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姫路市立安室中学校

YASUMURO JUNIOR HIGH SCHOOL

〒670-0081 姫路市田寺東二丁目6番1号 地図

電話番号:079-293-2761

学校だより「安室」2023年12月号

  • 公開日:2023年12月6日
  • 更新日:2023年12月6日
  • ID:20437

学校だより「安室」第11号

  • 師走〔大雪・煤払い・冬至・大晦日〕
    「十二月」の異名は「師走(しわす)」。その由来は諸説あるようですが、師は僧のことで、この月には僧を呼んで経を上げてもらう習慣があることから、僧が東西を馳せる「師馳す(しはす)」が語源で「師走」の字を当てたという説が一般によく知られています。他に、年が果てる「年果つ(としはつ)」、年末に仕事をなし終える「為果つ(しはつ)」という説もあります。
  • なにはさて師走に入りぬがんもどき 森 澄雄
     朝晩の冷え込みも徐々に厳しくなり、今年も残り1ケ月となりました。2学期は、体育大会、文化発表会の学校行事など、多くの行事がありました。新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの流行もありましたが、みんなで協力をして、工夫を凝らして無事に行事を実施することができました。これもひとえに、保護者や地域の皆さん方のお力沿いあってのことと感謝申し上げます。

1年を振り返り、新年への見通し(目標)をもとう!

さて、生徒の皆さんは、令和5年が終わるにあたり、できれば家族の人と一緒に、今年1年や2学期の取組を振り返ってみてください。いろいろなことが思い出されることでしょう。授業や行事、部活動。それらを通して、新たな知識、主体性や協調性、思いやりの心や最後までやり遂げる力など、さまざまな力や心が育ったことと思います。一人ひとりの思いや成果は異なるかもしれませんが、自己をしっかりと見つめ、成長した自分に自信をもつとともに、目標に向かって頑張り通した自分をほめて欲しいと思います。そして、そのような取組から得られた力を基に、さらに、新しい目標に向かって一歩一歩成長していってくれることを願っています。

2学期末保護者会が15日(金曜日)から始まります。3年生にとっては進路に向けての追い込み段階に入ってきました。冬休みも勉強に励むことと思いますが、規則正しい生活で健康管理にも気をつけてください。後は、いらいらしないことです。自分で自分を律すること。安室中学校の校訓をもう一度思い出してみてください。(学校だより『安室』のタイトルの下を見てください。)

受験期にはゆっくり小説を読む時間もないと思います。そんなときは、「詩集」なんてどうですか。下の詩は、今の中学生にお勧めの詩です。

「道」 相田みつを

長い人生にはなあ どんなに避けようとしても

どうしても通らなければならぬ道~てものがあるんだな

そんなときはその道をだまって歩くことだな 愚痴や弱音を吐かないでな

黙って歩くんだよ ただ黙って~涙なんか見せちゃダメだぜ!

そしてなあその時なんだよ 人間としてのいのちの根がふかくなるのは・・・

その日の気分で何気なく開いたページに、心に響く言葉があるかもしれません。期末考査も終わり、ちょっと一息ついてはどうですか。勉強の合間の気分転換にいいですよ。

学校司書の前田先生が、図書室をより充実したものにしてくれています。皆さんが希望した新刊もそろえています。

冬休みには、1人5冊まで貸し出します。ホッと一息がつける空間=図書室!みんなで、図書室に行こう!

「母が吾をまたいでゆきぬ年の暮」 夏井いつき

最近、テレビ番組の俳句指導で有名になった「夏井先生」の俳句です。年末の慌ただしい様子が伝わってきますね。学校も12月21日に大掃除をします。各家庭でもこれからだと思います。子どもの頃は、大掃除もたいへんでした。天気のいい日を選んで家族総出で行いました。タンスなどの家具を移動させて、畳を天日干しするために外に運び出します。竹で畳をパンパン叩いて埃(ほこり)を落とすのは子どもの仕事です。家族みんなの自転車もピカピカに磨き上げました。その間に父親は床板をはいで縁の下の湿気取り、それから障子の張替をします。普段は穴をあけると叱られますが、このときばかりは思い切り子どもに破らせてくれました。一方、母親は、家中の隅々まで、はたきをかけて掃除をしていきます。半日干した畳を入れて家具を元通りに戻したら、家の中が清々しく感じられていい気分でした。

もちつきも年末の恒例行事でした。親戚が集まり、各家族分のもちをみんなでついて丸めて…(私の家では今も続けています)。今は家の構造も変わり、畳をあげて大掃除をすることもなくなりました。もちつきも、かまどや杵や臼がなくなり、電動餅つき機で家族分をつくだけです。手軽で便利にはなったけれど、みんなで何かする機会は減った気がします。

しかし、年賀状書き(これもメールに代わりつつありますね。)や正月飾り、おせちの準備など、することはたくさんあります。冒頭の俳句のように「寝転がっている子どもをまたいで、お母さんだけがばたばたしている」なんてことのないように、生徒の皆さんもお手伝いをしっかりしてください。保護者の皆さんにも、お子さんと年の瀬の共同作業をお薦めします。わが子の意外な一面を発見したり、家族の絆が深まったりすると思います。

人生を生きる上で大切なことをわが子に伝えるのは、照れくさいというか難しいことです。「家訓」とか「遺言」とかいうたいそうなものではないけれど、「親の教え」を語れる人をうらやましいと思います。

歌手の加山雄三さんはこんな話をされています。「おばあちゃんは、ぼくが子どもの頃から何かあると、おまえはいま試されているんだ、と言っていました。荷物が重いのではない、自分の力が足りないのだ、とも言われました。この二つの言葉がぼくを支えてくれたのだと思う。」

ものまねで有名なコロッケさんは、お母さんに繰り返し「あおいくま」の教えを受けたと言います。「あ=あせるな、お=おごるな、い=いばるな、く=くさるな、ま=まけるな」

こういうエピソードのある家族っていいですね。だからといって、あえて「わが家の家訓」なんて作る必要はないと思います。こういうときに「こんなこと言うてたなぁ」とか、「いっつもこんなことしてたなぁ」という、日々の生活の中から子どもの心に残るものがひとつでもあればと願うのみです。そういう家族の絆のようなものが、冬休みに生まれるといいですね。