
資料提供日

問い合わせ先
担当課 姫路文学館 学芸課
担当者 杉田
電話番号 079-293-8228
大正ロマンを代表し一世を風靡した詩人・画家の竹久夢二の、多岐にわたる創作活動を紹介する展覧会を開催します。

開催趣旨
竹久夢二(1884年生まれ、1934年死去)は、夢二式美人画が有名ですが、近年、書籍や雑誌などのデザイン性が若い世代に再認識されています。美人画だけでなく、挿絵や装幀用の作品、肉筆画などを交え、彼のさまざまな創作活動を紹介します。併せて、播磨とのかかわりについても触れます。

展覧会概要

会期
令和5年(2023)4月15日(土曜日)から5月28日(日曜日)まで
- 休館日:毎週月曜日(ただし、5月1日(月曜日)は開館)
- 開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)

会場

観覧料
一般700円、大学生・高校生400円、中学・小学生200円

主催

企画協力

後援
- 朝日新聞姫路支局
- NHK神戸放送局
- 神戸新聞社
- 産経新聞社
- サンテレビジョン
- 播磨時報社
- 播磨リビング新聞社
- 姫路ケーブルテレビ
- 姫路シティFM21
- 毎日新聞姫路支局
- 読売新聞姫路支局
- ラジオ関西

展示構成
自著や他著の装幀・挿画、雑誌を飾った木版画、童画、肉筆画、写真パネル、書籍、雑誌ほか約350点で構成。

第1会場
- 明治期の夢二と大正ロマン
導入として、大正ロマンを代表する画家となる以前の夢二と、大正ロマンについて説明。夢二式美人画で代表的な「黒船屋」、「舞姫」、「平戸懐古」(いずれも復刻木版画)などが、来場者を迎えます。
- 木版画装幀・挿画
夢二は画集だけでなく詩歌集も数多く出版しました。装幀、挿画、見返しなどに夢二の美意識が反映され、一つの作品となっています。また、同時代の他の作家の装幀も数多く手がけています。
木版画が使われた著書『山へよする』(大正8年)の挿絵や『露台薄暮』(昭和3年)の函など。
- 「婦人グラフ」
大正末から昭和初期にかけて出版された女性向け高級グラビア雑誌です。夢二は、表紙絵や挿絵、小説などを提供しました。彼の描く女性は、当時の女性の憧れとなりました。
- 「港屋絵草紙店」
夢二がデザインした版画、千代紙、便箋、封筒、風呂敷、半襟、帯、浴衣など、夢二ブランドの販売店でした。夢二が多忙となり、商品の補充が間に合わず、わずか2年で閉店となりました。
木版画が使われた「開店挨拶状」(大正3年)や千代紙「玉椿」(大正3年頃)、「封筒21種」(大正3年頃)など。
- オリジナル木版画
「港屋絵草紙店」で販売のために製作された木版画です。夢二は「大正の歌麿」と呼ばれ、新たに独自の版画の世界を構築しました。

第2会場
- 「肉筆」
当時、多くの人は、印刷物で夢二の絵に親しんでいました。夢二は日本人画家として初めて個展を行い、大好評を得ました。有名な美人画だけでなく、花や風景画も多く描いています。
ペン画「紅茸の母子」(大正2年)、紙本彩色「青いかんざし」(大正中期)、帯に彩色「薔薇(画賛付)」(大正15年)など。 - 「セノオ楽譜」
内外の名歌・名曲を紹介する楽譜集です。千曲以上が紹介され、夢二は270曲ほどの表紙絵を手掛けました。その内、夢二自身の作詞によるものが24曲あり、なかでも有名な曲が「待宵草(宵待草)」です。
石版画「蘭燈」(大正6年)、石版画「待宵草」(大正7年)、夢二書簡(昭和初期)など。
- 童画
夢二はかわいらしい童画も数多く手がけました。また、自ら童謡や童話もたくさん作っています。夢二の子どもたちに対する優しいまなざしを感じていただけます。
石板画「五月の夜」(明治45年)、石板画「花のたよりの文つかひ」(大正2年)、紙本彩色「マーチ」(昭和初期)など。
- 東京災難畫信
夢二は、関東大震災直後の東京の町を歩き、その様子をスケッチし、文章を添えて「都新聞」に連載しました。関東大震災より100年となりますが、夢二の残した貴重な記録を紹介します。
- 晩年の夢二
華やかだった大正時代が終わり、昭和に入ると、夢二の絵は世に受け入れられなくなっていきました。 - 播磨と夢二
夢二は室津でスケッチをし、それを元に後に「室津」と題する絵をいくつか描いています。また、姫路出身の詩人・有本芳水と交流を持ちました。
木版画「室の津」(大正6年)、紙本彩色「室の津」(大正中期)など。

展示のみどころ
- 竹久夢二のさまざまな画業を網羅しています。
- 大正ロマンの時代、女性たちが憧れた夢二の描く最先端のスタイルをご覧ください。
- 「セノオ楽譜」では、タイトルや意匠などグラフィックデザイナーとしての夢二の手腕に注目ください。
- 貴重な夢二の肉筆画をお楽しみいただけます。

イベント

記念講演会「詩人になりたかった夢二 大正ロマンに彩られた美と言葉を追って」
日時:4月15日(土曜日)、午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
講師:石川桂子(竹久夢二美術館学芸員)
定員:100名(要展覧会観覧券〔使用済半券可〕・当日先着順)

記念講演会「竹久夢二 絵と文学の出会い」
日時:4月29日(土曜日)、午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
講師:木股知史(甲南大学名誉教授)
定員:100名(要展覧会観覧券〔使用済半券可〕・当日先着順)

展示解説会
日時:5月6日(土曜日)、午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
講師:担当学芸員
定員:100名(無料・当日先着順)

先着プレゼント
和服でご来場の方、先着100名に夢二のポストカードをプレゼントします。

竹久夢二紹介
明治17年生まれ、昭和9年死去(西暦1884年生まれ、西暦1934年死去)
現・岡山県瀬戸内市邑久町に生れる。本名、茂次郎。明治32年(1899)、神戸市の叔父宅から神戸尋常中学校(現兵庫県立神戸高校)に入学するも家の都合で中退。明治34年(1901)、家出して上京する。明治35年(1902)、早稲田実業学校に入学。明治38年(1905)、雑誌、新聞にコマ絵が掲載され、夢二を名乗るようになる。同年、早稲田実業学校中退。以降、雑誌などの挿絵を描く。明治42年(1909)、初の著書『夢二画集‐春の巻』刊行。大正3年(1914)、日本橋呉服町に「港屋絵草紙店」を開店。昭和6(1931)年から2年間、欧米を旅行するが、病を得て帰国し、昭和9年(1934)9月1日、肺結核により49歳で死去。イラストやデザインなども精力的に手掛けた。主な詩集に『どんたく』『山へよする』『夢のふるさと』など。絵画の代表作に「平戸懐古」「黒船屋」「長崎十二景」など。

ご来館の際の注意
- マスク着用の着用は、各自のご判断におまかせします。
- 展示室内の混雑を緩和するため、入場制限を行う場合があります。(予約はできません。)
- 駐車場の台数には限りがあります。公共交通機関のご利用にご協力ください。

添付資料