ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

PC版

Multilingual

姫路市立安室中学校

YASUMURO JUNIOR HIGH SCHOOL

〒670-0081 姫路市田寺東二丁目6番1号 地図

電話番号:079-293-2761

学校だより「安室」2024年1月号

  • 公開日:2024年1月15日
  • 更新日:2024年1月15日
  • ID:20745

学校だより「安室」第12号

保護者、地域の皆さんには、旧年中は中学校教育へのご理解とご支援を頂き、ありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。そして生徒の皆さん、今年も良い年になるようにお互い頑張りましょう。

  • 睦月〔正月・元旦・初詣・初日・お年玉・初夢〕
    「一月」の異名は「睦月(むつき)」。その由来は、親類知人が互いに往来し、仲睦まじくする月だからとする説が有力だそうです。私の親の世代は兄弟が多い(『産めよ増やせよ』と戦前の国策で人口を増やそうとした)ため、盆や正月は実家に大勢の親類が集まりにぎやかでした。あの伯母さんからはお年玉はいくらもらえるかな、あの叔父さんからはいくらかな、中学生になったから今年は金額が増えるかな、などとお年玉の予想をしたりして、とらぬ狸の皮算用をしていました。きっと今の子どもたちも同じでしょう。

引く波に寄せくる波に初明り 鈴木真砂女

元旦の明け方の空である「初東雲(はつしののめ)」が、茜に染まることを「初茜(はつあかね)」。そして、ほのぼのと差してくる日の出前の光を「初明り(はつあかり)」といいます。初日の出はもちろん、迎える前の空さえも期待を込めて見つめる、響きも美しい正月の季語です。今年の正月は午前中は天気も良く、初日の出を見た人も多いのではないでしょうか。

〔引いていく波にも、寄せてくる波にもなべて等しく元旦の日が射しています。人生にも波が引く時と寄せてくる時があります。しかし、いずれの時もやはり日は射し初明りに抱かれているのです。〕 

正月の空は「初空(はつそら)」「初御空(はつみそら)」ともいいます。晴れれば五穀豊穣(ごこくほうじょう)の兆しである「初晴(はつばれ)」、雨や雪でも、めでたい新年に天から降り、豊作を約束する「御降(おさがり)」と呼んで喜んだそうです。新しい年を迎える元旦に、すべてをありがたく受け入れて感謝し、寿(ことほ)ぐ心こそが、幸多き年を招いたのでしょう。

年頭にあたり、初詣に神社や寺社に行き、祈願した人も多いと思います。特に、受験を目前にした3年生はそうではなかったでしょうか。「苦しいときの神頼み」ではなく、「人事を尽くして天命を待つ」くらいの心境になれるといいですね。子どもの頃を思い出すと、あれもこれもとお願いをしていました。親からは「たった5円でようさんお願いされて、神様もたいへんや。」と笑われていました。「してほしい」「してください」とだれかに頼っているうちは子どもだと言いたかったのかもしれません。自分の人生は自分が決めるのだから、神様には、無事新年を迎えられたことを感謝し、「こういう目標に向かって頑張りますので見守っていてください」というぐらいがいいのでしょうね。

中国の書物「月令広義」(げつりょうこうぎ)の中に四計というものがあります

一日之計在晨(一日の計は晨(あした)にあり)(注)『晨』は「朝」の意味
一年之計在春(一年の計は春にあり)(注)『春』は「正月」の意味
一生之計在勤 (一生の計は勤にあり)
一家之計在身 (一家の計は身にあり)

ここから「一年の計は元旦にあり」ということわざが生まれたそうです。

「一日の計画は早朝に立て、一年の計画は元旦に立てるべきである(何事も最初が大切だ)。
一生はまじめに努力することが大切であり、身の振り方で一家の将来が決まる。」という意味でしょうか。 

「一年の計は元旦にあり」。「学校の計は始業式にあり」です。今年1年をどんな年にしたいか。そのために3学期をどう過ごすか。決意と覚悟、勇気を持って実践です。頑張っていきましょう。

安全・安心な学校づくりを目指して~自分の身は自分で守る~

元日の夕方、石川県能登地方を震源とする大きな地震が発生しました。2週間が過ぎた今もなお、安否不明者が多数おられ、多数の方が亡くなられています。寒さも厳しくなり避難所での生活も困難な状況にあると報道されています。ご冥福をお祈りするとともに、お見舞い申し上げます。

また、2日には羽田空港において旅客機と海上保安庁の輸送機(能登半島地震の救援物資輸送)の衝突事故がありました。輸送機の乗務員の方がなくなられています。ご冥福をお祈りいたします。この羽田空港事故では、18分間という短い時間で旅客機の乗客乗員379名は全員無事に脱出できました。乗務員の方々は普段より「90秒ルール」といって、乗客全員を90秒で脱出させる訓練を行っていたそうです。しかし、その時は、機体が炎上していて脱出に使用できる安全なドアが3つしかなかったそうです。乗務員の機転により、荷物は持ち出さないことを指示、安全な近くのドアから順番に脱出させました。鬼気迫る状況の中、乗務員の冷静な判断により乗客乗員の全員が助かることができました。

私たちは、今回の災害・事故を「我が事」としてとらえ、今後に活かしていく必要があります。私たちに、今、何ができるかを考えてほしいと生徒たちには伝えました。自分のために、家族のために、地域の人たちのために、そして、被災地の方たちのために。

学校においては、火災や地震、豪雨などの災害への備え、登下校の交通安全、不審者対応、健康面への注意、学校施設の安全点検整備、校内での子どもの動線を想定した安全確保など、さまざまな観点で子どもたちの生命を脅かす危険性から、子どもたちを守る対策を立てています。地震や火災については、マニュアルを作成し、避難訓練や防災教育を行っています。いざという時のための人工呼吸法とAEDの使い方講習会など救命救急訓練の実施。学校医・警察等の関係機関と連携した薬物乱用防止教室の実施。さらに、教職員においては食物アレルギー対応訓練なども行っています。また、スマートフォンなどのネット利用で起きるトラブルや犯罪への危機管理も大切となってきています。

さらに、学校・家庭・地域が迅速で確実な情報の共有化を図り、地域社会全体で子どもたちを見守り、安全確保を図っていくことが重要です。すでに、地域においては、朝夕の見守り(挨拶運動)、地域かけこみ110番、少年補導委員さんによる校区内の巡回等をしていただき、子どもたちも安心して通学できています。ありがとうございます。

ご存じだと思いますが、学校は学びの拠点であるとともに地域防災の拠点でもあるのです。緊急時には、休日や夜間など学校に子どもや教職員がいない場合でも、姫路市の避難所担当の方が避難所として学校を開放することになっています。

実際にはこうした備えが役に立つ機会がこないことを願うばかりですが、いざという時に、あわてず冷静に素早く対応できる自分自身をつくっておかなくてはなりません。常日頃から訓練を重ねて準備しておかなくては、なかなかできるものではありません。

本校学区域で本当に怖いのは、天災ではなく交通事故や不審者対応などの人災かもしれません。いずれにしても最後は、「自分の身は自分で守る」です。さまざまな教育活動を通して、適切に思考・判断そして行動できる力を培っていきたいと考えています。