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姫路市立 城山中学校

SHIROYAMA JUNIOR HIGH SCHOOL

令和8年10月1日

  • 更新日:
  • ID:27596

「弁論」が育む、未来を生きる力

9月には「いじめ防止人権学習」や「思春期出前講座」など、命や人権に関する大切な学びの機会が多くありました。

9月10日には、1・2年生で学級弁論大会を実施しました。夏休みの課題であった人権作文等をもとに、社会や生活の中で感じた「伝えたい想い」をまとめ、学級の仲間の前で発表する取組です。各学級の代表生徒は、学年弁論大会や文化発表会、さらには姫路市中央大会という大きな発表の場へと進んでいきます。

当日は各クラス一斉開催のため全ての発表を聴くことは叶いませんでしたが、各教室を回り、生徒たちの弁論に耳を傾けました。大勢の前で話す緊張から思うように力を発揮できなかった生徒もいたかもしれませんが、自身の体験や調べたことについて「自分なりに一生懸命伝えよう」とする想いがひしひしと伝わってきました。

後日、3年生の人権作文も含め、全校生徒の原稿に目を通しました。「戦争と平和」「いじめ」「環境問題」「SNSと人権」「障害者や高齢者の人権」「人種差別」「児童虐待」などテーマは実にさまざまでした。私の知識と異なる考えについて主張の根拠を確認しながら目を通した原稿もありました。インターネット上の情報をもとに短時間で書いたと思われるものもありましたが、まずは、生徒たちが社会のさまざまな出来事に高い関心と問題意識を持つことが大切だと考えます。

弁論に取り組むことは、決して簡単なことではありません。わずか5分に満たない発表のために、自分の考えをまとめる作業に生徒はその何十倍もの時間をかけます。また指導にあたる教員も、全員の原稿に目を通し、必要な助言を送るなど大きな労力を費やします。「お互いにそこまで大変な思いをするなら、やらなくてもよいのでは」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、私はこの「弁論」という体験を通して、生徒たちに次の3つの力が育まれると考えています。

  1. 「自分と向き合い、自らを深める力」
    テーマを決める過程で、生徒は自身の体験や価値観とじっくり向き合います。「なぜ自分はこう考えるのか」を掘り下げることで自己理解が深まるとともに、ニュースやデータを調べる中で視野が広がり、自発的に探究する姿勢が身につきます。
  2. 「論理的に考え、相手の心を動かす力」
    限られた時間で想いを正確に届けるため、構成を整え、何度も推敲して言葉を精選する力が鍛えられます。また、声のトーンや表情を工夫して伝える経験は、将来社会で求められる表現力・プレゼンテーション能力の原点となります。
  3. 「他者を受け入れ、理解する力」
    仲間の弁論を聴くことは、異なる視点や価値観に出会う貴重な機会です。真剣な発表に耳を傾け、温かい拍手を送る体験を通して、新たな課題に関心を持ち、お互いを認め合う優しい心が育まれます。

多くの生徒たちが人権課題を解決する方法として挙げていたのは、「自分事として捉える」「関心を持ち、正しく知る」「相手の立場に立って考える」ということでした。

弁論を通じて得られる「自分の言葉で想いを伝える力」と「他者を思いやる心」は、これからの時代を生き抜く大きな糧となります。今回の弁論や人権作文をゴールとするのではなく、一人一人がよりよい世界の実現に向けて行動する最初の一歩としてほしいと願っています。

ぜひご家庭でも、お子様がどのようなテーマについて考え、何を伝えたかったのかを話題にし、対話の機会を持っていただければ幸いです。今後もこうした教育活動を大切に重ね、生徒たちの豊かな成長を温かく支えてまいります。

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