令和4年(2022年)8月23日(火曜日)
担当課 姫路文学館 学芸課
担当者 徳重
電話番号 079-293-8228
『家元の研究』などで知られる赤穂市有年出身の歴史学者・西山松之助(1912年から2012年)の生涯と業績を振り返る展覧会を開催します。
旧宿場町のひとつであった赤穂郡有年村東有年に生まれた西山松之助。
西山は、後年「しぶら(彼岸花)の里」と呼んで愛した故郷で都市文化への深い関心を育み、夢中で研鑽を積んだ修禅での体験、歌舞伎への熱狂、そして島崎藤村や九鬼周造をはじめとする数々の名著との出会いによって、江戸時代の研究を決心したと言います。その後、「家元」や「家元制度」を日本独自の文化構造として解明することを手始めに、「江戸っ子」の定義の整理、歌舞伎の分析、日本茶道史における茶杓の研究のほか、江戸時代の歴史・文化・文学に関する数々の業績を残して「江戸学」の基礎を築きました。
本展では、原稿や模写、研究企画ノート、家元訪問記、実測調査記録など、学者が残した研究の足跡を振り返りながら、草木のスケッチや書画、茶杓制作なども楽しみ、歌舞伎も演じた文化人としての人となりを紹介します。
西山 松之助(にしやま まつのすけ)
明治45年から平成24年/1912年から2012年
現・兵庫県赤穂市有年出身。姫路師範学校卒。近世日本文化史を専攻し、東京文理科大学を卒業後、東京高等師範学校教授、東京教育大学教授、成城大学教授を歴任。家元制度の実証的な研究において大きな成果を残し、大都市江戸を巨視的な立場から明らかにすることを試みる「江戸学」の基礎を築いた。江戸町人研究会主宰。主な著作に『家元ものがたり』『家元の研究』『市川団十郎』『江戸ッ子』『茶杓百選』『しぶらの里』『鬼のぬけがら 西山松之助画文集』など多数。1985年に勲三等旭日中綬章。1986年に東京都文化賞。1992年に赤穂市名誉市民章。
令和4年(2022)9月23日(金曜日・祝日)から12月4日(日曜日)まで
姫路文学館 北館
一般700円、大学生・高校生400円、中学・小学生200円
姫路文学館
赤穂市教育委員会市史編さん室
原稿や研究ノート、書画、工芸品など約250点で構成。(以下、表記のないものは、赤穂市教育委員会市史編さん室蔵)
少年期を振り返った回顧録『しぶらの里』を中心に、有年の民俗とその生涯を紹介します。
研究の出発点ともなった代表作『家元の研究』をはじめ、「江戸学」と総称された研究の数々を紹介。「お江戸」や「江戸っ子」などのキーワードとともに江戸の町人文化を展望します。
2000本を超える茶杓の実測調査によって明らかにした茶杓史を紹介。玄人はだしの実作にもスポットを当てます。
江戸民衆にとって「助六」とはどういう存在だったのかを中心に、西山の歌舞伎論を紹介。自ら唄い、演じた、歌舞伎の実演記録も展示します。
草花を観賞し、描くことを楽しんだ西山の作品の数々を展示します。
重要無形文化財「佐賀錦」保持者で妻の古賀フミ、俳人・加藤楸邨や歌人・木俣修など、西山松之助と深い親交を結んだ人々との作品を紹介します。
会場はいずれも講堂(北館3階)
日時:9月23日(金曜日・祝日)午後2時から午後3時まで(開場は1時30分)
講師:熊倉功夫(MIHO MUSEUM館長)
定員:100人(要事前申込、無料)
参加方法:往復はがき、または姫路文学館公式ホームページの専用フォームで、郵便番号、住所、参加者全員の氏名、「記念講演会希望」を記入し、姫路文学館までお送りください。1応募につき2名まで。
締切:9月10日(土曜日)必着。応募者多数の場合は抽選。
代表作『江戸ッ子』や少年期の思い出をつづった『しぶらの里』、茶杓制作について記録した『茶杓をつくる』から、西山松之助の研究と思い出の数々を朗読します。
日時:10月1日(土曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
出演:音訳ボランティアグループ サークルさえずり
定員:100人(当日先着順、無料)
日時:11月6日(日曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
講師:担当学芸員
定員:100人(当日先着順、無料)
江戸時代に旅行案内本として人気のあった「名所図会」から各地の歴史と見どころを紹介します。
日時:11月20日(日曜日)午後2時から午後2時40分まで(開場は午後1時30分)
出演:姫路市立琴丘高等学校 図書部
定員:100人(当日先着順、無料)
落語家の立川志ら乃さん、声優の関智一さんとともに、軽快な江戸弁と江戸っ子人情を落語で味わいます。
日時:10月23日(日曜日)午後1時30分から午後3時15分(開場は午後0時30分、休憩15分)
出演:立川志ら乃(落語家)、のゝの家ちゝちぃ(声優・関智一)、立川のの一(落語家)
会場:イーグレひめじ あいめっせホール
定員:280人(要事前申込、入金先着順)
参加方法:往復はがき、または姫路文学館公式ホームページの専用フォームで、郵便番号、住所、参加者全員の氏名、「落語会希望」を記入し、姫路文学館までお送りください。申込受付後に入金方法を案内。入金をもって申込完了となります。1応募につき2名まで。
申込期間:9月10日(土曜日)から10月14日(金曜日)まで
【寄稿】田中優子(法政大学名誉教授)「江戸文化を体現した人」
【寄稿】仁志耕一郎(歴史小説家)「「粋」 ─西山松之助先生、没後十周年に添えて」
編集 姫路文学館
発行日 2022年9月23日
価格 1000円(オールカラー・40ページ)
「没後10年 西山松之助展」チラシ
姫路市役所観光スポーツ局観光文化部姫路文学館
住所: 〒670-0021 姫路市山野井町84番地
電話番号: 079-293-8228 ファクス番号: 079-298-2533
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