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姫路市立高等学校

HIMEJI HIGH SCHOOL

  • 〒670-0083 姫路市辻井九丁目1番10号 地図

校長通信「校長漫筆記」

  • 更新日:
  • ID:26605

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第20号 61歳を迎える私から、未来を生きるあなたたちへ 令和8年9月11日発行

来週、私は61歳の誕生日を迎えます。還暦という節目の年を過ぎ、自分の人生を振り返ると同時に、毎日輝かしい青春を送る皆さんの姿を見て、これからの「未来」に思いを馳せることが増えました。

今、世の中は猛烈なスピードで変化しています。生成AIをはじめとするデジタル技術の進歩、グローバル化、そして「人生100年時代」の到来。私たちが過ごしてきた「これまでの当たり前」や従来の価値観が、そのまま通用しない場面が確実に増えています。

皆さんが社会の中心となる10年後、そして2050年。その時代の生活スタイルや社会情勢は、誰も正確に予測することができません。一つだけ確かなことは、「今とは大きく異なる世界になっている」ということです。

こうした予測不能な未来を生き抜くために、皆さんには今、学校で身につけてほしい学びがあります。それは、指示を待つのではなく自ら課題を見つけて動き出す「主体的な学び」や、答えのない問いに対して多様な人と対話し深め合う「協働的・探究的な学び」、そして文化や言語の違いを超えて世界とつながる「グローバルな視点」です。

もちろん、進路実現という大きな目標に向け、共通テストなどで求められる基礎的・基本的な知識・技能を確実に身につけることも非常に大切です。確かな知識という土台があるからこそ、より深い探究や思考が可能になります。日々の授業での知識の習得をはじめ、探究活動や学校行事の一つひとつは、すべて皆さんの未来の選択肢を広げるための大切な「武器」になります。

しかし、学びと同じくらい大切なことがあります。人生を60年以上歩んできた一人の先輩として、今しかできない「高校時代の青春を全力で謳歌すること」の大切さを強く感じています。

これから先の長い人生では、大きな喜びもあれば、壁にぶつかる悲しみもあります。そんなとき、思いを分かち合い、支え合える「一生の仲間」をこの学校でつくってください。そして何より、自分自身の「心と体の健康」を大切に保ち続ける習慣を身につけてほしいと思います。それは、これから長く続く人生を生き抜くための、何よりも大切な財産となるからです。

変化の激しい時代だからこそ、しなやかに学び、熱く青春を生きていきましょう。校長として、みなさんの「今」と「未来」を全力で応援しています。

【文責 姫路市立高等学校 校長 平山智樹】

第19号 「自分事」として備える 災害から命を守るために 令和8年9月4日発行

9月1日は「防災の日」でした。100年以上前の関東大震災を契機に制定されたこの日ですが、近年は過去の歴史としてだけでなく、私たちの「今」と直結する切実なテーマとなっています。

直近の1か月を見渡すだけでも、地球規模で甚大な自然災害が相次ぎました。熊本での地震、北陸や千葉を襲った記録的な豪雨、そしてネパールでの大規模な土石流。激しい揺れや濁流に胸を痛めた人も多いはずです。

こうしたニュースを見るとき、どこかで「遠い場所の出来事」と感じてはいないでしょうか。しかし、ここ姫路市周辺も、南海トラフ巨大地震の警戒地域であり、河川の氾濫や土砂災害のリスクと隣り合わせです。災害は、決して他人事ではありません。

「他人事」と考えていたこれまでの自分をGo Beyond(超えてゆく)し、防災を「自分事」として捉え直してみましょう。中学生時代に比べて通学範囲が格段に広がった1期生の皆さんには、特に次の3つの行動を日常から意識してほしいと思います。

  • 「もしも」の避難行動を日常でシミュレーションする
    登下校中や教室、自宅で被災したとき、どこへ逃げるか、家族とどう連絡を取るか具体的に確認しておきましょう
  • 通学路や身の回りの危険箇所を知る
    普段歩いている道にあるブロック塀や増水しやすい河川など、ハザードマップと照らし合わせて危険度を把握してください
  • 「安全安心な学校」を自分たちの手で維持する
    避難訓練への真剣な参加はもちろん、廊下に物を置かない整理整頓や、互いに声をかけ合う関係づくりも立派な防災です

学校は、皆さんが安心して学び、成長するための基盤です。しかし、その安全と安心は与えられるものだけではなく、生徒一人ひとりが「自分の命は自分で守る」「互いに助け合う」という高い意識(自分事の視点)を持つことで初めて強固なものになります。

災害は予告なくやってきます。ですが、準備と心構えは今この瞬間から始めることができます。正しく恐れ、賢く備える知識と行動力を身につけていきましょう。この週末、ぜひ家庭でも防災対策や万が一の際の連絡方法について話し合ってみてください。

一人ひとりの「気づき」と「備え」が、私たちの学校と皆さんの未来を守る確かな力になります。

【文責 姫路市立高等学校 校長 平山智樹】

第18号 「自ら超えてゆく」姿の美しさ オープンハイスクール大盛況の舞台裏で 令和8年8月28日発行

8月18日・19日の2日間、本校にてオープンハイスクールを開催し、約2,100名もの方々にご参加いただき、大盛況のうちに終えることができました。

今回は生徒が企画した動画や部活動紹介に加え、本校の特色である「探究学習」「制服の自由化」「単位制」「学校の雰囲気」を伝える【オリジナル寸劇】を披露しました。アンケートでも「活気のある学校だと分かった」「生徒の生の声で雰囲気が知れて良かった」と大好評でした。

実は夏休み前、2日間4ステージを時間厳守で進めるため、教職員の間でも「失敗が少なく、時間配分が確実なインタビュー形式」を推す声が優勢でした。私自身もそれが現実的だと考えていた一人でした。しかし生徒会役員たちが校長室にやって来て、熱く訴えてきたのです。

「校長先生、私たちは絶対に寸劇で学校の魅力を伝えたいんです! 昨年、中3の時に参加したオープンハイスクールで『もっと学校の様子が知りたかった』と思った。あの時の自分たちと同じ思いを、今年の中学3年生には絶対にさせたくないんです!」

自分たちの経験を踏まえ、後輩たちのために真摯に想いをぶつけてくる姿に、私の心は深く動かされました。しかしただ許可するのではなく、あえて課題を与え試すことにしました。「時間の再考」「一番伝えたいことの絞り込み」「小道具や転換の工夫」を投げかけ、「それをクリアできたらもう一度プレゼンしに来なさい」と伝えました。

彼女らは校長室を出るやいなや廊下で議論を始め、そのまま生徒会室へ直行。翌日持参してきたシナリオは、前日とは見違えるほど具体的で鮮明なものになっていました。

私が「よく話し合ってきたね。OKです!」と答えた瞬間、生徒たちの顔に広がった安堵と、「絶対に成功させるぞ!」という強い決意の笑顔は、今も目に焼き付いています。

夏休み中、補習や部活動で多忙を極める中、生徒たちは練習を重ねてくれました。本番の舞台で見せてくれたパフォーマンスは、事前に見たシナリオを遥かに超える、熱意と工夫に溢れた素晴らしいものでした。

与えられた枠組みに収まるのではなく、課題に向き合い、自らの意思と努力で高い壁を乗り越えてゆく。これこそが、「Go Beyond 今の自分を超えてゆけ」の体現そのものです。生徒たちが見事な背中を見せてくれたことを、校長として心から誇りに思います。姫路市立高校の未来は、この生徒たちの手で確実に輝き始めています。

【文責 姫路市立高等学校 校長 平山智樹】

第17号 誇らしい夏の挑戦を糧に、新たな一歩を 令和8年8月24日発行

生徒の皆さん、保護者の皆さんへ。2学期を迎えるにあたり、一足先に校長通信を発行しました。

満開の桜の下でスタートした本校の歴史。怒涛の1学期を走り抜け、高校生活初めての夏休みを迎えた皆さん、どのような「チャイムの鳴らない時間」を過ごしましたか。

1学期の終わりに、私は皆さんへ「勉学」「部活動」「探究学習」「興味・関心に基づいた生活」という4つの挑戦を投げかけました。この夏、皆さんがそれぞれの場所で「昨日の自分」を超えようと挑み続けた姿を、大変頼もしく思っています

猛暑のなか補習に粘り強く励んだ姿。自らの課題と向き合った経験は、確実に2学期以降の大きな力となります。

連日の厳しい暑さの中、仲間と共に汗を流し、励まし合いながら挑み続けた部活動。さまざまな大会や舞台での躍動、夏の甲子園で他校のために響かせた応援演奏など、人の心を揺さぶる素晴らしい挑戦を見せてくれました。技術の向上はもちろん、仲間との絆もより深まったはずです。

自らの問いを追究した探究学習や、興味・関心を深めて心を動かした日々の体験。自分自身の夏を全力でデザインし走り抜いた皆さんの努力を、心から称えます。

いよいよ来週から2学期が始まります。大きく成長を遂げた皆さんとの再会を楽しみにしていますが、何よりも大切なのは、皆さんの「心と身体の健康」です。

夏の疲れが出やすいこの時期、心や体が少し重く感じたり、理由のない不安や焦りを抱えたりすることもあるかもしれません。でも、それは決してあなたが弱いからではなく、この夏を全力で走り抜いた証拠です。

だからこそ、不安や悩み、モヤモヤした気持ちがあるときは、絶対に一人で抱え込まないでください。

家族、友達、そして私たち先生や学校のスタッフなど、周りの誰かに「ちょっと聞いてほしい」と声をかけてみてください。自分の気持ちを誰かに打ち明けることもまた、自分を超えていくための大切な強さであり、「挑戦」の一つです。私たちはいつだって、皆さんの味方です。

まずは少しずつ生活リズムを戻し、睡眠と栄養をしっかり取って、自分をしっかりとケアしてあげてください。

9月1日の始業式、元気に登校してくる皆さんを待っています。たくましさを増した皆さんと共に、2学期も新たな歴史を創っていきましょう。

【文責 姫路市立高等学校 校長 平山智樹】

第16号 チャイムのない夏休み、挑むのは「昨日の自分」 令和8年7月16日発行

満開の桜とともに、私たちの姫路市立高校が産声を上げてから1学期が終了しようとしています。「Go Beyond-今の自分を超えてゆけー」を掲げ、誰も歩いたことのない道を切り拓く、挑戦の連続だった3か月半でした。

新しい環境への戸惑いや、思い通りにいかない葛藤もあったかもしれません。しかし、日々の授業で見せた真剣な眼差し、部活動で汗を流し、仲間と声を掛け合う姿、そして自ら問いを立てて動き始めた探究学習の熱量。そのすべてが、この学校の新しい歴史の1ページであり、君たちが「昨日の自分」を超えようともがいた、誇るべき足跡です。まずは、この1学期を走り抜いた自分自身に、そして共に歩んだ仲間に、大きな拍手を送ってください。

明日からの夏季休業。学校を離れ、チャイムの鳴らない時間をどう過ごすかで、2学期の景色は全く異なるものになります。「Go Beyond」の実践の場として、この夏、君たちに4つの挑戦を求めます。

  1. 勉学に挑む
    「やらされる勉強」から「自ら掴み取る学び」へ。1学期の弱点を克服するだけでなく、知的好奇心の赴くままに深い学びへダイブしてください。
  2. 部活動に挑む
    暑さに負けず限界の先へ。技術向上だけでなく、チームや仲間、そして自分のために何ができるか考え抜く夏にしてください。
  3. 探究学習に挑む
    自ら設定した「問い」を学校の外へ持ち出しましょう。フィールドワークに出かけ、本物に触れ、大人たちの話を聞き、君たちだけの答えのタネを見つけてください。
  4. 興味・関心に基づいた生活に挑む
    スマホに「使われる時間」を、自ら「生み出す時間」へ。長期休業だからこそできる一冊の分厚い本を読む、旅に出る、新しい芸術に触れる、家族のために料理を作るなど、「心を動かす体験」に貪欲であってください。

現状維持は楽ですが、そこから新しい未来は生まれません。目指すのは、まだ見ぬ自分に出会うこと。たとえ挑戦して失敗したとしても、それは「この方法ではうまくいかないと分かった」という大きな前進です。

この夏、誰かと比べる必要はありません。比べるべきは「昨日の自分」です。9月、一段と逞しくなった君たちと再会できることを楽しみにしています。限界を決めず、恐れず、その先へ。

さあ、いこう。Go Beyond!

【文責 姫路市立高等学校 校長 平山智樹】

第15号 「教職員の奮闘」 二つの誇りを繋ぎ、未来を創る  令和8年7月15日発行

現在、本校は源流校の一つである「姫路高等学校」と同一敷地内で同居するという、非常に調律の難しい、しかし極めて実り豊かな移行期を迎えています。1年次生360名は「姫路市立高等学校」の記念すべき第1期生、2・3年生440名は「姫路高等学校」の在学生として、日々切磋琢磨しています。

「普通科単位制・服装自由・1学年360名」という新しい柔軟な仕組みを持つ姫路市立高校と、「普通科学年制・制服あり」という規律ある伝統を持つ姫路高校。この、仕組みも文化も大きく異なる二つの学校が、今、同じ空間で教育活動を行っています。

この誰も経験したことのない新しい挑戦を、現場で力強く支えてくれているのが、教職員たちです。先生方は、両校の「兼務発令」という厳しい体制の中、校則や仕組みが違う二つの学校の生徒たちが決して混乱を来さないよう、細心の注意を払いながら日々の指導にあたっています。先日の合同文化祭や、日々の部活動の成功は、先生方が対話を重ね、知恵を絞り、生徒一人ひとりに寄り添い続けてくれた結晶にほかなりません。

教職員の苦労は、事務的な二重業務に留まりません。最も心を砕いているのは、生徒たちの「心」の育成です。

2・3年生(姫路高生)に対して、これまで築いてきた歴史、先輩としての誇りとプライドを傷つけることなく最後まで全うさせること。1期生(姫路市立高生)に対しては、新しい学校を自分たちの手で創り上げていくんだという気概と誇り、未来への使命感を醸成すること。

この、一見すると相反するようにも思える二つの感情を、先生方は見事に調和させてくれています。良き姫路高校の文化をリスペクトし、伝統をバトンとして受け継ぎながら、新たな姫路市立高校の歴史を一歩一歩、生徒と共に作り上げていく。そのプロセスの中で、先生方が見せる情熱と愛情には、校長として頭が下がる思いです。

学校の統合とは、単に建物や名前が変わることではなく、異なる文化が出会い、新しい価値を生み出す、創造的でエネルギーのいる営みです。その最前線で、生徒たちの動揺を最小限に抑え、それどころか「新しい学校って楽しい!」「この学校の先輩でよかった!」と思わせてくれている教職員を、私は誇りに思います。

皆さん、どうかこの新しい挑戦の坂道を一歩一歩力強く登っている生徒たち、そしてそれを支える教職員に、今後ともご理解、そして温かい励ましをいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

【文責 姫路市立高等学校 校長 平山智樹】

第14号 姫路の未来は私が動かす 「なぜ?」から始まる探究学習 令和8年7月10日発行

日々の面談や説明会の中で、多くの生徒や保護者の皆さんから「大学入試共通テストでいかに点数を取るか」「志望校の合格ラインにどう届かせるか」という切実な声を伺います。行きたい大学があり、そのために机に向かって猛勉強する。その努力は本当に尊いものであり、本校としても全力で応援しています。

しかし同時に、いま教育現場で最も重要視されている「探究学習(総合的な探究の時間)」に対して、「受験に関係ないのでは?」「その時間があるなら英単語を一つでも覚えた方がいい」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

今回は、なぜ今、高校で「探究学習」が必要なのか、そしてそれが皆さんの受験や将来にどう結びついているのかについて、本校の取り組みを交えてお伝えしたいと思います。

まず、現実的な「大学受験」という観点からお話しします。結論から言うと、探究学習は受験に不利になるどころか、強力な武器になります。

現在、国公立・私立を問わず、大学入試の形は大きく変わっています。推薦入試や総合型選抜の枠が拡大していますが、そこでは「高校時代に何を学び、どう行動したか」というプロセスが厳しく問われます。

また、共通テストをはじめとする一般入試でも、単なる暗記量ではなく、「初見のデータや資料を読み解き、課題を解決する思考力」を問う問題が主流になっています。探究学習で培う「課題を見つけ、情報を集め、分析してまとめる」という一連のサイクルは、まさにこれからの入試で求められる学力の土台そのものなのです。

勉強において、点数を積み重ねることはもちろん大切です。それは将来の選択肢を広げるための強固な「足場」になります。

そして、探究学習はその足場を使って「自分がどちらの方向に進みたいか」を見つけるための羅針盤です。

探究学習の時間は、「正解」を気にせず、自分の「なぜ?」「どうして?」に徹底的に向き合える贅沢な時間です。失敗しても構いません。自分のワクワクする気持ちを大切に、大いに探究してください。

その具体的な舞台の一つが、今年度、姫路市役所と連携して行う「姫路みらい探究プロジェクト」です。

生徒の皆さんには、まさに『姫路の未来は私が動かす』という意気込みで臨んでほしいと思います。教科書の枠を飛び出し、自分の「好き」や「興味」「疑問」を通じて、地域のリアルな課題に触れること。それこそが、未来の姫路をつくる力となり、同時に皆さん自身の未来を切り拓く力につながることを期待しています。

【文責 姫路市立高等学校 校長 平山智樹】

第13号 自分の未来を拓く「黄金サイクル」の確立 令和8年6月29日発行

前号で、「今日からの授業、今日からの家庭学習の姿勢をガラリと変えてみませんか。」と皆さんに問いかけました。きっと多くの人が、「では、具体的にどのような姿勢で臨めばいいのだろう」と考えてくれていることと思います。そこで、間隔を置かずに伝えることが何より大切だと考え、今週は週の始まりである月曜日にこの次号を発行しました。

今回は、小学校教員としての歩みが長かった私からの一方的な話ではなく、高校現場で長年、多くの生徒を導いてきた先生方の実践を参考に、具体的なアドバイスを送ります。

多くの生徒が挑むことになるであろう大学受験。毎年1月に行われる「大学入学共通テスト」は、国公立大学を目指す人には原則必須であり、最近では私立大学でもこのテストを利用する入試が急増しています。まずはこのテストで確実に得点を積み重ねることを目標にする人は多いでしょう。

ここで知っておいてほしいのは、このテストで出題される問題の大部分は「1・2年次で学ぶ内容」であるという厳然たる事実です。「3年生になってからやればいい」は通用しません。「あの時もう少し頑張っていれば……」と後悔しないために、今、この瞬間からの積み重ねが求められているのです。

高校の学習現場で最も重要視されるスタイル、それが「予習→授業→宿題・復習」のサイクルです。高校では、「黄金サイクル」と呼ばれるとのことです。

  • 『予習』 教科書をじっくりと読み、「理解できないところ」「先生に質問したいところ」をメモしておく。
  • 『授業』 先生の説明を聞きながら予習時の疑問を解決し、重要だと思ったことをノートに書き留める。
  • 『宿題・復習』 学んだことを整理して解き直し、知識を脳にしっかりと定着させる。

授業を本当の意味で自分のものにするには、このサイクルが最も効果的です。「中学時代からやっていた」という人も多いはずです。厳しい高校受験を乗り越え、期待の1期生として本校に入学してきた皆さんには、それができる高いポテンシャルが間違いなくあります。今一度、その力を存分に発揮し、この「黄金サイクル」を日常の型として確立させましょう。

「将来やりたいことがまだ見つかっていない」「進むべき道が決まらない」という人がほとんどかもしれません。だからこそ、今が大切な時期なのです。

この不安定な時期に学習の手を抜いたり、目標を下げてしまったりすると、3年次になって「行きたい大学」「やりたいこと」が見つかった時、「受験科目が足りない」「学力が届かない」と、自分自身の未来の扉を自ら閉ざしてしまうことになりかねません。私は、皆さん自身の手で未来の切符を掴み取ってほしいと切に願っています。

高い目標を持ち、自ら進んで学び、仲間と共に高め合う。そんな熱いエネルギーに満ちた1期生へと脱皮していく姿を、私は全力で応援し、見守っています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第12号 今、ここから始まる自分自身の学び 令和8年6月26日発行

1期生が晴れて入学を迎えてから、早いもので3か月近く経ちました。先週には、単位制における重要なプロセスである「選択科目調査」も実施され、いよいよ一人ひとりが自らの未来をデザインする時期が到来しています。

しかし、先般実施した学習状況リサーチ(スタディサポート)の結果を見ると、校長として少し危機感を抱かざるを得ないのが本音です。

今回の調査結果を、同一敷地内で学びを共にする姫路高校の過去のデータ(1年次時点)と比較したところ、残念ながら「学びへの意欲」や「今後の進路に対する具体的な希望・熱意」において、現在の1期生は一歩遅れをとっているという現実が見えてきました。

「まだ1年生の1学期だから」「2年後のゴールはまだ先だから」と、どこか他人事のように捉えているのではないでしょうか。進路の保障とは、3年生になってから急に手に入るものではありません。日々の確かな学力の積み重ねがあって初めて、自分の行きたい未来を選択する権利(切符)が得られるのです。

【保護者の皆さんへのお願い】
進路選択は、決して生徒一人で抱え込めるものではありません。ぜひこの機会に、ご家庭で「将来どのような道を歩みたいか」「そのためにどんな学びが必要か」を具体的に話し合ってみてください。早い段階から家族で未来を共有することが、生徒たちの確固たる希望へとつながります。

【1期生の皆さんへ】
授業は決して楽なものではありません。覚えることも多く、高い壁にぶつかることもあるでしょう。しかし、それこそが本校のスローガンである「Go Beyond(自己超越)」へのプロセスです。まだ見ぬ可能性を切り拓き、2年後に最高のゴールを掴み取るために必要なのは、今、この瞬間です。

「言われたからやる」のではなく、「自分の未来のために知りたい」という貪欲さを持つこと

1期生という固い絆で結ばれた仲間たちと、高い志をもって、競い合い、支え合いながら高め合うこと

皆さんは、この新しい学校の歴史をゼロから創り出す特別な存在、期待の「1期生」です。あなたたちの歩む道が、そのままこの学校の伝統となり、実績となり、後輩たちの道標になります。

「Go Beyond」。今日からの授業、今日からの家庭学習の姿勢をガラリと変えてみませんか。次号の校長漫筆記では、高校生としての学習スタイルの確立について、具体的に綴りたいと考えています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第11号 「心を開き、近づき合う」 1秒の言葉が持つパワー 令和8年6月19日発行

先日、本校を支えてくださる地域代表やPTA、姫路高校OB・元職員による「学校評議員会」が開催されました。その席上、皆さんからリクエストをいただきました。

「姫路高校の生徒たちは、本当に気持ちの良い挨拶ができる。これは良き伝統です。新高校にも、ぜひこの素晴らしい精神を引き継いでいってほしい」

私は深く共感いたしました。実は、私は毎朝校門に立ち、皆さんからたくさんの元気を実感しているからです。

脳科学や心理学の世界では、快い挨拶を受け取るとストレスが軽減し、幸福感が向上すると言われています。また、挨拶は「私はあなたの存在を認め、大切に思っていますよ」という強力なメッセージでもあります。

校門での皆さんの姿は、まさに千差万別です。

ニコッと満面の笑みをくれる子、わざわざ立ち止まって一礼してくれる子、大きな声を張り上げる子。一方で、少し伏し目がちな子、友達との会話に夢中な子、時には挨拶を返せない子もいます。

私はそれで良い、と思っています。

生徒の皆さんの中には、人知れず悩みを抱えて登校してくる子もいるでしょう。誰とも話したくないブルーな朝だってあるはずです。挨拶とは、他人が強制するものではありません。

しかし、挨拶の言葉の語源を紐解くと、「挨(心を開く)」と「拶(近づく)」から成り立っています。つまり、挨拶とは「お互いに心を開いて、自ら近づき合う」という意味そのものなのです。

言葉にすれば、わずか1秒。コストは0円。

それなのに、人と人との繋がりを劇的に変えるパワーを持っています。ブルーな日があるからこそ、誰かの「おはよう」の一言に救われる瞬間が、きっとあります。

姫路高校が築いてきた輝かしい伝統を受け継ぎ、そして姫路市立高校としてさらなる未来へ。

私たちのスローガンは「Go Beyond(超えてゆく)」です。

形だけの挨拶ではなく、お互いの存在を認め合い、心を通わせる新高校の文化を、皆さんと一緒に創り上げていきたいと考えています。

そのために、まずは私自身から。

明日の朝は、今日よりも少し声を張り上げて、今日よりも笑顔で、そして今日よりも皆さんの心に寄り添う「優しい見守りの視点」で、校門に立ちたいと思います。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第10号 私が今、漫筆記を綴る理由 令和8年6月12日発行

校長がなぜ、毎週言葉を綴るのか。第10号となる今回、私がなぜ毎週こうして言葉を綴り続けるのか、その真意を伝えたいと思います。

私にとってこの通信は、単なるお知らせではありません。本校の土台を築くための「経営戦略」であり、皆さんと共に歩むための「約束」でもあります。 

本校の教育理念は「Go Beyond(自己超越)」です。

しかし、これだけではまだ形のない言葉に過ぎません。日々の授業、生徒のふとした表情、行事での挑戦。校長の目線で捉えた「日常のエピソード」を言葉にすることで、この理念が具体的に何を指すのか、本校が何を目指す学校なのかを伝えていきます。

本校にはまだ伝統はありません。しかしそれは、「自分たちが歴史の最初の1ページを書き込んでいる」という特権でもあります。生徒たちの何気ない日常に光を当て、価値を見出すこと。その積み重ねが、やがて本校独自の「校風」という揺るぎない伝統の種となります。「一期生」としての誇りを生徒、保護者とともに共に育んでいきたいと考えています。

また、仕組みを構築中の新設校だからこそ、「情報の空白」を埋める必要があります。最も避けるべきは「見えないこと」による不安です。成功だけでなく、試行錯誤のプロセスや課題への向き合い方もオープンにし、情報の透明性を高めることで、「顔の見える、信頼される学校」を築いてまいります。

同時に、この通信は、教職員へのメッセージでもあります。校長が何を目指し、何を大切にしているのかを明確に示し続けることで、組織の歩みを一つにします。

加えて、現場で奮闘する先生方の情熱や工夫を積極的に紹介していきます。「先生が誇りを持って教壇に立てる学校」こそが、生徒への最高の教育環境になると信じているからです。

最後に。本校はまだ「完成品」ではありません。むしろ、完成されていないからこその伸びしろがあります。結果だけを待つのではなく、学校を創り上げる過程そのものを楽しんでいただく。この「校長通信」が、そのためのプラットフォーム(共通の広場)となることを目指します。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第9号 新章開幕 我らが描く最初のページ 令和8年6月5日発行

いよいよ来週、記念すべき「姫路高校」と「姫路市立高校」が合同で行う、初めての「姫高祭」がスタートします。

三つの学校の伝統を受け継いで誕生した「姫路市立高校」の一期生。そして、これまで学校の土台を築き、引っ張ってきてくれた「姫路高校」の2・3年生。学校名は違っても、「新しい学校を自分たちの手で盛り上げよう!」と心を一つにして、この日のために準備を重ねてきた皆さんの努力に、心から拍手を送ります。

今年の文化祭スローガンは「新章開幕 〜我らが描く最初のページ〜」です。

ここには、誰かが作った道を歩くのではなく、新しい歴史を自分たちの手で創っていくんだという、強い決意が込められています。本校のスローガンでもある「Go Beyond」に基づき、これまでの「当たり前」を飛び越えて、まだ見ぬ未来へ向かって、みんなだけの物語を力強く書き込んでいってください。

さて、今回の「姫高祭」の開催にあたり、姫路市立高校の一期生に、「文化祭の名称」について問いかけました。新設校としての新たな息吹をどう表現するか、生の声を聞きたかったからです。

アンケートの結果は、これまでの伝統を大切に引き継ぎたいという想いから、従来通りの「姫高祭」を推す声が最も多く集まりました。しかし同時に、提出された数々のアイデアには、皆さんの学校への愛着と未来への創造力が溢れていました。

例えば、「発展的統合により誕生した新高校をイメージした三翔祭」、「校章や校歌の言葉から引用した飛翔祭」、その他、親しみやすさを込めた「姫市祭」「市高祭」「ひめフェス」など、どれも新しい時代を感じさせる、本当に素敵なアイデアばかりでした。たくさんの提案を本当にありがとう!

今回は「姫高祭」としての開幕となりますが、この名称を今後も受け継いでいくのか、あるいは皆さんのアイデアをもとに新たなネーミングへと進化させていくのかは、「これからの話し合い」次第です。新しい歴史の主役である一人ひとりの声にじっくりと耳を傾け、考えていきましょう。

一期生、二年生、三年生が一緒になって描く「最初のページ」がどんな色に染まるのか。本当に楽しみです。一瞬一瞬を全力で楽しんで、最高の文化祭にしましょう。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第8号 自分の体を知り、守る「判断力」を 令和8年5月29日発行

爽やかな新緑の季節のはずが、厳しい暑さの日やじとじとした雨の日が続いています。

毎朝、きつい坂道を一生懸命に自転車を押して上がってくる皆さんの姿を見ていますが、学校に到着したときには、すでに服やジャージが汗びっしょりになっている生徒も少なくありません。また、放課後には、運動場や体育館、そして各教室で、夏の大会や発表会に向けて汗を流して部活動に打ち込む皆さんの熱気が伝わってきます。

一生懸命に努力する姿は本当に素晴らしいものです。しかし、今の時期の「暑さ」には、例年以上の警戒が必要です。

なぜ「5月下旬の暑さ」が危険なのか?

皆さんの体は、まだ「夏を迎える準備(暑熱順化)」ができていません。急に気温が上がると、体が上手に汗をかいて体温を下げる調整が追いつかなくなり、自覚がないまま熱中症を引き起こしてしまう危険性が非常に高くなります。「まだ5月だから大丈夫」という思い込みは、絶対に捨ててください。

自分の体を守るため、そして一緒に頑張る仲間を守るために、次のことを徹底してください。

「喉が渇いた」と感じた時点で、体はすでに水分不足に陥り始めています。登校直後、授業の合間、部活動の前・中・後は、意識して水分と塩分を摂りましょう。

本校の「制服の自由化」は、こうした気候の変化に柔軟に対応するためにこそ活かされるべきものです。当日の気温や自分の体調に合わせ、通気性の良い服装を選ぶなど、状況に応じた主体的な判断をしてください。

そして、「無理をしない・させない」勇気も必要です。「少し頭が痛い」「体がだるい」「めまいがする」と感じたら、絶対に我慢せず、すぐに先生や友達に伝えてください。また、周りの友達の様子が「いつもと違う」と気づいたときには、声をかけ合い、すぐに近くの大人へ知らせてください。

学校は、皆さんが安全に、安心して学び、挑戦できる場所でなければなりません。

これからの暑い季節を、誰一人倒れることなく、全員が元気に乗り切るために。一人ひとりが「高い危機意識」を持って、お互いを思いやりながら、この先の日々を充実させていきましょう。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第7号 はじめての定期考査に込めた願い 令和8年5月22日発行

先週末から、本校にとって記念すべき「初めて」の定期考査が始まりました。教室で真剣にペンを走らせる皆さんの姿を見て、私は改めてこの学校の始まりを実感しています。

実は、この学校の設置準備段階において、教育委員会内で「定期考査を本当に実施すべきか」について、何度も熱心に議論を重ねてきました。今の時代、試験を廃止する選択肢もありました。しかし、私たちはあえて、定期考査を実施することを選びました。

それは、本校のスローガンである「Go Beyond(自己超越)」を体現するために、定期考査が極めて有効な「成長の場]になると考えたからです。

私が考える定期考査の「意味」は、次の3点に集約されます。

  1. 「わかったつもり」を「できる」へ(学びの超越)
    授業で「わかる」ことは入り口に過ぎません。テストという締め切りに向けて知識を整理し、自分の力だけで「解ける」状態へと高めるプロセスこそが、真の学びです。
  2. 自分の「現在地」を知る羅針盤(自己理解)
    テストの結果は、皆さんを評価し固定するものではありません。暗闇の中で進むべき方向を示す地図のようなものです。「どこが強みで、どこに課題があるか」を知ることは、自分を超えるための第一歩となります。
  3. 「やり抜く力」という一生の武器(精神の超越)
    計画を立て、誘惑に打ち勝ち、準備をする。この「自分を律する経験」こそが、将来皆さんが社会で困難に立ち向かう際の大きな自信となります。

一期生の皆さん。前例のない中で皆さんが今感じている不安や緊張は、現状に甘んじず「挑んでいる」証拠です。

もし思うような点数が取れなかったとしても、恥じることはありません。大切なのは点数に一喜一憂することではなく、結果を冷静に見つめ、「次はどう動くか」を考えることです。

最後に。考査は、誰かと競うための「競争」ではありません。

「Go Beyond」 昨日までの自分、先週までの自分を少しだけ超えていく。

その小さな超越の積み重ねが、皆さんの確かな進路を創り上げると信じています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第6号 「制服の自由化」に込めた、真の自由と自律への挑戦 令和8年5月15日発行

新設校の本校が掲げる「制服の自由化」。これは、単に「好きな服を着て楽をすればいい」という安易なメッセージではありません。むしろ、これまでの決められたルールに従うだけの生活よりも、ずっと高度で、知的な挑戦を生徒たちに求めています。

私たちが教育の柱に据える「自由」と、混同してはならない「放任」の境界線。自由とは自律を土台に責任と敬意を伴うものであり、放任は単なる無秩序です。

本校における自由は、以下の3つの柱によって守られます。

  1. 安全と人権
    命に関わること、他者の尊厳を傷つけるいじめや差別。他者の自由を侵す行為は、自由ではありません。
  2. TPO(目的)の思考
    制服がないからこそ、「今、この場で自分はどうあるべきか」を考える必要が生まれます。冠婚葬祭、式典、プレゼンテーション。場面に応じた装いや振る舞いを自分で判断する力こそが、社会で生きる知恵となります。
  3. 責任の引き受け
    選択には必ず結果が伴います。周囲の信頼を得ることもあれば、失敗して信頼を損ねることもあるでしょう。その結果を自分事として受け止め、学びにつなげます。

私たちは教育者です。「自由だから何でもいい」という誤解には、毅然に、しかし丁寧に対話を試みます。

「なぜその行動を選んだのか?」生徒の主張に論理的な筋が通っているなら、既存のルールをアップデートすることも厭いません。これこそが本校のスローガン「Go Beyond(自己超越)」の体現です。

私が生徒たちに、そして先生方や保護者の皆さんに伝えたい言葉があります。

「君たちを信じているから、自由にするのではない。自由の中で失敗し、葛藤しながら『自分を律する力』を身につけてほしいから、ルールを君たちに預けるのだ」

生徒を信じて放置するのではなく、彼らが自律した大人へと歩んでいけるよう、私たちは粘り強くその横を歩き続けます。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第5号 「自立」の芽吹きと、一生モノの力 令和8年5月8日発行

5月8日、新年度の生徒会役員選挙が行われます。活気づく生徒たちの姿に、私は今、ある「驚き」を感じています。

長く小学校現場にいた私にとって、小学校の児童会は教員が細かくお膳立てをするのが常でした。しかし、本校の生徒会活動は驚くほど自立しています。例えば、6月の文化祭。企画立案から予算の折衝、外部業者との交渉まで、生徒たちの手で完結させると聞きました。

また先日、生徒会役員が「1期生に早く学校生活に慣れてほしい」と、学校紹介ビデオの制作に奮闘する姿を耳にしました。実際にそのビデオを視聴させてもらった際、その完成度と熱意に「ここまで任せられるのか!」と、心地よい衝撃を受けたのです。

こうした活動には、単なる思い出作りを超えた三つの意義があると考えます。

一つ目は、「正解のない問い」に挑む力。仲間と議論し、納得解を導き出す経験は、社会で最も必要なスキルとなります。

二つ目は、自分を知る「実験場」であること。リーダーとして率いるのが得意か、事務方として支えるのが性分に合っているか。活動を通じて自分の強みや役割を客観的に把握し、やり遂げた経験は、自己肯定感へと繋がります。

三つ目は、「小さな社会」の体験。ルール作りや多様な価値観との接触は、主権者として生きるための最高のシミュレーションです。

昨今の大学入試においても、こうした活動実績が評価される機会は増えています。しかし、私が思う意義は評価のためではなく「自分をアップデートし、社会との繋がり方を学ぶこと」にあります。たとえ失敗や葛藤があったとしても、それこそが将来の自分を支える強力な糧になるのです。

これは生徒会だけでなく、部活動や委員会など、すべての生徒活動にあてはまります。自らの意志で動き、試行錯誤して得られた「目に見えない力」は、卒業後の人生において、どんな知識よりも生徒一人ひとりを助けてくれるはずです。

新役員を中心に、新たな学校が持つ挑戦心と、伝統ある学校が守ってきた誇り。その二つが混ざり合い、醸し出される今の「熱気」と、これからのさらなる飛躍を心から楽しみにしています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第4号 「はじめて」を駆け抜けた一ヶ月 令和8年5月1日発行

開校・入学から早いもので一ヶ月。生徒の皆さん、そして教職員の皆さん、本当にお疲れ様でした。

実は、この一ヶ月、誰よりも緊張し、誰よりも戸惑っていたのは、私かもしれません。私はこれまで小学校や教育委員会での勤務が長く、高校というステージは私にとっても「新しい挑戦」の場でした。

授業のスピードとその内容、学食で楽しそうに食事する風景、部活動に打ち込む真剣な眼差し‥。見るもの聞くものすべてが新鮮で、実は毎日、心の中で「おぉ、これが高校生活か!」と圧倒される日々を過ごしていました。

そんな戸惑いの中にいた私を救ってくれたのは、他ならぬ生徒の姿でした。

「校門で迎えるときや、廊下ですれ違う時の清々しい挨拶。」

「新しい仲間と一緒に、試行錯誤しながらも前向きに学ぶ姿勢。」

そして、「何事にも真摯に向き合う先生方の熱意。」

皆さんがこの新しい学校に「命」を吹き込んでいく様子を見て、私は「この学校の校長になれて良かった」と、日に日に確信を深めています。

一方で、皆さんも期待と緊張が入り混じった中で、見えない疲れがたまっている頃ではないでしょうか。「新しい環境に慣れなきゃ」と、少し無理をして頑張りすぎてしまった人もいるかもしれませんね。

明日からは大型連休、ゴールデンウィークの後半が始まります。ここで皆さんにお願いしたいのは、「しっかりと英気を養う」ことです。

もちろん、部活動や趣味に打ち込むのも素晴らしいことですが、もし疲れを感じているなら、あえて「何もしない時間」を作ってみてください。

好きな音楽を心ゆくまで聴く。スマートフォンの通知をオフにして、ゆっくり読書をする。家族と何気ない会話を楽しみ、美味しいものを食べる……。

心と体を緩め、自分自身をメンテナンスする時間は、これから続く長い高校生活を走り抜くために、とても大切な「戦略的休息」です。

連休が明けたら、またこの新しい学び舎に皆さんの元気な声が戻ってくるのを楽しみに待っています。

心身ともにリフレッシュした皆さんに会えることを、心から願っています。

よい休日を!

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第3号 自転車の「青切符」と、私たちのマナー 令和8年4月24日発行

第1期生が、兵庫県警の協力を得て自転車教室を行いました。初々しくも真剣な眼差しに、私も身が引き締まる思いでした。

さて、4月から自転車にも「青切符」が導入されました。「反則金があるから守る」のも一つですが、私が今回伝えたいのは、そのルールの先にある「想像力」のことです。

例えば、スマホの「ながら運転」。画面に夢中な1秒間、あなたの自転車は視界を失ったまま走っています。もしその先に、小さなお子さんやお年寄りがいたら・・・。ルールは私たちを縛るものではなく、大切な人を傷つけないための「お守り」です。

あるいは「下り坂のスピード」。風を切る爽快感の裏で、自転車は原付バイク並みの速度に達します。ブレーキを握ってから止まるまでの数メートル、自転車は「巨大な鉄の塊」となって突き進みます。その衝撃が相手に何をもたらすか・・・。ハンドルを握る手に、その重みを感じる想像力を持ってください。

私は義弟を交通事故で亡くしました。23歳でした。本人の無念、家族や友人の深い悲しみは言葉になりません。だからこそ「自分は大丈夫」という油断を捨て、自身の行動を振り返ってください。

「いってきます」と出かけ、「ただいま」と笑顔で帰る。そんな当たり前の日常は、一人ひとりの小さな「一時停止」から作られます。ルールを守ることは、自分と誰かの人生を守ること。

残念ながら、4月以降、地域の方々から生徒の運転マナーについて厳しいお叱りをいただくこともございました。これは、一歩間違えれば大切な生徒が加害者にも被害者にもなりかねないという、地域からの「警告」であると真摯に受け止めております。

学校でも粘り強く指導を続けてまいりますが、ぜひご家庭でも、今一度ハンドルの先にある命について言葉を交わしていただければ幸いです。

青い空の下、多くの姫路市立高校・姫路高校の生徒がマナーを守って颯爽と走る姿を、私は誇りに思うとともに、どうか事故には遭わないでほしいと心から願っています。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第2号 一瞬の積み重ねが、歴史に変わる 令和8年4月17日発行

令和8年度・9年度、本校では4月15日を授業日としておりません。この日は、昭和14年(1939年)に姫路市立鷺城中学校として産声を上げた「姫路高校」の開校記念日にあたります。

姫路高校は現在の2年生(80期生)をもってその歴史に幕を閉じます。同様に、大正2年(1913年)創立の琴丘高校、昭和17年(1942年)創立の飾磨高校も、市民に深く愛されてきた長い歴史を持っています。

姫路市立高校は、これら3校が築き上げた情熱と誇りを「源流」として誕生しました。私たちは、先人たちが繋いできた伝統を礎に、地域から信頼され、応援される新しい学校の姿を模索していかなければなりません。

先日、1年生の学年集会である担任がこう語りました。

「文化は長い伝統で作られると思うかもしれないが、そうではない。今、この一瞬の積み重ねから作り上げられていくものだ。姫路市立高校の文化は、君たち1期生に委ねられている」と。

まさしく、その通りです。1期生には、新しい歴史を切り拓く「開拓者」としての気概を持ってほしいと願っています。1期生一人ひとりの一歩一歩が、そのままこの学校のそして未来の「伝統」に繋がっていくのです。

さて、そうなると「姫路市立高校の開校記念日はいつになるのか」という疑問を持つかもしれません。

記念日の設定は、設置認可の日や式典の日、あるいは統合の日など、その学校にとって「最も象徴的な日」が選ばれるのが一般的です。現時点では、本校の記念日はまだ設定されていません。今後、姫路市や教育委員会とも協議を重ね、この新しい学び舎にふさわしい日を決定していく予定です。

いつの日か決まる「その日」を、胸を張って祝えるような学校文化を、今ここから、生徒はもちろんのこと教職員も含めて、共に創り上げてまいります。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

第1号 感動の歌声が響いた「第1期生 校歌合唱コンクール」  令和8年4月14日発行

盛大に執り行われた「姫路市立高校 開校・入学式」から1週間が過ぎようとしています。第1期生たちは、姫路高校の先輩方との対面式や、学校生活の指針を学ぶオリエンテーションを経て、一歩ずつ新しい日常へと歩みを進めています。

入学3日目となる4月10日、クラス単位での「校歌合唱コンクール」をパルナソスホールにて開催いたしました。ホール内には「空と海と山がひとつにとけ合い 希望の学び舎が生まれた……」と、新しい校歌の調べが厳かに、そして力強く響き渡りました。

校歌を全員で声を合わせて歌うという行為は、集団への「帰属意識」を育む最も確かな一歩となります。同じメロディと歌詞を共有することで、「私たちはこの学校を創っていく仲間なのだ」という強い連帯感が芽生えます。

1期生一人ひとりが歌詞をかみしめ、練習の段階から心を合わせて歌い上げる姿には、開拓者としての意気込みと誇りが溢れていました。この一体感の創出こそ、まさに本校の掲げる「Go Beyond」へと繋がる欠かせない礎であると、改めて確信させてくれる素晴らしいひと時となりました。

【文責 姫路市立高校 校長 平山智樹】

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