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天体写真と観測報告「【はやぶさ2】地球スイングバイ(2015年)」

 2014年12月3日に、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ちあげられた小惑星探査機「はやぶさ2」が、ちょうど1年を経て、地球の近くに戻ってきまいた。そして、地球の引力を利用して、軌道とスピードを変える「スイングバイ」によって、目的地の小惑星「リュウグウ(竜宮)」へ向かいました。 (JAXA「はやぶさ2プロジェクト」のホームページ参照)
 地球最接近は、2015年12月3日19時過ぎ(日本標準時)ごろで、日本からも観測ができるとのことで、全国の公開天文台やアマチュアの方が撮影に挑戦しました。姫路科学館でも、JAXAから提供していただいた位置を元に、撮影に挑戦して成功しました!

時間ごとの写真(クリックで拡大)

18時5分のはやぶさ2 18時10分のはやぶさ2 18時15分のはやぶさ2
18時05分
18時に撮影を開始しましたが写らず、この時間はかすかに軌跡が写りましたが半信半疑
18時10分
次はちゃんとモニターでも見えてました
18時15分
次第にくっきり見えてきました。右上の銀河はNGC6310です
18時20分のはやぶさ2 18時30分のはやぶさ2 18時45分のはやぶさ2
18時20分
ドームのコンピューターなどの明かりが入ったのか、見えにくいです
18時30分
とりあえず第一報で掲載した写真です
18時45分
北極星に一番近いころで、大分明るくなりました 
18時50分のはやぶさ2 18時55分のはやぶさ2 画像はすべて
  • 2015年12月3日
  • 90cm反射望遠鏡(焦点距離4500mm)+冷却CCDカメラ(SBIG STL1001E)
  • 30秒露出(中心時間±15秒間)
  • ダークやフラットの処理なし
 
18時50分
望遠鏡の位置を合わせなかったの、中心からずれています…
18時55分
最後のコマで、この後地球の影に入って見えなくなりました 

予想された軌道との違い(クリックで拡大)

18時5分18時5分のはやぶさ2 18時10分18時10分のはやぶさ2 18時15分18時15分のはやぶさ2
18時20分18時20分のはやぶさ2 18時30分18時30分のはやぶさ2 18時45分18時45分のはやぶさ2
18時50分18時45分のはやぶさ2 18時55分18時55分のはやぶさ2

撮影した画像と、JAXAから頂いた予想位置や周りの星の明るさが分かるようにしました。
予定の軌道とほぼぴったりに動いているのが分かります。

明るさの評価は難しいですね…「線としての明るさ」は15~16等ですが、「はやぶさ2」は高速で動いているので、「点としての明るさ」が何等星くらいなのかは、もうしばらく検討です。