いじめ防止基本方針

1. いじめは、全ての児童に関係し、全ての学校で起こり得るものである。このことを十分に認識した上で、全ての児童が安心して学校生活を送り、さまざまな活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを目指さなければならない。
2. いじめは、人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。また、いじめを受けた児童の心身に深刻な影響を及ぼす行為である。これらのことを大人や児童が十分に理解し、全ての児童がいじめを行わず、全ての大人や児童がいじめを認識しながら放置することが決してないようにすることを目指さなければならない。
3. いじめを受けた児童の生命及び心身を保障することが特に重要であることを認識し、市・学校・家庭・地域社会その他の関係者の連携の下、市民総がかりでいじめの問題を克服することを目指さなければならない。

いじめとは、「いじめ防止対策推進法」第2条に「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為（インターネットを通じておこなわれるものも含む。）であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義されている。けんかやふざけ合いであっても、児童生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断するものとする。

本校の学校教育目標は、「かがやくひとみ楽しい学校」である。本校では、この教育目標を以下のように読み解き、全ての児童が、その目指す理念の恩恵に浴することができるよう教育活動を展開することを第一義とする。

つまり学校は、児童が人間性や社会性を育む場として機能するよう、集団としての秩序を保つとともに、相互の関わり合いによって一人一人が学びを深めることのできる土壌を培わなければならない。そのためには、互いの尊厳を認め合うことを大前提として学校生活が営まれる必要がある。各学年・学級では、発達段階に応じて共有すべき行動目標を設定し、実効性ある取組を推進していかなければならない。

また、学校の内外に関わらず、全ての児童は、いかなる理由によっても他者から蔑まれ、疎外され、いじめられ、しかもその状況が放置されることがあってはならない。

教職員は、このことを保障するため、常に児童の言動に留意するとともに、児童の人権意識を高めていくよう働きかけなければならない。

児童が「生きる力」を身につける上で、道徳性の涵養は極めて重要である。学校教育には、人としてよりよく生きる術を内面的な理解に基づき獲得していく働きかけが求められている。

道徳の時間を「要」として、特別活動をはじめとする全ての教育活動の有機的なつながりを導き出す取組によって、「正直」や「誠実」、「正義」や「公正」、「勇気」といった道徳的価値を大切にする児童を育てることを忘れてはならない。

また、児童相互の絆や児童と教師の信頼関係を強める豊かな教育活動により、人間関係力の向上が図られるよう、取組を進める必要がある。

結果として、いじめをしたり、そのことに加担したり、傍観したり、見て見ぬふりをしたりすることを許せない風土を醸成することが大切である。このことは、一朝一夕に効果を上げることは難しいが、意識して継続することで、雰囲気は少しずつ変わっていくものである。

学校の覚悟と粘り強い取組が求められていることを真摯に受け止め、児童の生き方の基盤づくりを支援していきたい。そのことこそが、いじめを生まない・許さない学校づくりにつながると確信するからである。