ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

PC版

Multilingual

あしあと

 

    特別展「没後50年 姫路が生んだ二人の作家 阿部知二と椎名麟三展」の開催

    • 公開日:2023年11月21日
    • 更新日:2023年11月23日
    • ID:25180

    資料提供日

    令和5年(2023年)11月21日(火曜日)

    問い合わせ先

    担当課 姫路文学館 学芸課
    担当者 甲斐・徳重
    電話番号 079-293-8228

    姫路出身の小説家、阿部知二(1903年から1973年)と椎名麟三(1911年から1973年)の生涯と作品を振り返る展覧会を開催します。

    開催趣旨

    ともに没後50年を迎える姫路出身の小説家、阿部知二(1903年から1973年)と椎名麟三(1911年から1973年)。つねに時代と運動しながら独自の文学を築いた二人の足跡をたどるとともに、それぞれの記念碑的作品となった姫路城がモチーフの小説・戯曲にも注目し、各々の魅力を浮かび上がらせます。

    プロフィール

    阿部知二(あべ ともじ)

    明治36年(1903年)から昭和48年(1973年)まで
    岡山県美作市生まれ。9歳のとき島根県から姫路に移り、姫路中学校を卒業。旧制第八高等学校を経て東京帝国大学英文学科に学んだ。昭和5年、モダニズム作家として文壇に登場。主知的文学論を唱え日本の文壇に挑戦し、昭和10年代には不安な時代を生きる青年たちの憂愁を描いて人気を博した。戦後は、戦争体験の反省から平和のための社会参加を積極的に行う。主な作品は、『冬の宿』『風雪』『日月の窓』『捕囚』など。英文学研究やメルヴィル『白鯨』などの翻訳も多数。

    椎名麟三(しいな りんぞう)

    明治44年(1911年)から昭和48年(1973年)まで
    姫路市書写の生まれ。姫路中学校を中退した後、商店員・コック見習い・電車車掌など職を転々とする。共産党員として検挙され、獄中で転向。ニーチェやキルケゴール、ドストエフスキーから強い影響を受ける。敗戦の翌々年に「深夜の酒宴」を発表し、敗戦直後の廃墟に人間存在の意味を真っ向から問う作家として登場した。野間宏、梅崎春生らとともに第一次戦後派を代表する。主な作品は、『永遠なる序章』『邂逅』『自由の彼方で』『美しい女』など。演劇、映画、ラジオドラマのシナリオも多数。

    展覧会概要

    会期

    令和5年12月2日(土曜日)から令和6年2月4日(日曜日)まで

    • 休館日:毎週月曜日(ただし、1月8日(月曜日)は開館)、12月26日(火曜日)から1月5日(金曜日)、1月9日(火曜日)
    • 開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)

    会場

    姫路文学館 北館

    観覧料

    一般700円、大学生・高校生400円、中学・小学生200円

    • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方(手帳またはミライロID手帳画面をご提示ください)及び介護者1人は半額
    • 姫路市内在住の65歳以上の方、どんぐりカード、ココロンカード提示の小中学生は無料
    • 20名以上の団体は2割引

    主催

    姫路文学館

    展示構成

    原稿や書簡、揮毫掛軸、短冊、色紙、書籍や雑誌、新聞、写真等約300点で構成。

    第1章 阿部知二の原点

    3つの故郷から出発し、文学的感受性を育んだ学生時代、大学での英文学研究と文学理論探究の日々を経て、小説執筆へと至る阿部の足跡を追います。

    1. ふるさとの風景-美作、出雲、姫路
    2. 八高時代-〈歌よみ〉を夢見て
    3. 東大時代-小説への覚醒
    4. 文学理論の模索ー文壇デビュー・主知的文学論
    5. 長編小説に挑む
    • 主な展示品:「地図」原稿、詩稿「城」(断片)、「荒地」原稿(吉備路文学館蔵)など

    第2章 椎名麟三の原点

    悲哀とともに故郷姫路を離れた椎名が、労働者としての苛酷な体験や戦争体験を経て、戦後を代表する作家として登場する過程をたどります。

    1. 「故郷はない」
    2. 家出少年と社会思想
    3. 目前の死と愛への疑い-転向
    4. 文学の道へ-ドストエフスキー体験
    5. 創作活動への第一歩-習作と文学論
    6. 実存主義作家の誕生
    • 主な展示品:「黒い運河」原稿(草稿含む4種類)、「自由の彼方で」原稿、椎名麟三旧蔵の哲学書など

    第3章 作家たちの創造

    各時代ごとの2人の作品を紹介しながら、作家の独自性を浮かび上がらせます。

    1. 昭和10年代-阿部知二:風前のヒューマニズムを描く・ジャワ従軍体験
    2. 昭和20年代-阿部知二:傍観から行動へ
    3. 昭和20年代-椎名麟三:ニヒリズムを超える試み・信仰への賭け
    4. 昭和30から40年代-阿部知二:知識人の使命に賭ける
    5. 昭和30から40年代-椎名麟三:円熟、さらにその先へ
    • 主な展示品:遺品(机、ペン、名刺など)、阿部知二遺稿「捕囚」原稿、口述テープ、椎名麟三遺稿「西へ東へ」など

    第4章 創作の広がり

    小説にとどまらない作家たちの創作活動を紹介します。

    1. 阿部知二-翻訳、児童文学、映画
    2. 椎名麟三-演劇、演劇、メディア
    • 主な展示品:ハーマン・メルヴィル『白鯨』(阿部知二訳)、映画「愛と死の谷間」(椎名麟三オリジナル脚本)台本など

    第5章 姫路の文化振興

    阿部知二が中心となった「城ペンクラブ」と椎名麟三制作の戯曲「姫山物語」を通して、姫路における戦後の文化振興について取り上げます。

    • 主な展示品:城ペンクラブ機関紙「城」、戯曲「姫山物語」公演記録(写真)など

    来場者限定プレゼント(姫路文学館友の会協賛)

    来場者全員に朗読音声にアクセスできるQRコード付きしおりをプレゼントします。
    速水奨さん(声優)が朗読する椎名麟三作「美しい女」、桂佑輔さん(声優)が朗読する阿部知二作「冬の宿」をご自宅でもお楽しみいただけます。
    しおりは2種類あり、「椎名麟三」デザインと「阿部知二」デザインから好きな方をお選びいただけます。

    しおりの絵柄

    イベント

    会場はいずれも講堂(北館3階)

    映画「冬の宿」上映会 (国立映画アーカイブ蔵・兵庫県映画センター協力)

    1938年に公開された阿部知二原作の映画「冬の宿」(東京発声 監督・豊田四郎)を上映します。

    • 日時:令和5年12月2日(土曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
    • 定員:150人(当日先着順、特別展観覧券の半券が必要)

    朗読会「ふたりの「姫路」」

    阿部知二の短編「城」(1948年)と椎名麟三の戯曲「姫山物語」(1963年)(それぞれ抜粋)を朗読します。

    • 日時:令和5年12月17日(日曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
    • 出演:音訳ボランティアグループ サークルさえずり
    • 定員:100人(事前申込不要・当日先着順、無料)

    展示解説会

    • 日時:令和5年12月23日(土曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
    • 講師:担当学芸員
    • 定員:100人(事前申込不要・当日先着順、無料)

    椎名麟三セミナー「椎名麟三の思想」

    • 日時:令和6年1月13日(土曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
    • 講師:玉田克宏(学芸員)
    • 定員:100人(事前申込不要・当日先着順、無料)

    展覧会図録『没後50年 姫路が生んだ二人の作家 阿部知二と椎名麟三展』

    • 寄稿:佐伯一麦「椎名文学と私」
    • 寄稿:中西進「阿部知二のこと−「冬の宿」をめぐる回想−」(再録)
    • 編集:姫路文学館
    • 発行日:令和5年12月2日
    • 価格:1100円(オールカラー・58ページ)

    ご来館の際の注意

    駐車場の台数には限りがあります。公共交通機関のご利用にご協力ください。

    添付資料

    お問い合わせ

    姫路市役所観光経済局 姫路文学館

    住所: 〒670-0021 姫路市山野井町84番地

    住所の地図

    電話番号: 079-293-8228 ファクス番号: 079-298-2533

    電話番号のかけ間違いにご注意ください!

    お問い合わせフォーム