表明いたします。
    本件は、国立国際医療研究センター(NCGM)の野入英世博士らが研究開発中の「尿L-FABP検査を用いた新型コロナウイルス感染症重症化予測に関する臨床研究」に姫路市が全面的に協力し、在宅療養や施設内療養を余儀なくされるハイリスク・コロナ陽性者の重症化リスクを早期に予測し、市民の命を守るための実証フィールドとして国家プロジェクトに参加するものです。
    これまでのNCGMを中心とする臨床研究にて、非侵襲検査である尿L-FABPの上昇は、パルスオキシメーターで測定した血中の酸素分圧の低下よりも、早期かつ的確にコロナ間質性肺炎の進展・重症化リスクを予測するのに非常に有用であるということが明らかとなりつつあり、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)プロジェクトとしても注目されております。
    さらに、この尿L-FABP測定に加え、アルム社の開発されたスマートフォン用医療情報連携システムMySOSを組み合わせることで、重症化が想定される陽性者が入院待機中に、急変する前にCCC-Hyogo(新型コロナウイルス入院コーディネートセンター)の入院調整機能を用いて、迅速に医療庇護下に置くことが可能となります。
    姫路市は担当する健康福祉局・保健所・2月から稼働している新規整備した軽症者用コロナ専用病棟が連携して、この最新臨床研究に参加することで、高齢化・障がい者福祉施設や在宅療養での待機を余儀なくされる新型コロナウイルス感染症陽性者の死亡リスクを低減させることが期待できます。
    なお、詳しくは本事業に参加する、姫路市保健所長 毛利好孝、国立国際医療研究センター研究所 ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク事務局長 野入英世博士、聖マリアンナ医科大学 医学部 客員教授 菅谷健博士、株式会社アルム 坂野哲平社長に、それぞれ質問、取材していただきますようお願いいたします

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    質疑応答(要旨)

    記者:
    国立国際医療研究センターのグループの臨床研究に協力する自治体としては、姫路市が初めてか。

    市長:
    自治体としては初めてである。いわゆる輸入感染症の国の一番の機関である国立国際医療研究センターの野入先生を中心とするグループが、ダイヤモンドプリンセス号の重症者に、このキットを使って層別化を行うと、血液を取らなくても、尿でも重症化の予測に非常に役立ったということが9月ごろに報道された。それを野入先生方が論文化されており、L-FABPのデータが高い場合には、のちに人工呼吸器の装着等が必要となるリスクが高いということがわかってきた。医療施設と連携されていたようだが、自治体では初めてである。
    今、入院隔離が必要な方が入院できず、自宅もしくは施設内療養で大変困っている状況で、巡回訪問診療を開始していたが、そのことで野入先生から、自治体として本研究に参加してはどうかというお声をかけていただいたので、自治体のフィールドとして初めて参加することとなった。

    記者:
    資料にセンターに入院した224人のL-FABPを調べたとあるが、今回姫路市が参加するこの研究では、何人規模の検査を行うのか。また、どういうときに、このたんぱく質の量が多くなるのか。

    市長:
    500人分の検査キットを送っていただけると聞いているので、当面500人分の検査を行う。ニーズが出てきたら、追加でお願いすることも検討したい。
    本日の報道にあったように、高齢者施設でクラスターが発生しているので、PCR検査と合わせて、従来から行っているパルスオキシメーターによる測定とこの検査を行っていきたいと考えている。

    野入博士:
    L-FABPというたんぱく質は患者が低酸素になってくると発現し得る。これは腎臓に局在しており、患者に肺炎が生じてくる過程において、早々にこのたんぱく質が尿に出てくる。体のコンディションを反映するということが想定されている。腎臓は、血流全体の約5分の1が流れているので、こういった体のコンディションを早々に反映し得るのだろうと考えている。

    菅谷博士:
    糖尿や腎疾患の患者は、コロナ感染後の重症化のリスクが高いと一般に言われているが、私どもの今までの検討によると、糖尿の方全員が重症化するわけではなく、このL-FABPの値のベースが高い方はその後の重症化や低酸素化したときの急変のリスクが高いというデータになっている。一般のこういうスクリーニングにおいて、この簡便な方法が、よりハイリスクの方の洗い出しに役立つのではないかと考えている。

    記者:
    重症化のリスクが早期に発見できるということだが、パルスオキシメーターで低酸素がわかるどれぐらい前にこの尿の検査でわかるのか。資料には1週間後に症状が悪化したとあるが、パルスオキシメーターよりも1週間ぐらい前にわかるようなものなのか。

    市長:
    あくまで臨床研究で、そうなっている。
    人間は恒常性を維持するために、ぎりぎりのところまで頑張っていくが、水面下では低酸素状況になっている。
    パルスオキシメーターは表面の酸素を見ているので、今の酸素分圧を見ているが、ぎりぎりのところで頑張っているという状況が、このL-FABPというたんぱく質に、あらわれてくると考えられている。

    野入博士:
    パルスオキシメーターはこの病気では、あまり役に立っていないのではないかと思っている。その理由の一つは、コロナにかかると、自宅や待機施設では、じっとしていると思うが、じっとしていると、酸素消費の必要量はそんなに高くない。つまり、パルスオキシメーターの値が96とか95、94でも、ゲームをしたりテレビを見たりしているだけでは、呼吸苦の自覚症状が出てきにくい。その段階でも、L-FABPが上昇していれば、重症化のリスクが高いということがデータ上わかっている。

    記者:
    今回、姫路市でやるとなった経緯と、医療機関でなく、自治体でこういう臨床研究することの意義は。

    市長:
    なぜ姫路市を選んだかというのは、施設や病院と連携することは、NCGMとしてはたくさんあるが、今、社会問題として医療崩壊があり、入院したくてもできず、ハイリスクの方が在宅で非常に危険な状態でいらっしゃるというところに野入先生たちのグループも心を痛められており、在宅支援で一生懸命頑張っている自治体はどこかということで、姫路市を探していただいたというところが実際だと思う。
    姫路市では、1月に最大161人もの方が、ホテル療養もできずに自宅待機となり、姫路市の保健師や保健所の医師による巡回診療訪問や、医師会の先生方の訪問看護ステーションによる連携を行っていたが、保健所の職員が訪問する際には防護服で入るので、ご家族から近所の目があるので来ないでほしいと言われることも現実にはある。
    そんな時に、こういう臨床研究があり、それにリンクするアルム社のMySOSアプリも使わせていただけるという申し出をいただき、テレビ会議を行って姫路市で実証フィールドをやることとなった。
    連携したいという病院はたくさんあると思うが、実際現場で困っている自治体ということで、私どもを認知していただいたので、このような話が進んでいったと私は思っている。

    野入博士:
    市長のコメントの通りである。

    菅谷博士:
    アルム社からアプリの有用性について少しコメントをいただきたい。

    坂野社長:
    我々は、自宅や施設療養の管理システムの研究開発をしており、今回は野入先生、菅谷先生が研究されている重症化予兆の部分の、主に療養者と医師や保健所との間を取り持つ仕組みを提供させていただく。これは陽性者に対し実施するものであり、検査結果は写真などで送ってもらったり、検査結果を患者さんにお伝えしたり、医師が相談にのったりということになるが、これは療養者の個人情報で非常にセンシティブな情報をやりとりするので、そのプライバシーやセキュリティの対策などをお手伝いさせていただく。

    記者:
    姫路市ではどういうタイミングで採尿するのか。また継続性はどうか。また、500人規模の検査ということだが、500人に達するまで無期限でやるということか。

    市長:
    これまでのクラスター追跡では、PCR検査の3回目か4回目で陽性になる人がいる。陽性になった時には、潜伏期でかなり肺炎が進んでいるということもあるので、まずはPCR検査に合わせて、このL-FABPの尿検査を行う。
    しかしながらこれはAMEDのいわゆる国家プロジェクトとして進められている研究であるので、その検査は行政検査であり、我々がしっかりと個人情報に配慮しながら、国の研究開発の一環として情報を使っていただく。
    供給されるキット数は限られてくるのかも知れないが、適宜フィードバックしながら、有用であれば、コロナ終息宣言が出るまでやらせていただければありがたいと思っている。

    野入博士:
    今回500人分と申し上げているが、1000キットを用意しており、1名につき2回は測れることになる。
    その後については500人のところで評価してからまた考えたいと思っているが、その前に感染自体が収束傾向になってきているので、全部を使い切らずに終わってしまうという懸念はあると思う。72時間以内に2回目の測定をしているものについて、その1週間後の重症化リスクがその時点である程度判断できるということである。

    市長:
    国家研究に参画することになるので、現場の意見も聞いてもらおうと思うが、研究計画からあまり逸脱しないやり方をしていきたいと思っている。