いじめ防止基本方針

いじめは、人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。また、すべての生徒に関係し、 誰にでも起こり得るものである。しかしながら、その原因や状況はさまざまである。このことを十分に認識した上で、学校の内外を問わず、すべての生徒が安心して生活を送り、さまざまな活動に取り組めるよう学校全体で組織的に取り組まなくてはならない。そのために、市・学校・家庭・地域社会その他の関係者の連携の下、継続して、防止対策・早期発見・早期対応に努めることが重要である。

いじめは誰にでも、どこででも起こり得るものであり、けんかやふざけ合いであっても生徒の感じる被害性に着目し、いじめか否かを判断する。いかなる状況・背景があろうが、人間として絶対に許されない人権侵害であり、心身の健全な成長や生命・身体に大きな危険を及ぼす恐れのある、重大な人権問題である。いじめは単に加害・被害という単純な二者関係ではなく、加害者と被害者が入れ替わる場合もあり、たとえいじめられていても他の誰かに相談しないことも少なくない。また、本人がいじめられているという現実を否定する場合もある。さらに、いじめが行われていることに気がついても見ないふりをしたり、暗黙にいじめの了解を与えてしまったりする、いわゆる傍観者の存在も大きな課題である。教職員は、生徒一人ひとりの内面理解に努め、日頃から生徒の心の動きに気を配り、 些細な兆候も見逃さないように努めなければならない。そして、いじめのない学校をめざして、家庭・ 地域社会との連携を強化し、校長のリーダーシップのもと学校全体で組織的に対応し、互いに信頼関係で結ばれた生徒集団、生徒が安全・安心に生活できる環境をつくらなければならない。

1. 学校における、全ての教育活動を通して「豊かな心」「確かな学力」「健やかな体」を基盤とした生きる力の育成に取り組む。
2. 学級活動、児童会・生徒会活動、学校・家庭・地域の活動等を通して、生徒に自ら考え、実行する機会を与え、いじめの防止等の活動やインターネット、携帯電話等の活用についてのル ールづくり等に取り組ませる。
3. 生徒に、互いを思いやり尊重し合うことが大切であることを理解させるとともに自尊感情や自己有用感、規範意識の醸成に努める。
4. 教職員のいじめの問題への対応力の向上に努めるとともに、教育相談体制を充実させ、深い生徒理解の下、悩みをよく傾聴し、「一緒に考える」という姿勢で生徒指導を進める。
5. 学校・家庭・地域社会の連携を進め、協働していじめの問題の克服に努める。
6. 複雑化、多様化するいじめの現状を教職員が共通理解した上で、生徒への日常的な指導や保護者・地域社会への啓発に取り組む。

1. 「子供たちは家族からの愛情に包まれ、心の居場所がある中で、他者への思いやりを持ち、 調和のとれた人間関係を形成することができる」ということをしっかりと認識したうえで家庭教育を進める。
2. 基本的な倫理観、規範意識、市民意識、社会の形成者としての認識、自立心等を保護者の責務として育む。
3. 子供たちが自分の悩みを安心して打ち明けられるような家族関係を築く。
4. 日頃から、学校と連携し信頼関係を築き、我が子がいじめの被害にあった場合や、我が子が いじめに関わっていた場合には、どうしていくべきかを我が子と共に考え、学校と一緒になり問題解決に向け協力して取り組む姿勢を持つ。
5. 法令に規定された保護者の責務に関する理解を深めるとともに、インターネットや携帯電話等などのツールの使用に関して家庭のルールづくりを行い、実行していく。また、SNSの利用について制限を設け、保護者が責任をもって管理する。

1. 子育てに不安を抱える保護者を孤立させず、「地域の子供は地域で守り育てる」という教育支援機能を活性化させる。
2. 地域行事や伝統行事を通して、子供たちに自分たちも地域の一員であるという市民意識を育成するとともに、地域社会という学校以外の大人から人間としての在り方や生き方を学ぶ機会をつくる。
3. いじめの問題は社会全体で取り組む問題であるという認識の下、地域における見守り活動や学校、家庭との連携を推進する。
4. 大人社会のありようについて真摯に考え、いじめの問題の克服に向けて子供たちの標となり得るよう努める。