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    企画展「生誕120年記念 木山捷平展」の開催

    • 公開日:2024年1月25日
    • 更新日:2024年1月27日
    • ID:26144

    資料提供日

    令和6年(2024年)1月25日(木曜日)

    問い合わせ先

    担当課 姫路文学館 学芸課
    担当者 竹廣
    電話番号 079-293-8228

    姫路ゆかりの小説家・詩人木山捷平(1904年から1968年)の生誕120年を記念し、その生涯と作品の魅力を紹介する展覧会を開催します。

    開催趣旨

    平凡に、そしてたくましく生きる人々のいとなみを描き出し、その飄々とした無二の作品世界に根強いファンを持つ小説家・詩人木山捷平。
    じつは、その苦悩の青春の一時期を姫路で小学校教員として過ごしていました。父親から文学の道を進むことを猛烈に反対され続けた木山が、個人誌「野人」を創刊したのは、姫路で教師をしていた昭和2年のことでした。その創刊号の後記に「私はひとりぼつちだ」と書いた孤独な青年は、この姫路時代の終わりの昭和4年に、第一詩集『野』の刊行と共についに上京を果たし、本格的な文学活動をスタートさせました。
    昭和初期の文壇で頭角を現し始めた昭和19年12月、すでに敗戦の色濃くなった時期に満州に渡り、「百年を生きたほどの苦しみに耐えた」という約1年の難民生活を経て生還した木山。そんな苛酷な満州体験をユーモラスに綴った『耳学問』などにより、世の中がこの作家の魅力に気づいた時、彼はすでに五十代半ばとなっていました。
    本展では、木山自身もほとんど何も書かなかった知られざる姫路時代にスポットをあてるほか、井伏鱒二、太宰治など同時代作家との交流、そしてようやく訪れた木山ブームの様相などをたどります。
    「駄目も目である」囲碁好きの木山が好んで書いた言葉です。どんなに辛く苦しい時も文学を手放さず、あえて目立たぬことを好むかのように、ひたすらに庶民の座に腰を下ろして書き続け、生きぬいた一人の男が、日本文学史上まれにみる作家として読み継がれている理由とは。
    生誕120年という節目に、没後50年以上を経ても愛され続ける「木山さん」の魅力にせまります。どうぞご期待ください。

    プロフィール

    小説家・詩人。

    明治37年3月26日、岡山県小田郡新山村(現在の笠岡市)に生まれる。姫路師範学校卒。出石の弘道尋常高等小学校で2年の教職義務を終え上京。東洋大学に進むが病を得て中退、帰郷。休養後、昭和2年に荒川尋常高等小学校(現・姫路市立荒川小学校)、昭和3年に菅生尋常高等小学校(現・姫路市立菅生小学校)教師をつとめ再度上京。詩集に『野』(昭和4年)『メクラとチンバ』(昭和6年)があり、のちに『木山捷平詩集』(昭和42年)『木山捷平全詩集』(昭和62年)も編まれた。上京後、小説を書き始め、昭和8年、太宰治らとの同人誌「海豹」に加わる。昭和19年末に旧満州(中国東北)に渡り、翌年の敗戦を迎える。約1年間の難民生活を経て21年に帰国。長く心身の不調に悩まされながらも、「耳学問」(昭和31年)により注目を集め、次第に人気作家となる。戦後、断片的に書き続けた大陸での日々を長編としてまとめた『大陸の細道』により昭和37年度芸術選奨文部大臣賞受賞。昭和43年8月23日、食道ガンにより64歳で他界。

    展覧会概要

    会期

    令和6年2月17日(土曜日)から4月14日(日曜日)まで

    • 休館日:毎週月曜日、3月21日(木曜日)
    • 開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)

    会場

    姫路文学館 北館

    観覧料

    (3月31日まで)  一般310円、大学生・高校生210円、中学生・小学生100円(常設展料金)

    (4月1日から) 一般450円、大学生・高校生300円、中学生・小学生150円(常設展料金)

    令和6年度(2024年度)より、常設展料金の改定を行います。何卒ご了承ください。

    • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方(手帳またはミライロID手帳画面をご提示ください)及び介護者1人は無料
    • 姫路市内在住の65歳以上の方、どんぐりカード、ココロンカード提示の小中学生は無料
    • 20名以上の団体は2割引

    協力

    吉備路文学館

    主催

    姫路文学館

    展示構成

    原稿や書簡、揮毫掛軸、短冊、色紙、書籍や雑誌、新聞、写真等約200点を展示。初公開資料や、新たな発見をおりまぜながら構成。

    第1章 文学の原郷 故郷笠岡

    生死も危うかった戦後の満州での日々。ただ故郷の墓に入ることだけを望みとして、ひたすらに生き延びた木山。極めて大きな存在であった父静太との関係とともに、複雑な愛憎が入り混じった、木山にとっての故郷笠岡を解説。また、文学に魅入られ、さまざまな文芸欄や文芸雑誌にあらゆるペンネームを使って作品を投稿していた矢掛中学校時代を紹介。

    1. 貧相な寝顔の子 三月生まれの運命
    2. 「百姓のジレッタント」 父木山静太
    3. 中学校時代 文学少年という快

    第2章 やせがまんの青春 

    詩作ノート、個人誌「野人」、第一詩集『野』などで長く苦しく、そして孤独な流浪の時代の木山の心情に迫る。また、加東市出身の詩人坂本遼との心温まる交流についても紹介。

    1. 姫路師範学校 あきれ果て候
    2. 出石 新米教師
    3. 上京と挫折 
    4.  都から播州へ なぐりころしてはくれないか
    5. ふたたびの姫路 “たった一人の友”
      「野人」創刊 「捷平の我慢が捷つた」
      姫路の日々 「秋」と「友達」と「船場川」
    6. 「俺達の詩人」木山捷平

    【詩人坂本遼との心の交流】       

    第3章 駄目も目である 長い道程

    小説への転向、同人誌「海豹」での作家デビューから、深い確執を抱いたまま迎えた父の死など苦悩の日々を、太宰治らとの交流をまじえて紹介。そして終戦直前の満州に自ら赴き、1年8か月後、命からがら生還するまでの体験は、戦後、木山文学のひとつの核となった。代表作「長春五馬路」「大陸の細道」からその苛酷な日々を紹介。

    1. 結婚 父子の断絶
    2. 詩から小説へ
    3. 父の死から 仕事をしない自分
      【失われた詩稿 再発見】
    4. 満州体験 百年を生きた苦しみ      

    第4章 木山捷平の戦後

    戦後、心身ともに復調せず苦悩した日々を越えて、50代半ばにして訪れた木山ブーム。59歳にして「大陸の細道」により芸術選奨文部大臣賞を受賞。そのブームの様相を紹介。

    1. 帰国 「飯はあるか、酒はあるか」
      【阿佐ヶ谷会】
    2. いやなさびしい人生 痛みの孤独
    3. 五十年 木山ブームの到来 
    4. 終焉 木山さんの不在

    イベント

    会場はいずれも講堂(北館3階) 

    展示解説会

    • 日時:令和6年2月25日(日曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
    • 講師:担当学芸員
    • 定員:100人(事前申込不要、当日先着順 無料)

    世田谷ピンポンズライブ 木山捷平をうたう おき忘れた下駄に雨がふる

    • 日時:令和6年3月24日(日曜日)午後2時から午後3時30分まで(開場は午後1時30分)
    • 出演:世田谷ピンポンズ
    • 定員:120人(観覧券の半券が必要・当日先着順・無料)

    展覧会図録『生誕120年記念 木山捷平』

    【寄稿】岩阪恵子「木山さん」
    【寄稿】内藤省二「“たった一人の友”大西重利と姫路市南畝町二八八の謎」

    編集 姫路文学館

    発行日 令和6年2月17日

    価格 1000円(オールカラー・40ページ)

    添付資料

    お問い合わせ

    姫路市役所観光経済局 姫路文学館

    住所: 〒670-0021 姫路市山野井町84番地

    住所の地図

    電話番号: 079-293-8228 ファクス番号: 079-298-2533

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