令和3年5月11日(火曜日)
担当課 姫路市公園緑地課
担当者 福田
住所 姫路市安田四丁目1番地
電話 079-221-2412
担当課 姫路市立手柄山温室植物園
担当者 山田
住所 姫路市手柄93番地
電話 079-296-4300
手柄山中央公園内の一本の桜について、「公益財団法人 日本花の会」により、令和3年5月13日付で新しい園芸品種として認定されることとなりました。
発見の由来など地域の自然環境や歴史を物語る手柄地区のシンボルとして、「手柄ザクラ」と命名されました。
故・室井 綽(ひろし)氏(元、富士竹類植物園長)が手柄山中央公園内で発見した桜です。室井氏の著書「姫路の生物・正続」には『フタエカスミザクラ 世界一の珍品』として紹介されており、「1996年3月に花弁数が10枚で二重咲となったカスミザクラ系の桜を発見。周辺の桜を調べたが二重咲の桜はその一本きりであった。その後、所在が不明だったが、1999年3月に再発見できた。この木は世界中でも唯一本の珍木であろう。市民の協力を得て永久に保存したい」と記されています。
2015年4月頃に手柄山温室植物園職員が公園内を探索して改めて原木を発見。2020年6月現在、樹高は約7メートル、地際の幹周は95センチメートル、地表面より約1.2メートル付近で幹周56センチメートルと58センチメートルの二幹に分岐しています。桜の樹齢は60年生から70年生と推定されます。
この桜は、葉および葉柄、小花柄に毛があることや成葉裏面が緑色であることなどからカスミザクラそのものと考えられます。原木は植樹した個体と考えられないこと、地区周辺を開発する前はカスミザクラが自生する雑木林であったことなどから、自然状態で突然変異により生じた遺伝的に独立した新しい品種といえます。
なお、カスミザクラが半八重咲きとなった既存品種としてはハンヤエカスミザクラ(Cerasus leveilleana f.semiplena)が報告されていますが、「手柄ザクラ」は旗弁でなく花弁数が7枚から14枚と多いこと、花弁先端の切込みが少ない、雌ずいが雄ずいより長いことなどの点で区別されます。
この桜は、花は中輪咲で花つきがよいこと、花弁の重なりが厚く、花のボリューム感があること、蕾の淡紅色と白い花色の組み合わせが美しいなど、「染井吉野」の開花後に、新緑の中で花を咲かせる遅咲きの桜として、桜の観賞期間の延長を図る素材として優れています。
「手柄ザクラ」は、地域の自然環境や歴史を物語るシンボルとして、小中学校の理科の教材としての活用も期待されます。
開花時の写真
姫路市
手柄ザクラ(テガラザクラ)
令和3年5月13日(木曜日)
桜は変異性に富んだ観賞性が高い樹木であることから、現在も新たに発見または育成された桜が新品種として発表されており、「河津桜」による桜名所地など新しい園芸品種は地域の活性化に大きく貢献しています。日本花の会では、2013年度より桜の新しい品種を活用して名所づくりを進める住民団体や地方自治体をサポートすることを目的とした「桜の園芸品種認定制度」を設けました。この制度は、新しい桜を名所づくりに活用するに当って、その名称を整理するとともに品種の保護や発展に寄与するため、日本花の会で特性を調査した上で園芸品種として認定するものです。認定は日本花の会の規程に基づいて書類審査、標本審査、現地審査を経て認定し、認定された品種は日本花の会のホームページ等で公表します。(公益財団法人 日本花の会HPより)
桜品種認定証(手柄ザクラ)
手柄ザクラ(日本花の会HP資料)
姫路市役所建設局公園部公園緑地課
住所: 〒670-8501 姫路市安田四丁目1番地 本庁舎9階
電話番号: 079-221-2413 ファクス番号: 079-221-2593
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