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天体写真と観測報告「肉眼で見える黒点(2000年)」

2000年の肉眼黒点

 太陽活動が活発になり、肉眼でも見える黒点が現れるようになりました。
 太陽の表面には「黒点」と呼ばれる黒い斑点がよく見られます。これは太陽の表面(約6000度)よりも温度が低い(約4500度)部分で、周りよりも暗いため黒く見えます。黒点の大きさは数千kmから数万kmと様々で、強い磁場を持っています。
 黒点の出現数は平均11年で増減しています。これは太陽活動の盛衰の周期と同じで、太陽活動の活発な時期(極大期)には黒点や太陽表面の爆発現象(フレア)の発生が多く、紫外線、X線の放射も活発になるため、地球上では磁気嵐やオーロラなどが発生しやすくなります。今年2000年は前回1989年の極大期から11年目にあたり、太陽の活動が活発になってきています。世界各地や北海道でオーロラがよく見えた、というニュースも関係しています。
 姫路科学館では2000年5月18日15時ごろ、10cm屈折望遠鏡に冷却CCDカメラをつけて黒点の様子を撮影しました。
 普段黒点は、望遠鏡を使わないと見ることはできませんが、極大期には肉眼でも見える黒点が出現することがあります。①の中で一番大きい黒点は直径約6万km、黒点の群れ全体としては12万km(地球が10個並ぶほど)の大きさがあり、十分肉眼で見ることができます。
 写真の黒点は太陽の自転のために見えにくくなってきますが、これからしばらくは太陽の活動が活発なので、肉眼で黒点が見えるチャンスも多くなると予想されます。

大きな黒点と地球の大きさの比較