学校通信6月号

6月に入り「梅雨」の足音がそろそろ聞こえ始めてきました。今年の近畿地方の「梅雨入り」予想は6月5日（木曜日）頃で「梅雨明け」は7月16日（水曜日）頃と予想が出ています。「総雨量」は「平年並みか平年より多い」と言われています。大雨に対して注意しながら、備えもしながらこの「梅雨」を過ごしていきましょう。

6月は『水無月』とも呼ばれています。「梅雨」の時期で雨が多いはずなのに「水が無い月」とは不思議に感じます。これには諸説がありその一つを紹介します。雲の上には「神様」がおられ、その雲の下から雨が降るので雲の上には「水が無い」という発想だそうです。昔人はなんともユーモアのあるお洒落な発想で旧暦を表現していたようです。現代人には思いつきにくいセンスの良さを処所で感じることができます。

過日、ある風景を見ました。私が朝のあいさつ運動で校門の前に立っていた時のことです。私の目の前を3人の小さな子供たちが通過をしていきました。「小学生男児」「幼稚園女児」「3歳くらいの男児」の3人が学校の前を楽しそうに通過し、その後、「幼稚園女児」「3歳くらいの男児」の二人だけが再び校門の前を戻って通過していきました。私は「あれ？二人になっている」とふと思いました。しかし、それは、小学生のお兄ちゃんを見送りに「妹弟」が学校の正門を超えた西の通路まで「見送り」の帰りだったのです。お兄ちゃんを見送った二人は、お姉ちゃんが弟の手をしっかり握り、正門を通過して家へ戻っていきました。なんとも『微笑ましい』妹弟であり、この二人の楽しそうな「笑顔」が私にとって最高の朝になり心が大きく打たれました。このようなシーンは何度でも出くわしたいものです。

学校通信のタイトルを令和7年度も『島心』にしました。本来であれば4月に説明することが、この時期になり申し訳ありません。今月号で説明します。この「島心」には2つの意味があります。

1つ目は『坊勢島に生まれたことに誇りをもつ』ことです。この「島」で生まれ、育っていく自分に誇りを持って欲しいと思います。この「島」にないものより、この「島」にしかないものを見つけてほしいと思います。

2つ目は「しまごころ＝四真心」という意味も兼ねています。「四つの真心」を身に着けた坊勢中生になってもらいたとの想いを込めています。この「四真心」を下に書きます。このような「真心」が身につくような中学生になることで、人間的にも大きな成長と周りからの信頼を得ることができます。

1. 目配り、相手の様子がいつもと違うことに気づくこと。いろいろな部分に目を行き届かせること。
   （例）レストランでメニューを見ていて、顔をあげた瞬間にきてくれるスタッフ等。
2. 気配り、相手に何かがあって話をきいて共感できること。あれこれ気を遣ったり、思いやり。
   （例）お客様が帰るときに靴が履きやすいように揃えてあること等。
3. 心配り、相手の立場になって苦しみや喜びを分かち合える・行動できること。
   （例）あのひと、よく気が利くねと言われる人等。
4. 思いやり、「目配り」「気配り」「心配り」ができること。

まずは、「目配り」への意識から始めてください。そして、「気配り」から「心配り」と、最後に『思いやり』の心へとつながっていきます。坊勢中生が「四真心」を目指し、多くの生徒が「思いやり」の心で、仲間や家族、そして島の方々に接することができるようになって欲しいと思います。

「灼熱の島心！会場を沸かせ！―全勝・全笑・全憧―」の中学校のキャッチフレーズのもと、盛大に合同運動会が開催されました。今年は24日（土曜日）が雨天予報のため、前日の23日（金曜日）に25日（日曜日）への延期を決定しました。また、今年度より熱中症対策の一環も兼ねて「半日開催」と、新たな型の合同運動会を実施しました。その中で23日（金曜日）の前日準備、25日（日曜日）の当日朝準備、後片付けと、生徒たちはフル回転の活躍をしてくれました。

延期になった25日（日曜日）は入場行進→開会式→選手宣誓と予定通りのプログラムで進行していきました。幼稚園「園児」・小学校「児童」・中学校「生徒」と、それぞれの「校種」の特徴が現れた演技や競争があり、坊勢島の子供たちの成長していく過程が「一見」できる姿でした。中学生「生徒」は、『さすが！お兄ちゃん、さすが！お姉ちゃん』と言える立派な態度でした。

特に中学生が園児たちを背負う演技「玉入れポン・ポン・ポーン2025」の場面は、この「坊勢」でしか見ることのできない光景がありました。背負われている「園児」の嬉しそう笑顔、万歳の時に「生徒」が園児を持ち上げる時の勝ち誇った笑顔、そしてその姿に笑顔で声援をおくる「児童」、この3者の一体感が素晴らしかったです。『笑顔』は周りのいる仲間・大人を心地の良い気持ちに変化させてくれて、『幸せ』な気持ちを与えてくれます。これからも、もっと多くの『笑顔』を坊勢島に振舞ってください。

最後に生徒代表がこのように伝えてくれました。

「今年の運動会の時間は半分になったけど、感動の量は半分では無かったです。このメンバーで運動会ができたことが何よりも嬉しいです。もう1回やりたいくらい楽しい時間でした。」

横で話を聞いてた私の心に突き刺さる話でした。人は、誰かに応援されると「力」になり『勇気』になっていきます。誰かに見られていると感じると人は『本気』になっていきます。この坊勢島に生まれたことを誇りに想いながら、周りの仲間を応援しながら、皆さんの更なる成長を願う合同運動会になりました。（ちなみに、兄弟分リレーを走っていただいた多くの先生方が、身体の痛みを嘆いておられる姿もありました。）