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水族館ブログ 「姫路市立水族館・飼育係のブログ」

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あしあと

 

    企画展「昆虫ってすごい!」-ゲンゴロウ編-

    • 公開日:2020年12月19日
    • 更新日:2020年12月19日
    • ID:15128

    皆さん、こんにちは。

    12月に入り今年も残りわずかですね。

    そして、企画展「昆虫ってすごい!」も12月27日(日曜日)までとなりました。


    企画展「昆虫ってすごい!」シリーズも今回を合わせてあと数回の予定です。

    今日ご紹介するのは「ゲンゴロウ」です。

    ゲンゴロウ

    ゲンゴロウといえば、ため池などにすむ水生昆虫。

    最近ではほとんど見る機会がなくなって、兵庫県でも絶滅寸前の昆虫です。

    後ろあしがオールのようになっていて、水中を力強く泳ぐことができます。

    ゲンゴロウあし

    企画展会場では、ゲンゴロウを水槽で展示しています。

    皆さんの感想をお聞きしていると、「体の緑色がきれい」と、とても人気です。

    ところが、ゲンゴロウでもっと印象的なのは、幼虫がイモムシのような姿かたちをしていることです。

    ゲンゴロウ幼虫全身

    どうですか!?

    これがあのゲンゴロウの幼虫とは、想像もつかないですよね。

    幼虫はこんな顔をしています。

    幼虫顔

    顔も成虫とはまったく違っていますね。

    両方のキバは幼虫の武器、獲物を捕らえて食事をするときに役に立ちます。


    ゲンゴロウの幼虫は、2回脱皮すると、やがて土の中に潜って蛹になります。

    蛹は土の中で羽化して新成虫が誕生し、土から這い出てきて、いよいよ水中での生活を始めるのです。

    このような、変身の仕方を、「完全変態(かんぜんへんたい)」といいます。


    ゲンゴロウさなぎ

    これは、ゲンゴロウの蛹です。

    白くてきれいですね。

    土の中で約1か月かけて新成虫になり、体が固まってくると、土からはい出てきます。

    ゲンゴロウ這い出し

    これは、土からはい出てきた新成虫です。

    体が若々しい緑色をしていて、とてもきれいですね。


    ひめすいでは、数少なくなった水生昆虫の繁殖に長年取り組んできています。

    ゲンゴロウもそのひとつ。

    環境が変わったり、外来生物の影響を受けたり、人に乱獲されたりして、数を減らしているのです。

    ゲンゴロウ水槽

    会場の水槽では、当館生まれのゲンゴロウが元気に泳いでいます。

    ゲンゴロウの姿から、昆虫たちが絶滅の危機にあることに、少しでも関心を持っていただいたら、うれしいです。


    さて、次の企画展「昆虫ってすごい!」シリーズは、今回の企画展の総括をしてみたいと思います。


    企画展「昆虫ってすごい!」の開催期間はあとわずかです。

    昆虫たちの「すごい!」世界をぜひご覧ください!

    (タケダ)