皆さん、こんにちは。
ひめすいでは、タガメやゲンゴロウなどの水生昆虫を繁殖させています。
今までにも何度かこのコーナーでご紹介してきましたね。
今日はその繁殖の際のちょっとしたテクニックをご紹介します!
今、バックヤードでは、コガタノゲンゴロウの繁殖を行っています。
コガタノゲンゴロウはゲンゴロウより少し小さい水生昆虫で、近年新たな産地が兵庫県でも見つかっていますが、いつ絶滅してもおかしくない貴重な水生昆虫です。
8月の終わりにふ化した幼虫は、9月に入り2回目の脱皮を終えました。
9月下旬には、いよいよ土の中に潜って蛹になる頃です。
(このブログを書いている9月末頃では、すでに土の中に潜り始めています)
蛹になるタイミングは、水中でエサを食べなくなったときです。
このときの幼虫はこんな感じで、全長5センチメートル前後にまで成長しています。
この幼虫が、ゲンゴロウの姿になるなんて、ちょっと想像できませんね。
こうして上陸(蛹化)が近づいてきたら、私たちは潜るための土を用意し、そこに幼虫を移します。
土に移した幼虫は、しばらくすると蛹になるために土の中に潜っていくのですが、このときにちょっとしたテクニックがあります。
そのテクニックというのは・・・
上の写真のように、土の真ん中に深さ3センチメートルほどのくぼみ(穴)を作って、
そこに、そっと幼虫を置くのです。
しかも、そのときに頭を下に向けた状態で置いてあげると、スムーズに土の中に潜っていくのです!
そして、1時間後に観察すると・・・
このように、完全に土の中に潜っています。
当初は、ただ土の表面に幼虫を置いているだけだったのですが、潜るのに時間がかかったり、潜ってもまた土から出てきたりしていました。
もしかしたら、幼虫にとってもちょっとしたくぼみがあった方がいいのかもしれないと思って、このテクニックにたどり着いたのでした。
(本当のところは幼虫に聞いてみないとわかりませんが・・・)
このように、飼育係のちょっとしたテクニックは、実はまだまだたくさんあります。
次回以降も、そんなお話ができればと思います。
お楽しみに!
(タケダ)