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天体写真と観測報告「月の見た目の大きさの変化」

月の見かけの大きさを決めるもの

スーパームーン」という呼び名も定着してきて、月の大きさの変化が気になるようになった人も多いかもしれません。
でも、目で見るとほとんど気が付きませんが、月は時々刻々と大きさが変わっています。大きさの違いは10%くらいなので、肉眼では分からないのですが、写真に撮って比べると、意外と変化してるのがわかります。

月の見た目の大きさが変化する理由は、おもに3つあります。

  • 1:地球の周りを月が公転している軌道が、円ではなくて楕円なので、地球に近い場所と遠い場所がある
  • 2:地球の自転によって、自分と月との間の距離が変わる
  • 3:大気の屈折で、空の低い場所に見える月は上下につぶれて見える

2016年11月14日の月の大きさ2016年11月14日の、一番大きく見える満月は、何時に見たらよいでしょうか?

正直なところ、肉眼では違いが分からないので「月が出たらいつもOK」です。写真を撮ってより極めたい、という方は、月が真南に来て一番高くなる時「南中(なんちゅう)」が、月とみなさんとの間が一番近くなるので、一番大きく見えます。

一か月の月の大きさの変化月までの距離はおよそ38万kmですが、地球の周りを周る軌道がだ円形なので、地球に一番近い所(近地点)と一番遠い所(遠地点)では約4万kmほど距離が違います。
月は地球の周りを約1ヶ月で1周しているので、実は10日程たつと、ずいぶん大きさが変わっています。

  • 2015年9月の月の大きさの変化(職員撮影)

昇る月は大きいのか?月が昇って来るにとても大きく見えることがありますが、実は錯覚です。
実際は、月が頭の真上に来る時の方が、地球の半径(約6400km)の分だけ月に近づくので、大きく見えます。
また、空の低い所にある月は、大気の屈折の影響で、上下につぶれて見えるので、さらに小さく見えます。
(赤く見えるのは、夕焼けが赤いのと同じ原理です)

  • 2015年9月27日(中秋の名月)の月の大きさの変化(職員撮影)