ミズカマキリはアメンボが大好物!?
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皆さん、こんにちは。
今日ご紹介するのは、水生昆虫のミズカマキリです。
体つきが陸上のカマキリに似ているために、このような名前がついていますが、「昔は春先に学校のプールを掃除するときに見かけた」という話をよく聞きます。
それくらい昔は普通の昆虫だったのでしょうね。
しかし、最近ではこのミズカマキリは市街地ではほとんど見られなくなり、山間のため池や湿地でわずかに見られるほどに減少してしまいました。
当館では、タガメをはじめとする水生昆虫を繁殖して展示しています。
ミズカマキリも周年展示していますが、繁殖には少しコツが必要です。
さて、ミズカマキリを飼育する中で特徴的なのが、好みの餌です。
タガメやタイコウチなど他の水生昆虫では、小魚やオタマジャクシなどを好んで食べますが、ミズカマキリの場合は、なんと、アメンボが大好物なのです!
水槽にアメンボを入れると、細い前肢を水面に向けて、一瞬でアメンボを捕まえてしまいます!
よく見ると、どの個体もアメンボを捕まえていますね!
実は、ミズカマキリがアメンボを特に好んで食べることは、私たち職員が偶然発見したのでした。
アメンボも同じ水生昆虫で、野生下でも同じ環境にいることが多いので、両種とも仲良く暮らしているんだと私たちは考えていました。
ところが、あるとき、ミズカマキリを展示している水槽にアメンボを入れてみたところ、ミズカマキリが一瞬でつかまえて食べ始めたのでした!その素早い動きは、私たちも見たことがないくらいでした。
これには私もおどろきました。
ミズカマキリは細長い体で、その体つきは水中の枝や水草にそっくりです。
エサをじっと待ち伏せるのにはとても好都合です。
きっと、水面にいるアメンボには水中のミズカマキリは枝や水草にしか見えていないのでしょう。
ミズカマキリにとって、水面にいるアメンボは無防備で、水中にいる生きものよりも、とらえやすいエサなのだと思います。
新館2階のミズカマキリ水槽では、アメンボが捕えられて食べられていることがありますが、
これもミズカマキリが生きていくために必要なこと。
生きものの「食う-食われる」の関係を感じていただければと思います。
(タケダ)