実は、望遠鏡は星を大きく見える機械ではなく、「光を集める機械」です。
大きなレンズや鏡を使った望遠鏡の方がたくさん光を集めることができて、よく見えます。望遠鏡の性能をあらわす
望遠鏡の性能をあらわす時には、「口径(こうけい)」と「焦点距離(しょうてんきょり)」という2つの数字を使います。
- 口径
- レンズや鏡の大きさのこと。望遠鏡の性能を決めます。
- 焦点距離
- レンズや鏡から、光が集まるところ(焦点)までの長さ。倍率や見られる広さを決めます。
望遠鏡の口径が大きくなると…
- たくさん光をあつめることができるので、暗い星まで見える。
- 天体の細かいところが、よく見える。
というメリットがあります。
気になる倍率のこと
望遠鏡の倍率は「倍率 = 望遠鏡の焦点距離 ÷ 接眼レンズの焦点距離」で計算できます。
でも、倍率を上げると、大きくはなりますが明るさは落ちます。いくら大きくなっても、暗くぼんやりしていては見ずらいです。ですから、できるだけ光をたくさん集める口径の大きな望遠鏡が有利なのです。
それに、星は遠くにあるので、倍率を高くしても大きくは見えません。
自分の望遠鏡が、どんな倍率になるのかぜひ計算してみましょう。
一般的な目安として、口径(cm)×10 を適性倍率といいます。
見る天体によっては、もう少し高くしたほうが細かく見えることもあります。望遠鏡を買うと平均2,3個の接眼レンズがついてきます。それぞれ何倍になりましたか?
例えば、このHPにある望遠鏡の対物レンズの焦点距離は 640mm です。接眼レンズは2つついており、その焦点距離はそれぞれ、7.5mmと17mm
なので、
640 ÷ 7.5 = 85.3 (倍)
640 ÷ 17 = 37.6 (倍)
となります。
そして望遠鏡の口径は8cmであり、適性倍率は、8×10 = 80 (倍)です。焦点距離7.5mm の接眼レンズを使えばほぼ適性倍率といえるでしょう。17mmの接眼レンズは倍率は低いですが、見える範囲が広がるので、月や広がった天体を見るときなどに使います。