実は、流星は特別な日でなくても、毎晩のように見えています。でも、実際に見た!という人は少ないと思います。そこで、普段より流星が見える確率の高い「流星群」の時を狙ってみましょう。
ただ流星は、日食や月食のように正確な予報はできなくて、「流星がいつ・どこに見えるかは予測不可能」です。とにかく気長に「見えればラッキー!」と思って肩の力を抜いて見ると、意外と見えて楽しいイベントです。
正直にいえば、流星群だからと言ってみなさんが期待するほど流れ星は見えません!でも、1個でも見えればきっといい思い出になります。とにかくこのチャンスに外に出て、ぜひ夜空を見上げてください。ただし、季節に合った服装で!!
2023年12月13日更新
何時が一番多いの? | どっちの方向・方角に見えの? | どこで見たらいいの? |
何個見えるの? | 見るのに必要な道具は? | 注意して欲しいこと |
★お勧め度→松
お誕生日の星座のふたご座を中心に出る流星群です。毎年安定して見える流星群でほぼ一晩中見えるのもお勧めポイントですが、寒さが厳しくなる時期なので、くれぐれも防寒対策をお忘れなく。
2023年は、月明りの影響もなく、防寒対策をしっかりすれば今年一番お勧めの流星群です。
流星は、宇宙に漂っている砂粒ほどの小さな塵(ちり)=流星物質が地球の大気の中に時速数万kmで飛び込んで、加熱された大気が光る現象です。光り始めから燃え尽きて消えるまで1秒ほどですが、その間に何10kmも飛ぶので細い光の線として見ます。
流星の元になる塵は、主に彗星から来ると考えられています。彗星には流星の元になる流星物質が含まれていて、太陽の周りを回るコース(軌道)に沿ってたくさん撒き散らされるので、彗星の軌道と地球の軌道が重なるあたりは流星がたくさん見えて「流星群」と呼ばれます。
同じように空から落ちてくる物に「隕石」があります。言葉の定義の上では「流星物質が燃えつきないで落ちてくると隕石」なのですが、隕石は主に火星と木星の間にある小惑星帯から来ると考えられています。
隕石が見られる・さわれる博物館や科学館のページでは、隕石が展示されている施設のリストが見られます。
国際天文学連合で認定された流星群は100以上あります。なので、実は週に1度や2度は「○○座流星群の極大」になります。しかし、そのほとんどは暗い流星ばかりだったり、1時間に1、2個だったりと、流星を見ることはかなり難しいです…
★印をつけた、毎年安定して比較的多めに流星が見られるもの以外は、「見るのはなかなか難しい」と思ってください。
専門的な解説は下記のページや資料がお勧めです。
流星群の名前 | 見える時期 | 極大の予想 | 流星群が見える 時間帯 |
ピークの期間 | 月明かりの 影響 |
★2023年のお勧め度★ このページの独自基準で 1時間あたりに見える流星の目安です 松:約10個 程度 竹:約5個 程度 梅:1-2個 程度 |
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★しぶんぎ座流星群 | 1月上旬 | 1月4日昼 | 未明から明け方 | 数時間 | 絶大 | 梅 |
4月こと座流星群 | 4月中旬 | 4月23日昼 | 未明から明け方 | 1夜 | なし | 竹 |
みずがめ座η流星群 | GW | 5月6日前後 | 明け方 | 数日 | 絶大 | お勧めしません |
みずがめ座δ南流星群 | 7月下旬 | 7月30日前後 | 一晩中 | 数日 | 絶大 | お勧めしません |
★ペルセウス座流星群 | 8月中旬 | 8月13夕方昼 | 未明から明け方 | 1夜 | ややあり | 竹 |
10月りゅう座流星群 | 10月上旬 | 10月9日夕方 | 夕方から夜半 | 数時間 | なし | お勧めしません |
オリオン座流星群 | 10月下旬 | 10月22日朝 | 未明から明け方 | 数日 | なし | 竹 |
おうし座流星群南群 | 11月上旬 | 11月6日 | 一晩中 | 数日 | 絶大 | お勧めしません |
おうし座流星群北群 | 11月中旬 | 11月13日 | 一晩中 | 数日 | なし | お勧めしません |
しし座流星群 | 11月中旬 | 11月18日昼 | 未明から明け方 | 1夜 | なし | 梅 |
★ふたご座流星群 | 12月中旬 | 12月14日夜 | 一晩中 | 1夜 | なし | 松 |
毎年安定して、比較的多めの流星が見られます。まずは、この時期に流星にチャレンジしましょう!
流星はもともと「いつ・どこに見えるかは予測不可能」なので、「何月何日何時が一番多い」という予報はできません! とにかく「長い時間見る」「その日だけではなくて、前後の日も見える」ということを忘れないでください。
流星はもともと「いつ・どこに見えるかは予測不可能」なので、「どの方角を見ていたらいい」という決まりはありません!
「○○座流星群」とは、「○○座に流れる」ではなくて、「流星が○○座の方向から流れる」という意味です! とにかく「○○座の方角」にこだわらずに、広く空を見渡してください。○○座の位置に関係なく、流れ星は空のどこかに勝手に出ます。
流星は、元々どこでも見られます。ただ、手間と時間とお金をかけて条件のよい場所に行けば、その分たくさん見られます。
わざわざ出かけてみたものの、実は自宅のほうが良く見える、ということもあるので、無理に遠くまで出かけずに、みなさんの身近な場所で少しでも条件がよい場所を探してみてください。
もちろん、立ち入り禁止の場所や私有地(田畑は注意!)には、絶対に入らないように。途中で叱られては、楽しい思い出も台無しです。そのためには、「明るいうちに事前の下見」が大切です。
流星群を見る場所としては、こんなイメージでしょうか?もちろん、もっとよい場所を発見するのも楽しいと思います。
流星はもともと「いつ・どこに見えるかは予測不可能」なので、何個見えるかは分かりません。また、月や周りの明るさの違いで、同じ流星群でも毎年見える数はずいぶん変わります。
最初の1個まではちょっと我慢して、「次も見えたらラッキー」と思いながら気楽に見てください。
よくネットなどで紹介される「1時間に○○個見える」は、これまでに観測された流星の数を基に、
などの補正をした「計算して求めた値」が多いです。なので、実際に見える数は「1時間に○○個」より「遥かに少ない」と思ってください。
参考:星の子館で撮影した、2001年のしし座流星群のビデオです。
みなさんが想像する「流星群」のイメージに近いと思いますが、これくらい流星が見えるためには「1時間に2000個以上」と予想されていないと無理です。「1時間に20個」という流星群でも、このビデオの100分の1くらいしか流れないのです…
流星を見る時は基本「手ぶら」です。まずは外に出てみましょう。
流星を待ち構えて見ることは不可能なので、望遠鏡や双眼鏡は不要です。
流星が10分間に何個流れたかを一晩中数えていくと、かなりいい研究になります。できれば、数人で空の見る場所を分担して記録すると、より本格的な観測になります。
流星の写真を撮るためには、本格的な装備が必要です。
流星はどこに出るかわからないので、なるべく空が広く写る広角レンズがお勧めです。また、いつ流れるかわからないので、シャッターを開けっぱなしにできる「バルブ」の機能を使って待ち伏せする必要があります。
最近のデジタル一眼レフカメラだと、一定時間ごとに写真を撮ってくれる「インターバルタイマー」の機能があるので、人がいなくてもカメラ任せにしておくことができます。でも、一晩で何100コマも撮った中から流星をさがし出すのは、全部見ないといけないのでかなり大変ですよ…
流星は、市販のビデオカメラではまず写りません。ビデオカメラには暗闇でも写るとされる機能がありますが、目に見えない赤外線ライトを当てて撮影しているので、ライトが届かない星空の撮影には効果がありません。
最近は、超高感度が使えるデジタル一眼レフカメラの動画機能を使うと撮影ができるかもしれません。
夜間の天文現象を見る時の共通の注意ですが、普段しない事をする時は十分な準備と注意と配慮が必要です。
特に車を使われる方は、慣れない道を夜間に走る際には十分に気をつけてください。楽しい思い出のために、下調べと早めの到着、余裕のある運転を心がけてください。