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教師のための「月や星や太陽の単元」参考ページ

天体観望会の様子

姫路科学館・星の子館では、先生方の天文に関する授業の悩み、相談を承ります。お気軽にご相談ください。

 先生も子どもたちも、「星の宿題はよくわからなくてめんどくさいなぁ…夜だし…でも、しかたないなぁ…」と思っている人が多いと思います。
 このページは、小学校・中学校で天体を見る・指導するときの教師向け参考のページです。「やっぱり面倒でわからない」ではなくて、「こんなに気軽でいいんだ!」と気がついて、星空と友だちになる先生が増えて、結果として星を見るのが好きになる子どもが増えるとうれしいです。

(こちらは宿題を出す側の先生方のためのページです。宿題をする子供たちは夏のページ冬のページへ)

天文に関する単元

参考:小学校学習指導要領(理科) 中学校学習指導要領(理科)
学年 単元名 理解すること 観察すること 姫路科学館のホームページでお役に立てそうなこと


3年 太陽と地面の様子 太陽の動きで日影の位置が変わる
  • 日影の位置の変化
4年 月と星
  • 月の形が変わる
  • 1日の中で月の位置が変わる
  • 星には明るさや色の違いがある
  • 星の並びは1日の中で位置が変わるが並び方は変わらない
  • 月の位置
  • 星の色や明るさ
  • 星の位置
6年 月と太陽
  • 月の形と太陽の位置との関係
  • 月と太陽の表面は違う
  • 月の位置や形と太陽の位置


2分野 天体の動きと地球の自転・公転
  • 日周運動と自転の関係
  • 星座の年周運動や太陽の南中高度の変化と公転の関係
  • 天体の日周運動
  • 星座の年周運動
  • 太陽の南中高度の変化
太陽系と恒星
  • 太陽の特徴
  • 月の満ち欠けと公転の関係
  • 惑星と恒星の特徴の違い
  • 太陽の観察
  • 月の観察

天体観察の前に

 星の子館などの公開天文台には、夏休みを中心に学校からの宿題について問い合わせがよくありますが、稀に実施困難な課題を出している例に出会います。これは、子どもたちの興味をなくすばかりか、実物を観察しないでネットや知識だけで答えを提出する「ウソ」や「ねつ造」を助長しかねません。
 実現困難な宿題の原因のほとんどは、先生自身が実物を見ていないに尽きます。先生方のひと手間で正しい指導ができます。特に小学校では理科は専門でなく苦手だ・現場は忙しい…のも十分理解できますが、ぜひ下記のことを実践してみてください。

  • 星座早見盤やインターネット、スマホのアプリなどを使って、子どもたちが起きている時間にちゃんと見えるのか確認する
  • 先生が帰宅するときに、とりあえず学校から目標の天体が見えるか確認する
  • 天気が悪いことも考慮して、宿題の提出までに期間の余裕を見る(できれば1週間程度)
  • 教材のプリントまる写しではなく、先生自身が観察した感想を一言添える
  • 分からない事や不安な事は、姫路科学館でもお近くの科学館にでも、とにかくすぐ聞く!(「博物館や科学館の積極的な連携」です)

実施困難な宿題の例

 実際に問い合わせがあった例です。これが「??」と思わない方は、このページを特によくお読みください。

  • 下弦の月の時期に、21時の前後1時間の月の満ち欠けの観察
  • ゴールデンウィークの頃に、夏の大三角形の観察
  • 夏休みの宿題に、オリオン座の観察
  • 秋になって、北斗七星と北極星の観察

観察の前の声かけ

 下のような声をかけるだけで、子どもたちのやる気を引き出せると思います。(もちろん先生方も…)

  • くもりや雨の日は、どんなにがんばっても星は見えないのであきらめよう
  • 観察した日がくもりや雨だったら、正直に「見えなかった」と報告しよう
  • お天気しだい、ということは、「星の宿題は早く手をつける」のが大切
  • いきなり外に出ても星は見えないので、目が暗さになれるまで10分くらいかかるから、しばらく空を見よう
  • 必ずお家の人といっしょに、自分の安全と周りへの迷惑に気をつけよう

星座の観察の指導

ここにあるのは何座?

大原則:毎日満天の星空を見ている人でない限り、「星座」は分からないし、探せないほうが普通です!

 「星座を見つける」というよりは「"あの星は何座の星か?"がわかればOK」と思って、とりあえず空に見えている明るい星が何座の星なのか調べてみましょう。
 星座は今から何千年も前、テレビや本もなくて、夜になったら星を見るしか楽しいことがなかった人が作ったので、ポツポツ星が見えている現代の空では星座の形は分からなくて当たり前です。

 左の写真は町の中で見た星空に近い写真で、よく宿題に出る星座が見えています。わかりますか?(答えは写真をクリック)

教科書に出てくる主な星座が、20時から22時の間に見える時期

  • しし座:5月から梅雨入り前
  • おおぐま座(北斗七星):春先から8月終わりまで
  • さそり座:夏休み期間
  • カシオペヤ座:9月から12月
  • オリオン座と冬の大三角:1月から3月

「夏の大三角形」の観察の指導

夏の大三角形の探し方

 「夏の大三角の星は織姫と彦星」というのが知られているためか、7月7日の七夕の前後に宿題として出ることが多いようですが、実は、のぼる時間が21時過ぎなのと梅雨時期のために、見るのは難しいです。

 観察に最適なのは、梅雨明け後から10月まで。ただ、秋になると頭の真上に見えるので、地上に対しての位置の変化がわかりにくいので、1学期の最後の授業→夏休みに宿題という流れが適切です。

 ほとんどの場合、晴れていればだれでも見つけられるのですが

  • 目が暗さになれていない  
  • 教科書の写真程度に小さく考えている
  • 天の川が必ず見えると思っている
ので気がつかない人が多いのです。
 一番長いところ(アルタイルとデネブの間)が、手をのばした時の「にぎりこぶし」4個ほどの大きさと意識して、とにかく東の空から頭の上にかけて見える明るい順に3つの星が夏の大三角です。
大きさの目安をプリントアウトして空と比較してください)

「冬の大三角形」の観察の指導

冬の大三角形の探し方

 冬の大三角は冬に入ってすぐ・12月の授業の取り入れることも多いと思いますが、12月中はのぼる時間が21時過ぎなので意外と探しにくいです。

 観察に最適なのは1月中旬から4月ごろです。そういう意味では、3学期に入ってすぐからが最適かも知れません。

 夏の大三角と違って、冬の大三角の周辺には明るい星が多いので見つけにくいかもしれませんが、一番明るい星(シリウス)と一番赤っぽい星(ベテルギウス)を入れた正三角形と意識すると探しやすいと思います。

「大三角」と「大三角形」はどちらが正しいか?

「大三角」も「大三角形」も、正式さを求められる学術用語や固有名詞ではなくて「愛称」なので、どちらも間違いではありません。

【教科書では「○○の"大三角"」と書かれることが多い】というだけです。
元々「(Summer) Triangle」の訳なので、学術用語や固有名詞ではなくて、星を見る時の目印としての「愛称」なので、「大三角形」と呼んでも間違いではありません。世の中では混在して使われていますので、テストで決して△や×にしないでください。
(現に、文科省作成の資料(P100)でも「大三角形」が用いられています)

星の動きの観察の指導

星の動きを見るための昼間の作業 「1時間ごとの星の動き」を観察してもらう時は、左の図のように昼間のうちにスケッチ用紙に目印の線と風景を書いておくと楽です。(ちなみに雲や太陽は書かなくていいです)
 観察は8→9→10時の3時間くらいですが、3時間ずっと外にいる必要はないので、テレビ見る・ごはん食べる・お風呂の合間に見る方が飽きないし、時間の経過が分かっていいです。

 あと、大切なのは「いつも同じ場所から観察する」ということです。場所が変わると星の位置もずれてしまうので、立つ場所やベランダのふちにアゴを乗せる場所を決めるように一言添えるのが大切です。

網を使って目印を作る例えば、魚を焼く網をベランダにつけると、そのまま空に「方眼紙」ができるので、星の場所を記録しやすくなります。

星の明るさや色の観察の指導

大原則:正直に言って、肉眼で見ても星の色の違いはよく分かりません。別の星との比較でわかります。

 左の写真は教科書では「赤」と書かれている、オリオン座のベテルギウスです。元々星の色はたくさんの色が混じっているので「白より少し○○色」程度の色付きですし、肉眼は暗いところではさらに色の感覚が鈍くなります。
 星の色がよく分かるためには、下記の例のように別の星と比較するのがよいです。

  • 春:「うしかい座のアークトゥルス(橙)」と「おとめ座のスピカ(青白)」
  • 夏:「さそり座のアンタレス(赤)」と「夏の大三角の星(白)」
  • 冬:オリオン座の「ベテルギウス(赤)」と「リゲル(青白)」

 星の明るさの違いは色よりは見分けやすくて、特に夏の大三角形の3つの星は良い教材になると思います。

月の観察の指導

月の観察のチャンスは?

大原則:チャンスは1ヶ月の間に1週間だけ。下調べでタイミングを逃さないように。

 月は晴れてさえいれば簡単に探せて観察できるし、毎晩見えているイメージがあるので気軽に取り上げる例が多いのですが、児童が普通に起きている22時くらいまでに月が観察できるのは、1ヶ月の間に1週間ほどしかありません。

 月が昇ってくる時間は、1日ごとに約50分ずつ遅くなります。月曜に18時に昇る月は、金曜には50分×5日=250分=約4時間後の22時に昇ることになります。よく調べないで時間割の都合だけで宿題を出すと「観察不能」や「徹夜で観察」に陥ります。
 また満月に近い時は満ち欠けの変化が分かりにくいので、「月齢7(上弦の月)」の前後が狙い目です。

 月が見える時間を調べる一番簡単な方法は、新聞の片隅にある「日出・日入」の欄です。月の出・月の入の時刻もあるので参考になります。また、インターネットを使えば、長期の予定も計算できるので、検索してみてください。
 お忙しい先生にはサービス!:こんなサイトあんなサイト

太陽や日食の観察の指導

太陽の観察

 万が一の場合の被害が甚大なので、太陽の観察は心配しすぎてもし過ぎでない位に、安全に注意して行ってください。

 詳しい情報については、「太陽を安全に見るために」のページをご覧ください。日食については「日食を見よう」のページへ。

流星群の観察

 流星はもともと「いつ・どこに見えるかは予測不可能」なので、必ず見えるとは限りません。ですから、児童生徒に話題として提供するのは良いと思いますが、自由研究や宿題の課題するのはお勧めしません。

 流星群の詳しい情報については、「流星群を見よう」のページをご覧ください。