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太陽を安全に観察するために

  • 更新日:
  • ID:33875

小学校の授業で太陽の観察をする時や日食などの天文イベントは、昼間なので気軽に見られる反面、実はかなり注意がいります。最悪の場合、目が見えなくなる「失明」の恐れすらあります。特に最近は「太陽が暗く見える」=「安全」という考えは『間違っている』ことが判ってきました。「昔は大丈夫だった」とは考えずに十分注意してください。

ただ「正しく恐れて」気をつければ、日食の時に天文台や科学館のイベントに出かけなくても、学校や自宅で楽しく観察することができます。

太陽観察のチャンス

日食などの特別な現象がなくても、太陽の上には黒点が見えていて、時々肉眼でもわかるものが見えます。

肉眼で安全に観察する

太陽を安全に観察するポイントは「目に入る光の量をとにかく減らす」です。

  • とにかく太陽を直接見ない
  • まぶしくなくても「見えない光」が目を傷める原因になる
  • まぶしくなくても長時間見ない

まぶしい太陽を観察するには、明るさを抑えるだけでなくて、太陽から来る「赤外線」や「紫外線」などもカットする必要があります。最近では、太陽の光に含まれる青い光も、目に有害であると考えられています。紫外線も赤外線も目には見えないので、「目で見てまぶしくない」=「安全」ではないので注意が必要です。
また、フィルターを通して暗くなっていても、長時間見続けると残像が残って目に良くありません。十分まぶしさを抑えた上で、休憩をはさみながら短時間で見るようにしてください。

太陽を直接見ない方法

「太陽の方を見ないで太陽を見る」事ができれば一番安全です。さらに、特別な道具もお金もいらなければスゴイですよね?実は、工夫次第でみなさんの身近にある物を使って、安全に太陽を見る方法があります。
日食グッズが無いからといって、太陽が見られないわけではありません!

木漏れ日

木陰に見える明るい部分は、よく見ると丸い形をしています。実は、これは太陽の形が見えていて、日食の時は欠けているのが見えます。太陽を直接見ないし、写真を撮ることができます。道具もいらないのでとてもオススメです。

公園のベンチに開いている穴を通して見えた太陽

日食の時の木漏れ日。ちゃんと三日月のように欠けているのが分かります。

ピンホール

小さな穴(ピンホール)に太陽の光を通して紙や地面に写すと、太陽の形が分かります。ピンホールを遠く離すほど、大きい太陽の像になります。もちろん、写真も撮れます。

図書カードなどに開いている残額表示の穴、お菓子の箱に穴と窓を開けた物、料理用ザルや麦わら帽子など、身近にある「小さな穴があいている物」を試してみてください。何もなければ、厚紙に針で穴を開けただけでもOKです。

太陽に向けて穴を直接覗いてはいけません!

図書カードの穴に太陽の光を通して太陽の像を見る

お菓子の箱の底に穴、側面に窓をあけたもの

鏡

小さめの鏡を使って、ちょっと離れた屋内の壁に太陽を映すと形がわかります。
鏡が大きい場合は、穴を開けた紙で覆ってみると、太陽の形がくっきりします。

太陽に向けた鏡を直接覗いてはいけません!

手鏡を使って屋内の壁に太陽を映す様子
大きい鏡を穴をあけた紙で覆ったもの

フィルターを使って見る方法

確かに便利で安全な方法ですが、世間で話題になると売り切れてしまって、入手しにくい事もありました。
無理に「1人に1つ」用意する必要はなくて、みんなで順番に使えば長時間見続ける心配がなくて目に良いです。

また、以前に買った日食メガネは、傷がついていたり、フィルターが劣化する場合もあるので、必ず事前にチェックを。おかしいな?と思ったら、使わないようにしましょう。

日食メガネ

太陽観察用の遮光板や日食グラス

「日食メガネ」「遮光板」「太陽観察フィルター」など、いろいろな呼び方があります。説明書をよく読んで、正しく使ってください。左の写真は、2009年の日食の際に売られていたいろいろな種類の日食メガネです。

  • 書店(メガネ付の日食解説本があります)
  • 大型のスーパー
  • 写真屋・カメラ屋
  • ホームセンター
  • ドラッグストアー などで手に入るようです

安全でない方法

残念なことですが、日食の時に安全でない方法で太陽を見て、目に障害をもつ人が少なからずいます。自分の目は自分でしっかり守ってください。

太陽を直接みないでください
普通のサングラスで太陽を見ないでください
  • 直接見る
    言語道断です。やめてください。
  • 普通のサングラス
    濃度も薄めですし赤外線が通ってしまうので目を痛めます。
  • 下敷き
    「昔はこれで大丈夫だった」という方もいますが、下敷きは目に良くない光線を通します。長時間見続けるのはやめましょう。
  • 曇り空
    太陽がまぶしくない程度に曇っていれば太陽の形が判りますが、雲の厚さは変化するので見続けてはいけません。
  • 写真用NDフィルター
    元々人間が覗くために作られていませんし、ゼラチンやアセテートのものは赤外線を通して危険です。写真兼用で、カメラのファインダーで観察するのはお勧めできません。
  • ガラスにロウソクの煤
    赤外線対策にはある程度有効なようですが、さわると取れてしまったり、同じ濃さに作るのがむずかしいので、使わないほうが無難です。

天体望遠鏡で安全に観察する

とにかく望遠鏡や双眼鏡は、原則、太陽に向けてはいけません。何の保護もなしに望遠鏡で太陽を見ると失明します。それを理解した上で、望遠鏡の扱いに自信のある方には、直接のぞかない「投影法」をお勧めします。

そもそも、本格的な写真を撮ったりするのでなければ、太陽は大きいので望遠鏡自体は不要ですヨ。

太陽投影板を使った太陽の観察の様子
太陽投影板に映った日食
  • 太陽投影板
    投影板は望遠鏡メーカーごとの専用品なので、望遠鏡に合わせて買ってください。また、使い方や取り付け方法の説明書をよく読んで正しく使ってください。
    大勢で安全に見ることができますが、望遠鏡やファインダーを思わず覗き込んでしまう人も多いので、必要に応じて蓋やカバーをして、望遠鏡から常に目を離さないようにしてください。
  • 対物用サンフィルター
    安全ですが値段が高いので、写真を撮るためでなければ不要です。

安全でない方法

天体望遠鏡で太陽を観察するのは、手慣れている人にとっても危険な行為です。肉眼で見る以上に失明の危険がありますので、とにかく注意してください。

望遠鏡で太陽を絶対に見ないでください
  • 接眼レンズ用サングラス
    今は販売していません。観察中に突然割れることがあるので、手元にあってもお勧めできません。
    (実際に覗いている時に割れた経験がありますが、しばらく目に太陽像が残りました)
  • 望遠鏡の前に下敷きやサングラスをつける
    まったく意味がなくて失明します。
  • 日食メガネをつけて望遠鏡をのぞく
    これもまったく意味がなくて失明します。

科学館や天文台に行って見る

太陽望遠鏡のある科学館や天文台に行こう

科学館や天文台には、太陽を観察するため専用の望遠鏡がある場所があります。また、ホームページで現在の太陽の様子を中継している施設もあります。

いつでも気軽に今の太陽の姿を見ることができるし、さらに学芸員や専門家の解説も聞けるので、ぜひ出かけてみてください。

身の回りにあるもので太陽を観察する

日食めがねが売り切れでも、慌てたり日食を見るのをあきらめたりしないでください!今、みなさんの家や身の回りにある物で、日食や太陽を観察してみましょう!!

ただし、太陽の観察はかなり注意がいります。最悪の場合、目が見えなくなる「失明」の恐れすらありますので、十分気をつけて観察してください。

秘密は「ピンホール」

小さな穴を「ピンホール」といいます。
小さな穴を通った光はちょうどレンズを通ったように、少し離れた場所に像を作ります。そこで、「何か穴のあいているもの」と「像を映すスクリーン」をセットにすると、太陽の形を見ることができるのです。

スタンダード「厚紙ピンホール」

1

厚紙と画鋲

用意するのは、厚紙と画鋲だけです

2

厚紙に穴をあけた様子

厚紙に穴をあけますが、はじめは小さめ、あとで様子を見ながら大きくします

3

壁に厚紙の影を映した様子

外に出て壁に厚紙の影を映すと、丸い太陽の形が見えます

4

白い壁に厚紙の影を映した様子

白い壁のほうがよく見えるので、壁に紙を貼ってもいいです

ポイント

  • 穴の大きさは見え具合にあわせて調整します(小さいとクッキリ、大きいと明るい)
  • 厚紙の色は白でも黒でも関係ありません
  • 紙との間の距離を大きくすると見やすくなりますが、暗くなります
  • 穴から太陽を直接見てはいけません!!

高級ピンホール「落しぶた」

1

穴の開いた落し蓋と白い紙

用意したのは100円ショップにあった落し蓋と白い紙です

2

壁際に置いた白い紙に、落し蓋の影を映す様子

壁際に置いた白い紙に、落し蓋の影を合わせます

3

落し蓋の丸い穴を通った光が白い紙に写っている様子

丸い穴を通った光が太陽の形になります!

ポイント

  • 1から3ミリメートルくらいの穴が開いているものなら、何でもOKです!
  • ザルのように細かい穴がたくさん開いているものより、穴同士にすきまがある物がよく見えます
  • 紙との間の距離を大きくするとはっきり見えます
  • 穴から太陽を直接見てはいけません!!

ハイグレード「牛乳パックカメラ」

牛乳パックを3本、セロテープ、はさみ、画鋲

用意するもの

  • 1リットルの牛乳パック3個(注ぎ口は開けておきます、3個なければ2個でもOK)
  • セロテープ
  • はさみ
  • 小さな穴を開ける画鋲や千枚通し

1

1個目 底の部分に画鋲でピンホールを開けたもの

1個目の牛乳パックは、底に小さな穴を開けます
(はじめは小さめ、あとで見ながら大きくします)

2

2個目 牛乳パックの底切り取って四角い筒にしたもの

2個目の牛乳パックは底を切り取って四角い筒にします(牛乳パックが2個しかなければパス)

3

3つ目 牛乳パックの底に近い側面に切れ目を入れて窓を作ったもの

3個目の牛乳パックは、底に近いところに切れ目(赤い線の場所)を入れて、窓を作ります

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3つの牛乳パックを連結したもの

1個目の牛乳パックは小さな穴が外側になるように上下を逆にして、3つを連結します

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連結した牛乳パックの穴を太陽の方向に向ける様子

筒の影を見ながら、小さい穴を太陽に向けます

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牛乳パックの底の内側に丸い太陽の形が見えたもの

3個目の牛乳パックの窓から底の部分を見ると、丸い太陽の形が見えます。太陽が暗い場合は、少しずつ穴を大きくしてみてください。

ポイント

  • 注ぎ口の部分はしっかりあけて、途中でふさがらないようにしてください
  • 牛乳パックでなくても、お菓子やラップの芯など筒状のものならOKです
  • 筒がなければ、箱の片面に穴&反対に窓でもいいです
  • 穴と底の間が長いほど太陽は大きく映ります