2012DA14は2012年2月にスペインで発見された小惑星で、大きさは50m程とされています。地球に一番接近したときは、気象衛星などの静止衛星が地球を周っている軌道(地表から36000km)より近い約28000kmまで近づきました。
30cmの地球儀に例えると、静止衛星が表面から85cm離れたところにあるのに対し、この小惑星は65cmの場所を通過することになります。もっとも、この割合だと小惑星の大きさは1マイクロメートル(1000分の1ミリメートル)なので、地球の周りの人工衛星にぶつかる危険はほぼありません。
でも、広い宇宙の中でこれだけ地球に近づく天体は極めてまれです。
写真で撮ると、動きが速いので線状に写ります。
- 2013年2月16日4時24分
- 10cm屈折望遠鏡(F4)+ニコンD7000
- 10秒露出を5枚合成(50秒分)
上の写真に、同じレンズで撮影した時の満月の写真を合成しました。2012DA14は秒速約8kmで地球のそばを通過したので、1分間で月の見かけの大きさの約2倍・角度で1度動きました。
下の写真は望遠鏡を止めて撮影したもので、横に動いているのが星、斜めに動いているのが2012DA14です。太陽や星の動き(日周運動)は1時間に15度=1分間に0.25度なので、2012DA14はおよそ4倍早く動いて見えたことになります。
- 2013年2月16日4時42分
- 10cm屈折望遠鏡(F4)+ニコンD7000
- 10秒露出を9枚合成(1分30秒分)
2012DA14がしし座の中を移動中に、M65(右)・M66という銀河のそばを通過しました。
- 2013年2月16日4時55分
- 10cm屈折望遠鏡(F4)+ニコンD7000