令和6年1月5日(金曜日)
担当課 姫路市埋蔵文化財センター
担当者 関・河本
電話番号 079-252-3950
令和6年1月13日(土曜日) 午後1時30分から(少雨決行、雨天中止)
姫路市網干区和久地内(添付資料の調査位置図参照)
今回の調査地は関ノ口遺跡に該当し、JR網干駅周辺の区画整理事業に伴って実施した。当遺跡は、弥生時代から中世にかけての集落遺跡である。過去の調査では2基の埋没古墳や古墳時代の大型の掘立柱建物、弥生時代から古墳時代にかけて多くの竪穴建物や土坑が見つかったほか、谷地形の埋没土中から縄文土器が出土するなど、姫路市を代表する遺跡の一つである。
今回の調査では、弥生時代から古墳時代の竪穴建物4棟や土坑16基、柱穴98基、溝2条、中世の畝溝6条や土坑3基、柱穴48基などを確認した。特に弥生時代後期(1世紀中頃から3世紀中頃)から古墳時代初め(3世紀後半から末)の竪穴建物4棟を良好に確認できた。
・竪穴建物1 古墳時代初頭、1辺約6m平面方形の竪穴建物。ベッド状遺構と呼ばれる住居内縁辺部の高まりがみられる。中央に炉があり、柱跡のそばから砥石が見つかっている。
・竪穴建物2 1辺約4m平面正方形の竪穴建物。中央部に炉が確認された。詳細な時期は不明なものの、竪穴建物1が重なっており、竪穴建物1より古い建物と考えられる。
・竪穴建物3 弥生時代後期、平面方形ないし多角形の竪穴建物。
・竪穴建物4 直径約7mの平面円形の竪穴建物。詳細な時期は不明なものの、竪穴建物3が重なっており、竪穴建物3より古い建物と考えられる。サヌカイト製の石庖丁を転用した錐が出土した。
今回の調査では平面形や規模、燃焼施設などが異なる弥生時代から古墳時代の竪穴建物4棟を良好に確認できた。4棟は重なり合っており、弥生時代後期から古墳時代初頭にかけて建て替えながら綿々と同じ場所で生活していた。18リットル入りコンテナ約30箱分の土器や石庖丁を転用したサヌカイト製の錐、金属製品を研いだと思われる砥石なども出土しており、この地が生活に適した豊かな土地であったことが想定できる。周囲の調査でも弥生時代中期後半から古墳時代初頭にかけての遺構を多数確認しており、関ノ口遺跡は地域における中核となる大規模な集落遺跡の一つとして注目される。
姫路市役所教育委員会事務局生涯学習部埋蔵文化財センター
住所: 〒671-0246 姫路市四郷町坂元414番地1
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