現在、当園で飼育をしていませんが、他の動物園で生活している、姫路市ゆかりの動物たちがいます。来園者から、「ホッキョクグマ、もういないの?」や「チンパンジーいたよね?」などご質問を受ける動物たちをここで紹介させていただきます。
動物園の動物が、他の動物園に移動する理由には次のことが挙げられます。
公益社団法人日本動物園水族館協会に加盟する動物園や水族館では、ホッキョクグマなどの希少動物の個体数を維持するべく、動物園水族館の間で動物の貸し借りを積極的に行い、繁殖に取り組んでいます。
また、一つの動物園のみで繁殖を進めようとした場合、親個体の高齢化や血縁関係のある個体間での繁殖など倫理的な問題も生じるため、他の動物園と個体交換などを行い繁殖に取り組んでいます。
さらに、本来、群れで生活する動物にとって、1頭のみで飼育することは、その動物にストレスを与えることになり、動物の飼育環境に適していないため、仲間のいる他の動物園、水族館に移動することもあります。
ホッキョクグマの国内飼育は、1999年の58頭をピークに減少しており、2024年3月末時点で30頭となっています。ホッキョクグマの生息地である流氷水域や海岸は、地球温暖化の影響により氷が減少していて、そのためにホッキョクグマの生息数も減っており、絶滅が危惧されています。
2000年12月生まれのオスのホクトは、2020年6月に、繁殖を目的として、旭山動物園に移動しました。
旭山動物園において、帯広市所有のメスのピリカとの間で繁殖に成功し、2021年12月にメスのユメが誕生し、ホクトは父親となりました。
2024年6月現在、ホクトは旭山動物園で活躍しています。また、子どものユメは帯広市所有ですが、2024年6月現在、神戸市立王子動物園にいます。
1999年11月生まれのメスのユキは、2019年3月に、繁殖を目的とし、男鹿水族館に移動しました。そして、2020年12月、男鹿水族館において、秋田県所有のオスの豪太との間で繁殖に成功し、オスのフブキが誕生し、母親となりました。
2024年3月に男鹿水族館から浜松市動物園に移動しています。
浜松市動物園提供
ユキの子どもフブキは姫路市所有ですが、現在は名古屋市の東山動植物園で活躍しています。東山動植物園から提供いただいた写真をご覧ください。
ホッキョクグマのフブキ
ホッキョクグマのフブキ
来園者の方から、ホッキョクグマは姫路市に戻らないのですか?という質問を受けることがあります。
現在、公益社団法人日本動物園水族館協会により適正施設ガイドラインが作成されており、ホッキョクグマを飼育するためには、このガイドラインに沿った施設を整備する必要があります。
かつてホッキョクグマたちがいた、元ホッキョクグマ舎はこのガイドラインに適合しておらず、また、姫路市立動物園が国の特別史跡内にあることから施設改修に制約も多く、現状、ホッキョクグマを姫路市に戻すことは出来ません。
推定1989年生まれのメスのキンコは、1991年にオスのゴンベとともに当園にやってきました。
ゴンベが2007年に亡くなったことで、「キンコ」1頭のみの単独飼育となっていましたが、チンパンジーにとって、単独飼育が望ましくないため、2015年に徳山動物園に、その後、2023年に福岡市動物園に移動しています。
福岡市動物園提供
福岡市動物園提供
2024年6月現在、池田動物園と神戸須磨シーワールドに計3頭のマゼランペンギンの貸し出しを行っています。
ちなみに、姫路市立水族館で飼育中のペンギンは、フンボルトペンギンです。また、現在もマゼランペンギンたちを姫路市立動物園で飼育しています。
マゼランペンギンとフンボルトペンギンは、よく似ていますが、姫路市立動物園、姫路市立水族館に来ていただき、ペンギンの違いを探してみてください。
姫路市役所観光経済局姫路城総合管理室姫路市立動物園
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