2005年3月31日に日付が変わったころ、星の子館でさそり座の一等星「アンタレス」が月にかくされる現象(星食)が見られました。
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アンタレスが月にかくされるところ(0時26分13秒) | 月から出るアンタレス(1時31分39秒) |
10cm屈折望遠鏡(1000mm)+PENTAX *ist DS(左:1/15 右:1/45) Photoshopで画像処理 |
アンタレスが月にかくされていく様子です。正しくはアンタレスは止まっていて、月が動いていきます。
ビデオから切り出した、アンタレスが月の縁から出てくる連続写真です。
0.1秒足らずですが、少しずつ明るくなっているように見えます。実はアンタレスは巨大な星なので、月から出てくるのに時間がかかるのです。
月が動いていく速さは、月の公転周期(約29.5日)÷360度なので、アンタレスの見かけの大きさ(視直径)が計算できます。
さらに、アンタレスまでの距離(500光年)を入れて計算すると、太陽の約700倍ほどの大きさであることがわかります。もし太陽系の中心にアンタレスがあったら、火星の軌道がすっぽり入ってしまうくらいの大きさです。
ビデオから切り出した、アンタレスが月から出てくる直前の10秒ほどの様子です。
アンタレスはまだ見えていないのに、一定の明るさで小さな光の点が見えます。これは、アンタレスのすぐそばに光る兄弟・伴星です。いつもはアンタレスの明るさにかくされてしまって、なかなか見ることができないのですが、アンタレスよりも一足早く月から出てきたので、その姿を見ることができました。
以上の画像は10cm屈折望遠鏡(1000mm)+CCDモノクロビデオカメラ ステライメージ5で処理