
資料提供日

問い合わせ先
担当課 姫路市埋蔵文化財センター
担当者 関
電話番号 079-252-3950

現地説明会開催日時
令和5年3月12日(日曜日) 午後1時30分から(少雨決行、雨天中止)

開催場所
姫路市神屋町六丁目地内(添付資料の調査位置図参照)

調査の概要
- 調査名:旧生野鉱山寮馬車道試掘調査
- 調査場所:姫路市神屋町六丁目
- 調査期間:令和5年2月16日(木曜日)から3月中旬まで
- 調査面積:34平方メートル(東西 2本のトレンチ(試掘溝))
- 調査目的:銀の馬車道(正式名称 生野鉱山寮馬車道)の実態を明らかにするため
- 発掘調査の場所は、姫路駅から東に約800メートル、アクリエ姫路の北西です。調査地付近で想定されている馬車道は、JR姫路駅方面から東に伸び、播但線の西側で北に屈曲しています。
- 2箇所の調査区の内、西側の1区では馬車道の路面及び路盤、南側側溝を確認しました。馬車道は本来幅約6メートルの道ですが、調査で確認できたのは幅約80センチメートル、長さ2メートル分です。路面は当時の地面から土を約50センチメートル盛って築造していました。また、道の南側で側溝(溝幅約80センチメートル)を確認しました。馬車道の大半は、そのまま市道として使用されていたため、水道や下水道などの埋設管の影響を受けていますが、そうした攪乱を免れた一部において路盤部、表層部、目つぶし砂利という「マカダム式舗装」の構造を確認しました。このうち、目つぶし砂利は道路の路面で、日本初の産業用高速道路とも言える馬車道の路面が発掘調査で面的にも確認できたのは、初めてのことです。
- 東側の2区でも北端(幅50センチメートル)で1区と同様の道路構造を確認しました。また、路面は当時の地面から土を約60センチメートル盛って築造していました。

銀の馬車道とは
飾磨津(現在の姫路港)と生野鉱山を結ぶ約49キロメートルの馬車専用道路です。誕生間もない明治政府の官営事業として、お雇い外国人ジャン=フランソワ・コワニエの指導のもと、義弟レオン・シスレーを技師長に迎え、初代生野鉱山局長である朝倉盛明の指揮により、マカダム式舗装を始めとする当時のヨーロッパ最新技術により建設されました。この画期的な道路は、わずか3年間という突貫工事により、明治9年(1876年)に完成しました。

マカダム式舗装
スコットランド人のジョン・ラウンドン・マカダム(1756から1835)が考案した道路舗装方法の一つ。敷き詰めた砕石を締固め、耐久性を高めています。仕上がりが美しく、馬の足がかりが良いという特徴があります。

調査の成果
今回の調査は、姫路市内で馬車道の実態を明らかにする目的で行った初めての発掘調査です。その結果、当時のヨーロッパの最新技術であるマカダム式舗装により建設された銀の馬車道(正式名称 生野鉱山寮馬車道)の路面をはじめて面的に確認することができました。

現地説明会会場へのアクセス・その他
- JR姫路駅から東へ徒歩約10分。
- 少雨決行。雨天中止。
- 駐車場はありません。
- 歩きやすい服装・靴でお越しください。
- 受付にて手指の消毒をお願いいたします。
- マスクの着用をお願いいたします。
- 体調のすぐれない方、37度5分以上の発熱のある方は参加をご遠慮ください。

調査成果の公開について
現地説明会終了後、調査時に撮影した動画をYoutube「ひめじ動画チャンネル」へ掲載予定です。現地説明会資料は、後日、独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所の全国遺跡総覧(https://sitereports.nabunken.go.jp)にて公開します。

添付資料