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姫路市立高等学校

HIMEJI HIGH SCHOOL

  • 〒670-0083 姫路市辻井九丁目1番10号 地図

校長通信「校長漫筆記」

  • 更新日:
  • ID:26605

第8号 自分の体を知り、守る「判断力」を 令和8年5月29日発行

爽やかな新緑の季節のはずが、厳しい暑さの日やじとじとした雨の日が続いています。

毎朝、きつい坂道を一生懸命に自転車を押して上がってくる皆さんの姿を見ていますが、学校に到着したときには、すでに服やジャージが汗びっしょりになっている生徒も少なくありません。また、放課後には、運動場や体育館、そして各教室で、夏の大会や発表会に向けて汗を流して部活動に打ち込む皆さんの熱気が伝わってきます。

一生懸命に努力する姿は本当に素晴らしいものです。しかし、今の時期の「暑さ」には、例年以上の警戒が必要です。

なぜ「5月下旬の暑さ」が危険なのか? 

皆さんの体は、まだ「夏を迎える準備(暑熱順化)」ができていません。急に気温が上がると、体が上手に汗をかいて体温を下げる調整が追いつかなくなり、自覚がないまま熱中症を引き起こしてしまう危険性が非常に高くなります。「まだ5月だから大丈夫」という思い込みは、絶対に捨ててください。

自分の体を守るため、そして一緒に頑張る仲間を守るために、次のことを徹底してください。

「喉が渇いた」と感じた時点で、体はすでに水分不足に陥り始めています。登校直後、授業の合間、部活動の前・中・後は、意識して水分と塩分を摂りましょう。

本校の「制服の自由化」は、こうした気候の変化に柔軟に対応するためにこそ活かされるべきものです。当日の気温や自分の体調に合わせ、通気性の良い服装を選ぶなど、状況に応じた主体的な判断をしてください。

そして、「無理をしない・させない」勇気も必要です。「少し頭が痛い」「体がだるい」「めまいがする」と感じたら、絶対に我慢せず、すぐに先生や友達に伝えてください。また、周りの友達の様子が「いつもと違う」と気づいたときには、声をかけ合い、すぐに近くの大人へ知らせてください。

学校は、皆さんが安全に、安心して学び、挑戦できる場所でなければなりません。

これからの暑い季節を、誰一人倒れることなく、全員が元気に乗り切るために。一人ひとりが「高い危機意識」を持って、お互いを思いやりながら、この先の日々を充実させていきましょう。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第7号 はじめての定期考査に込めた願い 令和8年5月22日発行

先週末から、本校にとって記念すべき「初めて」の定期考査が始まりました。教室で真剣にペンを走らせる皆さんの姿を見て、私は改めてこの学校の始まりを実感しています。

実は、この学校の設置準備段階において、教育委員会内で「定期考査を本当に実施すべきか」について、何度も熱心に議論を重ねてきました。今の時代、試験を廃止する選択肢もありました。しかし、私たちはあえて、定期考査を実施することを選びました。

それは、本校のスローガンである「Go Beyond(自己超越)」を体現するために、定期考査が極めて有効な「成長の場]になると考えたからです。

私が考える定期考査の「意味」は、次の3点に集約されます。

  1.  「わかったつもり」を「できる」へ(学びの超越)
    授業で「わかる」ことは入り口に過ぎません。テストという締め切りに向けて知識を整理し、自分の力だけで「解ける」状態へと高めるプロセスこそが、真の学びです。
  2. 自分の「現在地」を知る羅針盤(自己理解)
    テストの結果は、皆さんを評価し固定するものではありません。暗闇の中で進むべき方向を示す地図のようなものです。「どこが強みで、どこに課題があるか」を知ることは、自分を超えるための第一歩となります。
  3.  「やり抜く力」という一生の武器(精神の超越)
    計画を立て、誘惑に打ち勝ち、準備をする。この「自分を律する経験」こそが、将来皆さんが社会で困難に立ち向かう際の大きな自信となります。

一期生の皆さん。前例のない中で皆さんが今感じている不安や緊張は、現状に甘んじず「挑んでいる」証拠です。

もし思うような点数が取れなかったとしても、恥じることはありません。大切なのは点数に一喜一憂することではなく、結果を冷静に見つめ、「次はどう動くか」を考えることです。

最後に。考査は、誰かと競うための「競争」ではありません。

「Go Beyond」 昨日までの自分、先週までの自分を少しだけ超えていく。

その小さな超越の積み重ねが、皆さんの確かな進路を創り上げると信じています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第6号 「制服の自由化」に込めた、真の自由と自律への挑戦 令和8年5月15日発行

新設校の本校が掲げる「制服の自由化」。これは、単に「好きな服を着て楽をすればいい」という安易なメッセージではありません。むしろ、これまでの決められたルールに従うだけの生活よりも、ずっと高度で、知的な挑戦を生徒たちに求めています。

私たちが教育の柱に据える「自由」と、混同してはならない「放任」の境界線。自由とは自律を土台に責任と敬意を伴うものであり、放任は単なる無秩序です。

本校における自由は、以下の3つの柱によって守られます。

  1. 安全と人権
    命に関わること、他者の尊厳を傷つけるいじめや差別。他者の自由を侵す行為は、自由ではありません。
  2. TPO(目的)の思考
    制服がないからこそ、「今、この場で自分はどうあるべきか」を考える必要が生まれます。冠婚葬祭、式典、プレゼンテーション。場面に応じた装いや振る舞いを自分で判断する力こそが、社会で生きる知恵となります。
  3. 責任の引き受け
    選択には必ず結果が伴います。周囲の信頼を得ることもあれば、失敗して信頼を損ねることもあるでしょう。その結果を自分事として受け止め、学びにつなげます。

私たちは教育者です。「自由だから何でもいい」という誤解には、毅然に、しかし丁寧に対話を試みます。

「なぜその行動を選んだのか?」生徒の主張に論理的な筋が通っているなら、既存のルールをアップデートすることも厭いません。これこそが本校のスローガン「Go Beyond(自己超越)」の体現です。

私が生徒たちに、そして先生方や保護者の皆さんに伝えたい言葉があります。

「君たちを信じているから、自由にするのではない。自由の中で失敗し、葛藤しながら『自分を律する力』を身につけてほしいから、ルールを君たちに預けるのだ」

生徒を信じて放置するのではなく、彼らが自律した大人へと歩んでいけるよう、私たちは粘り強くその横を歩き続けます。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第5号 「自立」の芽吹きと、一生モノの力 令和8年5月8日発行

5月8日、新年度の生徒会役員選挙が行われます。活気づく生徒たちの姿に、私は今、ある「驚き」を感じています。

長く小学校現場にいた私にとって、小学校の児童会は教員が細かくお膳立てをするのが常でした。しかし、本校の生徒会活動は驚くほど自立しています。例えば、6月の文化祭。企画立案から予算の折衝、外部業者との交渉まで、生徒たちの手で完結させると聞きました。

また先日、生徒会役員が「1期生に早く学校生活に慣れてほしい」と、学校紹介ビデオの制作に奮闘する姿を耳にしました。実際にそのビデオを視聴させてもらった際、その完成度と熱意に「ここまで任せられるのか!」と、心地よい衝撃を受けたのです。

こうした活動には、単なる思い出作りを超えた三つの意義があると考えます。

一つ目は、「正解のない問い」に挑む力。仲間と議論し、納得解を導き出す経験は、社会で最も必要なスキルとなります。

二つ目は、自分を知る「実験場」であること。リーダーとして率いるのが得意か、事務方として支えるのが性分に合っているか。活動を通じて自分の強みや役割を客観的に把握し、やり遂げた経験は、自己肯定感へと繋がります。

三つ目は、「小さな社会」の体験。ルール作りや多様な価値観との接触は、主権者として生きるための最高のシミュレーションです。

昨今の大学入試においても、こうした活動実績が評価される機会は増えています。しかし、私が思う意義は評価のためではなく「自分をアップデートし、社会との繋がり方を学ぶこと」にあります。たとえ失敗や葛藤があったとしても、それこそが将来の自分を支える強力な糧になるのです。

これは生徒会だけでなく、部活動や委員会など、すべての生徒活動にあてはまります。自らの意志で動き、試行錯誤して得られた「目に見えない力」は、卒業後の人生において、どんな知識よりも生徒一人ひとりを助けてくれるはずです。

新役員を中心に、新たな学校が持つ挑戦心と、伝統ある学校が守ってきた誇り。その二つが混ざり合い、醸し出される今の「熱気」と、これからのさらなる飛躍を心から楽しみにしています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第4号 「はじめて」を駆け抜けた一ヶ月 令和8年5月1日発行

開校・入学から早いもので一ヶ月。生徒の皆さん、そして教職員の皆さん、本当にお疲れ様でした。

実は、この一ヶ月、誰よりも緊張し、誰よりも戸惑っていたのは、私かもしれません。私はこれまで小学校や教育委員会での勤務が長く、高校というステージは私にとっても「新しい挑戦」の場でした。

授業のスピードとその内容、学食で楽しそうに食事する風景、部活動に打ち込む真剣な眼差し‥。見るもの聞くものすべてが新鮮で、実は毎日、心の中で「おぉ、これが高校生活か!」と圧倒される日々を過ごしていました。

そんな戸惑いの中にいた私を救ってくれたのは、他ならぬ生徒の姿でした。

「校門で迎えるときや、廊下ですれ違う時の清々しい挨拶。」

「新しい仲間と一緒に、試行錯誤しながらも前向きに学ぶ姿勢。」

そして、「何事にも真摯に向き合う先生方の熱意。」

皆さんがこの新しい学校に「命」を吹き込んでいく様子を見て、私は「この学校の校長になれて良かった」と、日に日に確信を深めています。

一方で、皆さんも期待と緊張が入り混じった中で、見えない疲れがたまっている頃ではないでしょうか。「新しい環境に慣れなきゃ」と、少し無理をして頑張りすぎてしまった人もいるかもしれませんね。

明日からは大型連休、ゴールデンウィークの後半が始まります。ここで皆さんにお願いしたいのは、「しっかりと英気を養う」ことです。

もちろん、部活動や趣味に打ち込むのも素晴らしいことですが、もし疲れを感じているなら、あえて「何もしない時間」を作ってみてください。

好きな音楽を心ゆくまで聴く。スマートフォンの通知をオフにして、ゆっくり読書をする。家族と何気ない会話を楽しみ、美味しいものを食べる……。

心と体を緩め、自分自身をメンテナンスする時間は、これから続く長い高校生活を走り抜くために、とても大切な「戦略的休息」です。

連休が明けたら、またこの新しい学び舎に皆さんの元気な声が戻ってくるのを楽しみに待っています。

心身ともにリフレッシュした皆さんに会えることを、心から願っています。

よい休日を!

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第3号 自転車の「青切符」と、私たちのマナー 令和8年4月24日発行

第1期生が、兵庫県警の協力を得て自転車教室を行いました。初々しくも真剣な眼差しに、私も身が引き締まる思いでした。

さて、4月から自転車にも「青切符」が導入されました。「反則金があるから守る」のも一つですが、私が今回伝えたいのは、そのルールの先にある「想像力」のことです。

例えば、スマホの「ながら運転」。画面に夢中な1秒間、あなたの自転車は視界を失ったまま走っています。もしその先に、小さなお子さんやお年寄りがいたら・・・。ルールは私たちを縛るものではなく、大切な人を傷つけないための「お守り」です。

あるいは「下り坂のスピード」。風を切る爽快感の裏で、自転車は原付バイク並みの速度に達します。ブレーキを握ってから止まるまでの数メートル、自転車は「巨大な鉄の塊」となって突き進みます。その衝撃が相手に何をもたらすか・・・。ハンドルを握る手に、その重みを感じる想像力を持ってください。

私は義弟を交通事故で亡くしました。23歳でした。本人の無念、家族や友人の深い悲しみは言葉になりません。だからこそ「自分は大丈夫」という油断を捨て、自身の行動を振り返ってください。

「いってきます」と出かけ、「ただいま」と笑顔で帰る。そんな当たり前の日常は、一人ひとりの小さな「一時停止」から作られます。ルールを守ることは、自分と誰かの人生を守ること。

残念ながら、4月以降、地域の方々から生徒の運転マナーについて厳しいお叱りをいただくこともございました。これは、一歩間違えれば大切な生徒が加害者にも被害者にもなりかねないという、地域からの「警告」であると真摯に受け止めております。

学校でも粘り強く指導を続けてまいりますが、ぜひご家庭でも、今一度ハンドルの先にある命について言葉を交わしていただければ幸いです。

青い空の下、多くの姫路市立高校・姫路高校の生徒がマナーを守って颯爽と走る姿を、私は誇りに思うとともに、どうか事故には遭わないでほしいと心から願っています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第2号 一瞬の積み重ねが、歴史に変わる 令和8年4月17日発行

令和8年度・9年度、本校では4月15日を授業日としておりません。この日は、昭和14年(1939年)に姫路市立鷺城中学校として産声を上げた「姫路高校」の開校記念日にあたります。

姫路高校は現在の2年生(80期生)をもってその歴史に幕を閉じます。同様に、大正2年(1913年)創立の琴丘高校、昭和17年(1942年)創立の飾磨高校も、市民に深く愛されてきた長い歴史を持っています。

姫路市立高校は、これら3校が築き上げた情熱と誇りを「源流」として誕生しました。私たちは、先人たちが繋いできた伝統を礎に、地域から信頼され、応援される新しい学校の姿を模索していかなければなりません。

先日、1年生の学年集会である担任がこう語りました。

「文化は長い伝統で作られると思うかもしれないが、そうではない。今、この一瞬の積み重ねから作り上げられていくものだ。姫路市立高校の文化は、君たち1期生に委ねられている」と。

まさしく、その通りです。1期生には、新しい歴史を切り拓く「開拓者」としての気概を持ってほしいと願っています。1期生一人ひとりの一歩一歩が、そのままこの学校のそして未来の「伝統」に繋がっていくのです。

さて、そうなると「姫路市立高校の開校記念日はいつになるのか」という疑問を持つかもしれません。

記念日の設定は、設置認可の日や式典の日、あるいは統合の日など、その学校にとって「最も象徴的な日」が選ばれるのが一般的です。現時点では、本校の記念日はまだ設定されていません。今後、姫路市や教育委員会とも協議を重ね、この新しい学び舎にふさわしい日を決定していく予定です。

いつの日か決まる「その日」を、胸を張って祝えるような学校文化を、今ここから、生徒はもちろんのこと教職員も含めて、共に創り上げてまいります。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第1号 感動の歌声が響いた「第1期生 校歌合唱コンクール」  令和8年4月14日発行

盛大に執り行われた「姫路市立高校 開校・入学式」から1週間が過ぎようとしています。第1期生たちは、姫路高校の先輩方との対面式や、学校生活の指針を学ぶオリエンテーションを経て、一歩ずつ新しい日常へと歩みを進めています。

入学3日目となる4月10日、クラス単位での「校歌合唱コンクール」をパルナソスホールにて開催いたしました。ホール内には「空と海と山がひとつにとけ合い 希望の学び舎が生まれた……」と、新しい校歌の調べが厳かに、そして力強く響き渡りました。

校歌を全員で声を合わせて歌うという行為は、集団への「帰属意識」を育む最も確かな一歩となります。同じメロディと歌詞を共有することで、「私たちはこの学校を創っていく仲間なのだ」という強い連帯感が芽生えます。

1期生一人ひとりが歌詞をかみしめ、練習の段階から心を合わせて歌い上げる姿には、開拓者としての意気込みと誇りが溢れていました。この一体感の創出こそ、まさに本校の掲げる「Go Beyond」へと繋がる欠かせない礎であると、改めて確信させてくれる素晴らしいひと時となりました。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

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