皆さん、こんにちは。
12月に入り今年も残りわずかですね。
そして、企画展「昆虫ってすごい!」も12月27日(日曜日)までとなりました。
企画展「昆虫ってすごい!」シリーズも今回を合わせてあと数回の予定です。
今日ご紹介するのは「ゲンゴロウ」です。
ゲンゴロウといえば、ため池などにすむ水生昆虫。
最近ではほとんど見る機会がなくなって、兵庫県でも絶滅寸前の昆虫です。
後ろあしがオールのようになっていて、水中を力強く泳ぐことができます。
企画展会場では、ゲンゴロウを水槽で展示しています。
皆さんの感想をお聞きしていると、「体の緑色がきれい」と、とても人気です。
ところが、ゲンゴロウでもっと印象的なのは、幼虫がイモムシのような姿かたちをしていることです。
どうですか!?
これがあのゲンゴロウの幼虫とは、想像もつかないですよね。
幼虫はこんな顔をしています。
顔も成虫とはまったく違っていますね。
両方のキバは幼虫の武器、獲物を捕らえて食事をするときに役に立ちます。
ゲンゴロウの幼虫は、2回脱皮すると、やがて土の中に潜って蛹になります。
蛹は土の中で羽化して新成虫が誕生し、土から這い出てきて、いよいよ水中での生活を始めるのです。
このような、変身の仕方を、「完全変態(かんぜんへんたい)」といいます。
これは、ゲンゴロウの蛹です。
白くてきれいですね。
土の中で約1か月かけて新成虫になり、体が固まってくると、土からはい出てきます。
これは、土からはい出てきた新成虫です。
体が若々しい緑色をしていて、とてもきれいですね。
ひめすいでは、数少なくなった水生昆虫の繁殖に長年取り組んできています。
ゲンゴロウもそのひとつ。
環境が変わったり、外来生物の影響を受けたり、人に乱獲されたりして、数を減らしているのです。
会場の水槽では、当館生まれのゲンゴロウが元気に泳いでいます。
ゲンゴロウの姿から、昆虫たちが絶滅の危機にあることに、少しでも関心を持っていただいたら、うれしいです。
さて、次の企画展「昆虫ってすごい!」シリーズは、今回の企画展の総括をしてみたいと思います。
企画展「昆虫ってすごい!」の開催期間はあとわずかです。
昆虫たちの「すごい!」世界をぜひご覧ください!
(タケダ)