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《 姫路発 》お城からの手紙

2023 Autumn vol.93

お城を愛でる秋

世界遺産登録30周年を記念して
今年は秋開催!
お城

毎年5月に開催される「姫路お城まつり」が、姫路城世界遺産登録30周年記念事業のメインイベントとして今年は11月にお引っ越し。
3日間のおまつりの初日を飾るのは、姫路城を借景に上演される「第52回姫路城薪能」。人気の演目「羽衣」や江戸時代に姫路城で実際に演じられたという「小鍛冶」などが上演される予定です。
2日目は、世界遺産登録30周年を記念したパレードや大名行列などが披露されます。パレードや行列のゴールが例年の大手前通りから姫路城三の丸広場になり、より姫路城を身近に感じられるように。注目は姫路藩主・酒井忠顕(ただてる)の上洛を描いた古い絵図を再現した「姫路大名行列」。江戸時代にタイムトリップしたような気分を味わえますよ。
最終日は、良さ恋のほか、和太鼓や獅子舞などの郷土芸能が披露される予定で、いつも以上の盛り上がりが期待されます。
第51回姫路城薪能
第51回姫路城薪能
姫路お城まつり
日程/11月10日(金)~12日(日)
場所/姫路城三の丸広場・大手前公園他
問い合わせ/姫路お城まつり奉賛会事務局(姫路市観光課内)
電話/079-221-1520
中秋の名月を借景に夜の姫路城の美を堪能
観月会も開催!
姫路城観月会
日程/9月29日(金) 場所/姫路城三の丸広場
問い合わせ/姫路城イベント実行委員会
電話/079-240-6023
姫路城 festival

お城好きが大集合!
国内最大級の「城」イベント
お城

2016年から横浜で開催されているお城EXPO。城郭文化の振興・発展、城好きの皆さんの交流を目的として開催されるこのイベントが「特別版お城EXPO in 姫路」として姫路にやって来ます。
姫路城の特別ブースに加えて、松本城、犬山城、彦根城、松江城の国宝五城をはじめ、全国の自治体や団体がブース出展し、各城の魅力をPR。キャラクターとの写真撮影や、御城印をはじめとしたお城グッズの購入ができます。
イベント中、アクリエひめじは城一色。2階のホールエリアや4階の会議室エリアでは、お城のスペシャリストによる講演会やワークショップが開催されるほか、「和楽器×オーケストラ」が織り成す大迫力の生演奏『刀剣乱舞』宴(えん)奏会 特別公演が同時開催されます。
お城EXPO姫路城出展ブースの様子
昨年、横浜で開催されたお城EXPO姫路城出展ブースの様子
特別版 お城EXPO in 姫路
日程/9月16日(土)~18日(月・祝) 場所/アクリエひめじ
問い合わせ/特別版 お城EXPO in 姫路実行委員会事務局
(株式会社ムラヤマ内)
電話/03-6221-0878(平日10:00~17:00)
アクリエひめじ
アクリエひめじ
【チームラボ 圓教寺 認知上の存在】 チームラボ《質量のない太陽、歪んだ空間》 arts
【チームラボ 圓教寺 認知上の存在】 チームラボ《質量のない太陽、歪(ゆが)んだ空間》 ©チームラボ
アートと出会う秋

チームラボと
重要文化財とのコラボ
お城

姫路城の特別史跡地内にある姫路市立美術館では2021年から、「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」を展開。姫路城と並ぶ文化資源としての書寫山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)の魅力を、アートの力で発信しています。姫路城世界遺産登録30周年記念の年に招聘(しょうへい)するのはアート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を探求し続ける、アートコレクティブ「チームラボ」です。
重要文化財である書寫山圓教寺の食堂(じきどう)で展開されるのは「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」。約40メートルという長さを生かした食堂に展示された作品は二つで、いずれも一般的に知られるチームラボのカラフルな世界観とは異なり、暗闇の中の光源が作品の中心になっています。物質としては存在せず、人によっておそらくは見え方も異なる光の造形や形に何を思うのか……。伝統的な寺社建築の中でのアートにご注目ください。
また、7月からは姫路市立美術館で「チームラボ 無限の連続の中の存在」がスタート。チームラボの追求する現実空間と作品空間の時空の連続性を体感することで得られる「超主観空間」を体験してみて。
【チームラボ 無限の連続の中の存在 後期】チームラボ《永遠の今の中で連続する生と死、コントロールできないけれども共に生きる》
【チームラボ 無限の連続の中の存在 後期】チームラボ《永遠の今の中で連続する生と死、コントロールできないけれども共に生きる》©チームラボ
【チームラボ 無限の連続の中の存在 前期】チームラボ《生命は生命の力で生きているⅡ》
【チームラボ 無限の連続の中の存在 前期】チームラボ《生命は生命の力で生きているⅡ》©チームラボ
書寫山圓教寺
チームラボ 圓教寺認知上の存在
日時/~12月3日(日)
場所/書寫山圓教寺 食堂
チームラボ 無限の連続の中の存在
日時/
【前期】7月22日(土)~10月9日(月・祝)
【後期】10月21日(土)~2024年1月21日(日)
場所/姫路市立美術館
問い合わせ/姫路市立美術館
電話/079-222-2288
【チームラボ 無限の連続の中の存在 前期】チームラボ《増殖する無量の生命》
【チームラボ 無限の連続の中の存在 前期】チームラボ《増殖する無量の生命》©チームラボ
柳馬・唐人・松馬図
酒井宗雅「柳馬・唐人・松馬図」絹本著色 三幅 江戸中期 個人蔵
▲注目は酒井忠以(宗雅)の三幅対。漢服を着した老齢の唐人の左右に柳と松を対比させた河畔の群馬を描く。宗雅の『玄武日記』安永五年二月十一日条に「渡部隆軒法眼へ約束之画左柳馬中張化老右松馬三幅対彩色養運よりさし遣候様申付候事」という記述があり、その書きぶりから本作のことを指している可能性が高いと思われる。

姫路城の歴史を彩った
酒井家家臣を知る
お城

姫路城については広く紹介されていますが、意外に知られていないのが、江戸時代中期から姫路藩主を務めた酒井家のこと。特に、江戸時代後期から幕末にかけて活発に行われた藩士たちの文化活動については、ほとんど知られていません。
そこで、姫路藩士の子孫たちが平成29(2017)年に立ち上げた市民団体「三星会」は、姫路市立城郭研究室と共に歴史に埋もれていた資料を紹介する展覧会を企画。藩主である酒井忠以(ただざね)(宗雅<そうが>)や鈴木其一(きいつ)をはじめとする藩士たちの姿を、芸術を通して垣間見ることができそうです。
酒井家姫路藩の文化展
日時/9月14日(木)~29日(金)
場所/姫路文学館 特別展示室
問い合わせ/姫路市立城郭研究室
電話/079-289-4877
葦雁図鐔
明珍宗之「葦雁図鐔」
鉄地鍛造鋤出彫象嵌 一枚
近世後期~近代 個人蔵
◀甲冑(かっちゅう)師として酒井家に仕えた明珍宗之の作。表面上部に山峯と月、下部にアシの生えた水辺に架かる小橋、裏面上部に二羽のガン、下部にアシの生えた水辺を表現。
▶鈴木其一の描いた人物像としては最も著名な一幅で、姫路藩家老の河合寸翁を描く。寸翁が着している直垂(ひたたれ)は本作と共に河合家の子孫に伝来し、現在は共に姫路市立城郭研究室が所蔵している。
河合寸翁像(寸翁主夀像)
鈴木其一「河合寸翁像(寸翁主夀像)」
絹本著色 単幅 天保年間
姫路市立城郭研究室蔵 姫路市指定重要有形文化財